「奏法」に関する楽語・記号の基礎知識!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師の鎧都万雄大です。
今回は、奏法に関する楽語・記号について解説していきます。
- 奏法とは?
- 基本的な奏法楽語・記号
- 特定の楽器で用いられる奏法楽語・記号
この記事では細かい演奏方法や表現をまとめて奏法として扱います。
音符の近くに記譜されることの多い楽語・記号で、見たことがあるものが多いでしょう。
どの楽器でも用いられるものと、楽器固有のものがありますので、しっかり身につけていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
楽典:奏法に関する楽語・記号
奏法とは?
奏法とは、音色や表現の変化をともなう演奏方法の違いのことです。
例えば、同じ楽器でも叩くのか、擦るのか、はじくのかで、それぞれ違う音色がでます。
アルコ奏法
ピチカート奏法
他にも、音をつなげて弾くのか、短く切るのかによっても、その演奏から受ける印象が変わります。
通常
スタッカート
つまり、そのフレーズや音をどんな音色で、どんなふうに演奏するのか、という部分です。
この記事では以上をまとめて奏法として扱います。
基本的な奏法楽語・記号
基本的な奏法とは、あらゆる楽器で共通で使われ、主にそのフレーズや音をどう表現して欲しいのかについて用いられます。
ここではよく使われるもの解説します。
- タイ
- スラー
- スタッカート(スタッカーティシモ)
- テヌート
- グリッサンド
- アルペジオ
- トレモロ
- フェルマータ
- ブレス
タイ
タイは、結ばれた同じ高さの音をつないで、切れ目なく演奏することを指示する記号です。
小節をまたいで演奏したり、同じ小節内でも拍を見やすく表記するために使われます。
スラー
スラーは、タイと似ていますが、違う高さの音が括られています。
これは括られている音符を、滑らかに演奏することを指示する記号です。
ストリングスなどでは、スラーのついている音はひと弓で演奏する、などの決まりもあります。
スタッカート(スタッカーティシモ)
スタッカートは、音を短く切って演奏することを指示する記号です。
どれくらい短く切るかの目安として、音価の50%の長さと言われています。
ですが、実際に演奏したり打ち込んでみたりすると、もっと短く演奏する方がしっくりくることもあります。
また、さらに音を短く切って演奏することを指示する記号としてスタッカーティシモがあります。
目安として音価の25%の長さと言われていますが、スタッカート同様もっと短く演奏する場合もあります。
テヌート
テヌートは、音を十分に保って(伸ばして)演奏することを指示する記号です。
グリッサンド
グリッサンドは、結ばれた2音の間を滑らせるように演奏することを指示する記号です。
ピアノであれば、始点から終点までの間の鍵盤に手を滑らせるように演奏します。
トロンボーンなど一部の楽器では、音階の識別ができないほどのシームレスなグリッサンドが出来ます。
アルペジオ
アルペジオは、発音少しをズラして分散和音として演奏することを指示する記号です。
基本的には低い音から高い音へズラして演奏しますが、下向きの矢印がついている場合は、高い音から低い音へズラして演奏します。
トレモロ
トレモロは、その音を細かく繰り返して演奏することを指示する記号です。
また、2音以上に分かれている場合は、交互に反復しながら演奏します。
フェルマータ
フェルマータは、楽曲の拍に関係なく、その音や休符を十分に保って(伸ばして)演奏することを指示する記号です。
目安として、音価の2〜3倍伸ばすと言われたりする場合もありますが、決まりは無く演奏者の表現したい長さ次第です。
ブレス
ブレスは、管楽器や歌の場合、息継ぎの箇所を示し、それ以外ではフレーズの切れ目を表す記号です。
ブレス記号は記載されないことも多いので、その場合は演奏者の判断で適宜息継ぎなど行われます。
特定の楽器で用いられる奏法楽語・記号
特定の楽器群や演奏形態で使われ、主に演奏方法や人数の違いによる音色の指定などに用いられます。
種類が多岐に渡るため、ここでは大きく2つに分けて解説します。
- 管弦楽器で使われる楽語・記号
- 鍵盤楽器で使われる楽語・記号
もちろん、これに分類されないギターなどにも特有の奏法やがあります。
こちらは各楽器別のカリキュラムで詳しく解説しています。
管弦楽器で使われる楽語・記号
主に、オーケストラ楽器などに用いられる管弦楽器で使われる楽語・記号です。
- スル・タスト
- スル・ポンティチェロ
- アルコ
- ピチカート
- ハーモニクス(フラジオ)
- コン・ソルディーノ
- ソロ
- トゥッティ
スル・タスト
主に弦楽器で用いられ、弓やピックなどの演奏位置を指板寄りで演奏することを指示する楽語です。
演奏位置を指板寄りに変えることで、音色が柔らかくなります。
スル・ポンティチェロ
主に弦楽器で用いられ、弓やピックなどの演奏位置を駒やブリッジ寄りで演奏することを指示する楽語です。
こちらはスル・タストは逆に、固く乾いたような音色になります。
アルコ
主に弦楽器で用いられ、弓を使って演奏することを指示する楽語です。
ストリングスでは、特に指定がなければ基本的に弓で演奏されるので、後述のピチカートから弓弾きに戻す際に使われます。
ピチカート
主に弦楽器で用いられ、指で弾いて演奏することを指示する楽語です。
ハーモニクス(フラジオ)
弦楽器やサックスなどの管楽器に用いられ、倍音を強調して演奏することを指示する記号です。
サックスでは主に、通常運指外の高音を出す際に使われます。
コン・ソルディーノ
管・弦どちらにも用いられ、弱音器(ミュート)を使って演奏することを指示する楽語です。
弱音器を使う場合、音を弱くすることよりも、弱音器を装着したことによる音色の変化を狙って使われることが多いです。
また、弱音器を外す場合は「senza sordino(センツァ・ソルディーノ)」と表記することで指示します。
ソロ
1パートに複数人がいる場合、独奏することを指示する楽語です。
トゥッティ
1パートに複数人がいる場合、全員が演奏することを指示する楽語です。
また「a2(ア・ドゥエ)」と表記されている場合は2人で、「a3(ア・トレ)」の場合は3人で演奏するなど、具体的な人数指定の場合もあります。
鍵盤楽器で使われる楽語・記号
主に、ピアノなどの鍵盤楽器で使われる楽語・記号です。
- ペダル(ペダーレ)
- ウナ・コルダ
ペダル(ペダーレ)
ピアノでは主にサスティンペダルを使い、音を伸ばして演奏することを指示する記号です。
逆にサスティンペダルを離す場合は、センツァと呼ばれる記号で指示します。
ウナ・コルダ
ピアノでは弱音ペダルを使い、音を柔らかく演奏することを指示する楽語です。
逆に弱音ペダルを離す場合は「tre corde(トレ・コルダ)」と表記することで指示します。
まとめ
ということで、奏法に関する楽語・記号について解説しました。
同じ奏法記号でも、楽器によって細かな表現方法が違う場合があります。
ぜひ奏法は、実際にその楽器がどのように演奏されるのかもあわせてしっかり覚えていきましょうね!
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