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音量バランス、パンニング、エフェクト処理まで!ストリングスのMixテクニックを解説!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、ストリングスのMixテクニックについて解説していきます。

  • ストリングスの音量バランス
  • ストリングスのパンニング
  • ストリングスのエフェクト処理

など、ストリングスサウンドのクォリティをより高めるために必要なMixテクニックをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

ストリングスのMixテクニック①:音量バランス

ストリングスのMixテクニック①:音量バランス

ストリングスは高音楽器ほど人数が多く配置されます。

高音楽器ほどメロディに近いパートを演奏することが多いため、より大きな音量で鳴らせるよう多くの人員が配置されているわけですね。

しかし、市販されているストリングス音源はどのパートも均一の音量で鳴るよう作られており、全パートを一律の音量バランスで鳴らしてしまうと、どうしても低音楽器が強くなってしまいます。

そこで、打ち込みの場合はフェーダーを調整して、全体のバランスをとっていきましょう。

基本的には、以下のようなバランス感で良いかと思います。

1st > 2nd > Va. ≧ Vc. > Cb.

どれくらいずつ下げるかは使用する音源によるところも大きいのでなんともいえませんが、ぼくは下図のようなバランスで使用しています。

 

ストリングスMixテクニック②:パンニング

ストリングスMixテクニック②:パンニング

ストリングスのパンニング:基本編

ストリングスのパンニングは、原則としてオーケストラの配置をそのまま参考にすれば問題ないでしょう。

基本となる配置のほか、いくつか亜種があるのでご紹介しておきます。

■基本パターン

こちらは一般的なオーケストラの配置ですね。

より本物のオーケストラらしい配置を目指す場合はこのパターンを採用すると良いでしょう。

エレキベースやシンセベースとコントラバスを共存させる場合も、それぞれの位置をすみわけることができるのでオススメです。

■コントラバスを中央に配置したパターン

昨今の劇伴音楽など、スタジオ録音を前提とした作品で多く見られるパターンです。

最低音パートとなるコントラバスを中心に据えることで、全体的に安定感のあるサウンドを実現できます。

エレキベースやシンセベースのいない編成のアレンジでは、このパターンも非常にオススメです。

■Violinを両翼に配置したパターン

Violinを両翼に配置したパターンも存在します。

高音を担当する1st Violinと2nd Violinが対称的に配置されているため、音域と配置のバランスに優れています。

ポップスなどでオススメの配置パターンです。

ストリングスのパンニング:実践編

それでは実際に配置をしていきましょう!

ストリングスのパンニングを行う手段は多岐にわたるので、ここではその中でも代表的な3つの方法をご紹介します。

■DAWのパナーを使う

DAWのミキサー画面で、直接パンニングしてしまいましょう。

この時、左右それぞれのパンを独立してコントロールできるDAWならば、ステレオの音像を広げたり狭めたりできるので便利です。

この方法のメリットは、位相ずれなど音像の狂いが少ないところです。

元のサウンドのイメージを崩さずに、ステレオ幅と定位を変更したい場合はこの方法を活用すると良いでしょう。

■ステレオイメージャーを使う

WAVESのS1など、ステレオイメージャーを使うのもひとつの手です。

  • 左右の位置
  • ステレオ幅
  • 音像の傾き

の3点を直感的にコントロールできる点が魅力ですが、思わぬ位相ずれなどを引き起こす可能性もあるため、慎重に取り扱いましょう。

■音源の設定をいじる

音源の設定でパンニングしてしまうのも良いでしょう。

ただし、音源側で定位を変えてしまうと、エンジニアさんにデータを渡す際にパンニングが施された状態のステレオ音源を渡してしまう可能性が高くなります。

自分のパンニングに確固たる自信がある場合は問題ありませんが、少しでも不安が残る場合は、パラデータ書き出し時にセンター定位に戻した状態でエンジニアさんに渡しましょう。

 

ストリングスのMixテクニック③:エフェクト処理

ストリングスのMixテクニック③:エフェクト処理

つぎに、ストリングスのエフェクト処理について話していきます。

といっても、そこまで積極的な音作りをする必要はありません。

自然なリバーブ感と、問題がある場合に改善のEQ&コンプを施す程度で問題ないでしょう。

ひとつひとつ解説していきます。

ストリングスのリバーブ

ストリングスのリバーブでもっとも大事なことは、自然なホール感を演出すること。

ですから、原則としてサンプリングリバーブ(コンボリューションリバーブ)の使用をオススメします。

サンプリングリバーブは、実在するホールなどの響きを直接サンプリングし、その特性を再現できるスグレモノ。

ストリングスなどのオーケストラ楽器にはぴったりのリバーブですので、そちらを使うと良いでしょう。

また、あまりにもドライすぎる音源を使う場合は、一度ルームリバーブで空間成分をプラスしてから、ホールリバーブに送るのもオススメです。

ストリングスのEQ

ストリングスのイコライジングは、一般的なイコライジングテクニックとそう変わりはありません。

モヤモヤしたはっきりしないサウンドの要因となる中低域の無用な膨らみ、高域のキンキンしたサウンドといった不要な成分をカットしていきましょう。

1st〜Cb.までの各パートに問題解決のためのEQをインサートして、不要な要素をカットしていきます。

各パートの調整が完了したら、最後にバスに全体を調整するためのEQをインサートして音作りしましょう。

一般的には、ヌケ感をプラスする意味で高域の倍音を少し持ち上げることが多いのですが、あくまで楽曲のジャンルやアレンジ次第ですので、必要に応じて適宜調整していきましょう。

ストリングスのコンプ

こと打ち込みの場合、ストリングスに対する積極的なコンプは必要ないと考えています。

音量のばらつきは、ベロシティエクスプレッションでいくらでも調整可能だからです。

※アナログの質感をプラスするなど、音作りのコンプはアリだと思います。

ですから、各トラックへのコンプは軽くピークを抑える程度に設定しておき、全パートをまとめたバスにコンプをインサートして全体のダイナミクスを調整していきましょう。

バスコンプを入れることで各パートのまとまりがよくなり、全体の一体感が出てきますし、ストリングス全体のダイナミクスを一括で調整することができるので、ミックスの中でのストリングスの存在感を簡単にコントロールできます。

 

まとめ

というわけで、ストリングスのミキシングテクニックについてお話ししました。

Mixはもちろん大事ですが、その前段階のモックアップの方が全体のクォリティに影響しやすい部分でもあります。

まずはモックアップをしっかり施した上で、さらに自然なサウンドに仕上げるための最終手段として、今日のミックステクニックを活用していただければ幸いです。

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