同じドミナントでも要注意?セカンダリードミナントのコードスケールを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、「セカンダリードミナントのコードスケール」について解説していきます。
- セカンダリードミナントのコードスケール選定方法
- 各種セカンダリードミナントのコードスケール
- リレイテッドツーのコードスケール
セカンダリードミナントにおいても、これまでに学んだコードスケールの選定方法がそのまま使えるほか、ドミナントコードとしての特性を活かしたオルタードテンションの組み込みも可能です。
しかしながら、プライマリードミナントと違って使用できるナチュラルテンションに制限があるため、使えるコードスケールにも少なからず違いが発生します。
基本を押さえることで、丸暗記せずとも正しいコードスケールを導き出せるようになりますので、しっかりとマスターしていきましょう!
セカンダリードミナントのコードスケール基本
セカンダリードミナントにおいても、コードスケールの選定方法は以下の2つの条件に従います。
- 【条件①】コードトーンのルートを起点とするスケールであること
- 【条件②】全てのコードトーンとアヴェイラブルテンションを含むスケールであること
セカンダリードミナントのコードスケール選定方法
ここでは、Cメジャーキーの「V7/II」を例に考えていきたいと思います。
まず、「V7/II」のコードトーンである「A,C#,E,G」は、全てコードスケールとして使用することは大前提ですね。
その上でアヴェイラブルテンションを追加していくわけですが、アヴェイラブルテンションはあくまでキーに対してダイアトニックな音から選ぶ必要があります。
ですから、「V7/II」の場合は、Cメジャースケールに存在する「B(9th)」「F(b13th)」の2つがアヴェイラブルテンションとなります。
したがって、ミクソリディアンから13thをフラットさせた「ミクソリディアンb13」がコードスケールということになるわけですね。
(プライマリードミナントであるV7のコードスケールでは使えていた「ミクソリディアンスケール」は「ナチュラル13th」が前提なので使用することができません。)
このように、各種セカンダリードミナントでは、その立ち位置によってアヴェイラブルテンションが変わってきますので、キーに対してダイアトニックなテンションをしっかりと見定めた上で、スケールを選定してあげましょう!
ドミナントの特殊条件追加
セカンダリードミナントも立派なドミナントコードですから、ドミナントコードにおける2つの特殊条件も健在です。
- 【条件③】ドミナントコードには、自由にオルタードテンションを加えることができる
- 【条件④】ただし、度数の同じナチュラルテンションとオルタードテンションは混在させてはならない
この条件をさきほどご紹介した「V7/II」に適用するならば、「ナチュラル9th」を「b9th」に置き換えることで「ミクソリディアンb9th,b13th」のコードスケールも使うことができます。
また、オルタードスケールやホールトーンスケールも問題なく使用することができるでしょう。
一方で、オルタードテンションをナチュラルテンションに戻すことはできませんので、ナチュラル13thを含むコードスケールは使用できない点は注意しましょう!
各種セカンダリードミナントとリレイテッドツーのコードスケール
ここからは、各種セカンダリードミナントのコードスケールと、それに付帯するリレイテッドツーのコードスケールについて具体例を解説していきます。
各種セカンダリードミナントのコードスケール
各種セカンダリードミナント上で使用できるコードスケールは以下の通りです。
いずれも、コードトーンを全て含むスケールであると同時に、キーに対してダイアトニックなアヴェイラブルテンションを含むものが正規のコードスケールとなります。
例によってすべてCメジャーキーを例にご説明していきます!
※11thはすべてのドミナントコードに共通するアヴォイドノートのため、その説明は割愛します。
V7/II
コードトーン「A,C#,E,G」とアヴェイラブルテンション「B,F」を含むことから、「Aミクソリディアンb13」がコードスケールとなります。
9thや11thをオルタードテンションに置き換えることで、「ミクソリディアンb9,b13」「ミクソリディアンb9,#9,b13」「オルタードスケール」「ホールトーンスケール」の使用も可能です。
V7/III
コードトーン「B,D#,F#,A」とアヴェイラブルテンション「C,G」を含むことから、「Bミクソリディアンb9,b13」がコードスケールとなります。
ナチュラルテンションを含まないため、使用できるコードスケールは「b9th」「b13th」の双方を含むものに限られます。
V7/IV
コードトーン「C,E,G,Bb」とアヴェイラブルテンション「D,A」を含むことから、「Cミクソリディアンスケール」がコードスケールとなります。
「9th」「13th」2つのナチュラルテンションを含むため、それらをオルタードテンションに置き換えたコードスケールは全て使用可能になります。
V7/V
コードトーン「D,F#,A,C」とアヴェイラブルテンション「E,B」を含むことから、「Dミクソリディアンスケール」がコードスケールとなります。
こちらも「9th」「13th」2つのナチュラルテンションを含むため、それらをオルタードテンションに置き換えたコードスケールは全て使用可能になります。
V7/VI
コードトーン「E,G#,B,D」と、アヴェイラブルテンション「F,C」を含むことから、「Eミクソリディアンb9,b13」がコードスケールとなります。
ナチュラルテンションを含まないため、使用できるコードスケールは「b9th」「b13th」の双方を含むものに限られます。
リレイテッドツーのコードスケール
リレイテッドツーは、メジャーキー由来の「リレイテッドⅡm7」を使用するか、マイナーキー由来の「リレイテッドⅡm7(b5)」を使用するかで使えるコードスケールが変わってきます。
基本的に、関連するセカンダリードミナントが解決した先のコードをトニックとするキーの「Ⅱm7」または「Ⅱm7(b5)」と解釈するため、コードスケールも、メジャーキーの「Ⅱm7」、マイナーキーの「Ⅱm7(b5)」と同じとみなします。
それぞれ以下の通りです。
リレイテッドIIm7
メジャーキーのIIm7で使用できる「ドリアンスケール」がコードスケールとなります。
【応用テクニック】リレイテッドIIm7がダイアトニックコードと共通する場合は、ダイアトニックコードのコードスケールを使うこともできます。例えば、V7/IIのリレイテッドIIm7は、ダイアトニックコードのIIIm7と同じ和音です。この場合、リレイテッドIIm7のコードスケールである「ドリアンスケール」と、IIIm7のコードスケール「フリジアンスケール」のいずれかを選んで使うことができるというわけですね。
リレイテッドIIm7(b5)
マイナーキーのIIm7(b5)で使用できる「ロクリアンスケール」がコードスケールとなります。
まとめ
というわけで、セカンダリードミナントスのコードスケールについて解説しました。
アヴェイラブルテンションの導き方さえ間違えなければ、それに伴ってコードスケールも正しく選定できるかと思います。
最初は少しややこしく感じるかもしれませんが、慣れれば全く難しくありませんので、繰り返し訓練していきましょう!
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