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ベースアレンジの基本①:楽曲におけるベースの役割と適切な音域設定を理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日からは、ベースアレンジについて解説していきます。

初回は、楽曲におけるベースの役割と適切な音域設定について。

  • 楽曲におけるベースの役割
  • ベースの役割を意識した音域設定
    • 「和音」の観点で見るベース音域の重要性
    • 「リズム」の観点で見るベース音域の重要性

ベースは、ほかの楽器にはない重要な役割を持っています。

その役割とはどんなものなのか?

また、その役割を果たすためにどんなことに気をつけるべきなのか?

ベースパートをアレンジする上で欠かすことのできない重要な知識となりますので、しっかり理解していきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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ベースアレンジの基本①:楽曲におけるベースの役割と適切な音域設定を理解しよう!

ベースアレンジの基本①:楽曲におけるベースの役割と適切な音域設定を理解しよう!

楽曲におけるベースの役割

以前もお話した通り、ベースの根本的な役割は低音の演奏です。

ベースギターやアップライトベースでは、それぞれの同属楽器であるギターやチェロでは演奏することのできない非常に低い音域を演奏することができます。

この音域があるからこそ、楽曲の土台が支えられ安定感のあるアレンジに仕上げることができるわけですね。

ではなぜ低音があると安定するのでしょうか?

そこには、アレンジにおいて低音(ベース音)が司る2つの重要な要素が関係しています。

  • 各コードの「ルート」の演奏
  • 楽曲における基本グルーヴの決定

低音域でのルートの演奏は和音の安定感を増大させ、楽曲全体のコード感や進行力を大幅に強化してくれます。

また、低音はリズムに対して大きな影響力を持っているため、ベースのリズム感が楽曲のグルーヴを牽引する効力もあります。

このように、低音によって「和音」と「リズム」双方の土台を支えることがベースの役割であり、ベースのアレンジもこの役割を意識した上で施す必要があるわけですね。

ベースの役割を意識した音域設定

前述の通り、ベースの役割は「和音」「リズム」双方を低音から支えることです。

では、どれくらい低音で演奏すればしっかりと土台を支えることができるのでしょうか?

これには厳密な定義があります。

以下の図をご覧ください。

図の示す通り、ベースとして重要な音域は「A-1」〜「E1」までとなります。

といっても、ベースギターやアップライトベースのレギュラーチューニングでは「E0」が最低音になりますので、事実上「E0」〜「E1」までの1オクターヴがベースらしい音域となるでしょう。

「Eb0」以下の音域を使う場合は、ダウンチューニングやドロップチューニング、あるいは5弦ベースを用いることで実現できます。

【補足】当然ながらベースでも「F1」以上の音域は使用しますが、その場合ベースとして十分な役割を果たすことができなくなります。したがって、基本は「E0」〜「E1」までを中心にフレーズを組み立てることが重要です。

ベースとしての役割を満たせる音域「A-1」〜「E1」

4弦ベースを想定した現実的な音域「E0」〜「E1」

ではなぜこの音域が重要なのでしょうか?

「和音」と「リズム」それぞれの観点からご説明していこうと思います。

「和音」の観点で見るベース音域の重要性

「和音」の観点で見た場合、ベースはコード楽器のオクターヴ下を演奏できる音域となります。

例えば、コードでの演奏が多いギターに対し、ベースはそのオクターヴ下の音域を持っていますよね。

これにより、ギターのサウンドが下支えされてより安定感のあるサウンドが得られるわけです。

ギターとベースギターの関係を見てみるとよりわかりやすいでしょう。

ちなみに、チェロの最低音は「C1」となりますが、これに対し5弦コントラバス(アップライトベース)の最低音は「C0」。チェロのちょうどオクターヴ下となり、5弦コントラバスが開発された所以となっています。

コードのみ

コード+ベースで安定感が増す

「リズム」の観点で見るベース音域の重要性

今度は「リズム」におけるベース音域の重要性についてみていきましょう。

「リズム」という観点で見たときに、ベースの音域はドラムのキックと同じような帯域になります。

つまり、ベースの1音1音はキックと同じような役割をもつことになり、リズムの土台を形成していくのです。

その効果が最もわかりやすいのが、ハウスなど4つ打ち系ダンスミュージックです。

4つ打ちジャンルでは、キックは4分音符で淡々とリズムを刻むだけとなりますが、その代わりベースが細かいグルーヴを作り出すことになります。

以下のサンプルを聞いてみてください。

キックだけの場合

キック+ベース

ドラム全体+ベース

キックとベースが組み合わされて、より複雑なグルーヴが形成されているのがおわかりいただけると思います。

このことは、ダンスミュージックのみならずバンド演奏においても同じです。

キックと同じ音域(帯域)でリズムを刻むベースがいてこそ初めてリズムの土台が形成されるというわけですね。

まとめ

というわけで、アレンジにおけるベースの役割と適切な音域設定について解説しました。

今日ご紹介した知識は、あらゆるジャンルのベースアレンジに共通する非常に重要な概念となります。

ベースとしての役割を十分に発揮したアレンジを施す上で欠かせないものですので、完全に理解できるまで何度も読み返してみてください!

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