ギターの基礎知識⑤:ギターの記譜法を理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、ギターの記譜に関する基本的なルールを解説していきます。
- 記譜にまつわる前提知識
- 4種のギター譜
- 各種奏法の表記
通常の五線はもちろん、TAB譜やコード譜などギターならではの特殊な記譜についても触れていきます。
いずれも、今後解説するギターの奏法やアレンジを学習する上で必要な知識。
ご自身で楽譜を読み書きされる際にも役立ちますので、この機会にしっかりマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ギターの基礎知識⑤:ギターの記譜法を理解しよう!
記譜にまつわる前提知識
まずは、ギターの譜面を読むにあたって必要な前提知識を解説します。
弦とフレット
ギターの弦は、細いもの(音程の高いもの)から順に、1弦、2弦・・・6弦と数えます。
また、押弦して音程を変えるための金属製の細いバーのことを「フレット」と呼び、左から順に1フレット、2フレット・・・と数えます。
(以後、フレットのことを「F」と表記します。)
例えば、「6弦3F(フレット)を押さえる」という場合は下図の赤丸の場所を押さえることになります。
指番号について
ほかの弦楽器同様、ギターにも指番号が存在します。
右手と左手それぞれに数字やアルファベットが割り振られており、以下のルールに従います。
- 左手:「どの指で押さえるか?」を数字で表記
- 右手:「どの指で弾くか?」をアルファベットで表記
それぞれの指の番号は以下の通りです。
ピッキングの向き
楽譜には、ピッキングの向きが表記されることがあります。
ピッキングの向きを記譜する際には以下のような記号を用います。
コードダイアグラム
コードに対してどの弦のどのフレットを押さえるかを表にしたものが「コードダイアグラム」です。
開放弦を鳴らす弦には「○」、ミュートして音を出さない弦には「×」が付けてあります。
図のように横表記、縦表記があり、日本では横が、海外では縦が一般的です。
本カリキュラムでは基本的に横表記で解説していきます。
4種のギター譜
ここからは、ギターの記譜法を解説していきます。
ギターで用いる記譜法は主に以下の4種類です。
- 五線譜
- TAB譜(タブ譜)
- コード譜
- リズム譜
クラシックの楽曲は五線譜で、ポピュラーの楽曲ではそれ以外で記譜することも多いです。
ギターの場合は同じ音が複数の弦上に存在しますので、どの弦のどの場所を押さえるか?ということを正確に表記するためにはTAB譜が適しています。
また、弾き語り向けの簡易的な表記にはコード譜、単音弾きが出てこないストローク(左手でコードを押さえ右手でリズムを弾く演奏法)中心の曲だとリズム譜での表記が多く見られます。
それぞれ詳しく解説していきます。
五線譜
一般的な五線譜と同じものです。
ギターを五線譜で表記する場合は、ト音記号をあしらった1段の五線に記譜します。
TAB譜の書かれていないクラシックギターなどの楽譜では、左手右手とも指番号が振られている場合もあります。
その際、開放弦を弾く場合は「0」で表記されます。
TAB譜
ギターでの演奏をより正確に表記するために開発された記譜法です。
五線譜とは違い、6本の線に数字が記入されており、各線そのまま「ギターの弦」を表し、数字が「フレット」を表しています。
数字が0の場合は開放弦を弾き、数字が何もない場合はその弦は弾きません。
五線譜と二段で書かれている場合もあり、その場合はTAB側にはリズムの旗は書かれていないこともあります。
音符に弱い人でもどこを押さえれば良いかが分かりやすく、とくにポップス系の楽譜では一般的な記譜法となっています。
コード譜
歌モノ楽曲の歌詞の上にコードネームだけが書かれているスタイルです。
譜面と呼ぶにはあまりにも簡易的な形ではありますが、歌詞とコードを視認しやすいため弾き語りをする人にはよく用いられています。
1曲が1ページに収まるので曲をよく知っている人にとっては演奏しやすいというメリットもありますね。
一方で、小節やリズムが書かれていないため、コードチェンジのタイミングが分かりにくい、どういうリズムで弾けば良いか分かりにくいなどのデメリットもあります。
リズム譜
コードストロークのみを演奏する場合はリズムさえ分かれば演奏可能であるため、コードネームとリズムのみが書かれた譜面がよく用いられます。
曲中、単音弾きやアルペジオが出てくる場合は通常の音符(もしくはTAB譜)を用い、ストローク部分はリズム譜で書くなど、1曲の中で表記が混在するものもあります。
その場合、見分けがつきやすいようリズム譜の玉の部分は斜めの線で書くのが通例です。
各種奏法の表記
ここからは、ギター特有の奏法における記譜法について解説していきます。
ギターにはさまざまな奏法があり、これらがギターらしさを醸し出すヒケツでもあります。
それぞれの奏法に関する詳細は、以下の記事で解説しておりますので合わせてご活用ください。

■ 主なアーティキュレーションの記譜
ギターで用いる主要なアーティキュレーションの記譜は以下のように行います。
1. ハンマリング・オン
音符やスラーの上に「H」と表記します。
譜例前半が音価に従ったハンマリング、後半が装飾音として瞬間的にハンマリングした時の記譜となります。
2. プリング ・オフ
音符やスラーの上に「P」と表記します。
譜例前半が音価に従ったもの、後半が装飾音での記譜となります。
3. トリル
開始音を装飾音で、トリルする音を実音で記譜した上で、音符上部に「tr」と書かれた波線を書きます。
4. スライド
スラーの上に「S」と表記します。
譜例前半が高い音へスライドする「スライド・アップ」、後半が低い音へスライドする「スライド・ダウン」となります。
5. グリッサンド
音符にヒゲのような曲線を書きます。
譜例前半が上昇音、後半が下降音となります。
6. ビブラート
ビブラートをかけたい音符に「Vib」と書かれた波線を書きます。
■ チョーキングとその他の奏法の記譜
各種チョーキング、およびその他の奏法の記譜法は以下のとおりです。
7. チョーキング
音符またはスラーの上に「C」と表記します。
押さえているフレットの場所は変わりませんので音程アップした時のタブ譜の数字は変わりません。
8. 半音チョーキング
音符またはスラーの上に「H.C」と表記します。
9. 1音半チョーキング
音符またはスラーの上に「1H.C」と表記します。
10. クォーターチョーキング
音符またはスラーの上に「Q.C」と表記します。
11. チョーク・アップ/ダウン
音符またはスラーの上に、「U(チョーク・アップの場合)」「D(チョーク・ダウンの場合)」と表記します。
譜例前半はチョーキングからチョーク・ダウン、後半はチョーク・アップからチョーク・ダウンした場合の記譜となります。
12. ダブルチョーキング
音符またはスラーの上に「W.C」と表記します。
13. ハーモナイズド・チョーキング
音符またはスラーの上に「H.C」と表記します。
14. ハーモニクス
ハーモニクス音の符頭を菱形で書きます。
音符上部に「Harm.」の文字を伴う囲い枠をつけることもできます。
15. ピッキング・ハーモニクス
ピッキング・ハーモニクスで演奏する音符の上に「P.H」と表記します。
16. ブリッジ・ミュート
ブリッジ・ミュートをかける音符の上に「M」と表記します。
17. ライトハンド(タッピング)
タッピングする音に「V」や「↓」を書きます。(本カリキュラムでは以後「V」で記載いたします。)
18. ブラッシング
ブラッシングする音の符頭を「x」で書きます。
19. アーミング
瞬間的なダウンは「U」、時間かけてダウンする場合は下降線で書きます。
20. ピックス・クラッチ
符頭を「丸」で囲った「x」印で書きます。
21. トレモロ
符幹(ぼう)に交差させた斜め線2本を書きます。
まとめ
というわけで、ギターの記譜について詳しい情報を解説しました。
楽譜の書き方、読み方がわかるようになると、ギタリストに演奏をお願いする場合や市販のスコアを分析する時などに大いに役立ちます。
今日ご紹介したさまざまな記譜法を有意義にご活用いただければ幸いです。
ここまで読んだあなたへ

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