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EDMのMix実践編③:リズム&ベースのイコライジング&ダイナミクス!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、フューチャーベースを題材に、リズム&ベースパートの音質調整実践テクニックをお伝えしていきます。

  • キックの音質調整
  • スネアの音質調整
  • ハイハットの音質調整
  • その他ドラムの音質調整
  • ベースの音質調整

先日お届けした「イコライザー&コンプレッサーの基本テクニック」をベースに、具体的な音質調整の流れをご説明していきます。

基本を抑えつつ、各パートに応じた適切な処理を行なっていくにはどうするべきか?

その実践例を丁寧にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい!

※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!

データのダウンロードはこちら

こちらの楽曲のパラデータをダウンロードできます。

 

EDMのMix実践編③:リズム&ベースのイコライジング&ダイナミクス!

フューチャーベースのMix実践編③:リズム&ベースのイコライジング&ダイナミクス!

キックの音質調整

キックで行った処理は以下の通りです。

  1. EQで中低域の処理&アタックの強調
  2. コンプで低域のダブつきを抑える
  3. ベースエンハンサーで重低音をプラス

■ 1. EQで中低域の処理&アタックの調整

キックのEQは以下のような形になっています。

  • 650Hz付近にあるポコポコしたサウンドをカット
  • 50Hz以下の重低音を緩やかにローカット
  • 4000Hzを付近をブーストしてアタックを強調
650Hz付近にあるポコポコしたサウンドをカット

キックに含まれる400Hz〜700Hz付近の成分はベースやコードパートとバッティングしてしまう可能性の高い帯域です。

思い切ってカットすることで、他のパートとの共存を実現しています。

50Hz以下の重低音を緩やかにローカット

50Hz以下はどっしりしたキックを作るために必要な帯域なのですが、今回はベースエンハンサーを使って低音を補強するために敢えてカットしています。

4000Hzを付近をブーストしてアタックを強調

4000Hz付近はキックのアタック感を強調する上で重要な帯域です。ブーストすることで、より輪郭がハッキリします。

元のサウンド

EQ処理後

■ 2. コンプで低音のダブつきを抑える

アタックタイムを遅めに設定し、キックのボディ成分のみをコンプレッションすることで低音のダブつきを抑えています。

相対的に、アタック感が強調されて聴こえるようになりますね。

締まりの良いキックを作るために欠かせないテクニックです。

コンプ処理後

■ 3. ベースエンハンサーで重低音をプラス

ベースエンハンサーを使うことで重低音を補強することができます。

キックにもともと含まれる重低音をそのまま使っても良いのですが、選ぶ素材によっては低音成分が必要以上に含まれていて扱いにくいことも。

そんなときは、元の低音をあえてローカットし、後からベースエンハンサーで補強するのも良い手となります。

ベースエンハンサー処理後

スネアの音質調整

今回の教材曲ではいくつかのスネアを併用していますが、どのスネアも同様の考え方で処理できますので、ここではメインのスネアを例に解説します。

スネアで行った処理は以下の通りです。

  1. EQでピークのカット&ボディ成分の補強
  2. コンプでパンチをプラス

■ 1. EQでピークのカット&ボディ成分の補強

スネアのEQは以下のような形になっています。

  • 437Hzにあるピークをカット
  • ボディ成分をブーストして重みをプラス
  • 不要な重低音をローカット
437Hzにあるピークをカット

今回選んだ音色では437Hzに不要なピークがありましたので、ピンポイントでカットしています。

ボディ成分をブーストして重みをプラス

より重みのある音にしたかったので、ボディ成分(=胴鳴り)をブーストして補強しています。

不要な重低音をローカット

スネアに含まれる不要な重低音をローカットで削っています。

コツは、ローカットを入れてもほぼ音が変わらないくらいのギリギリを狙うのがポイントです。

やり過ぎると途端に音が痩せてしまいますので注意しましょう。

場合によっては10kHz以上をブーストするのもアリ

スネアドラムのヌケを良くするために10kHz以上をブーストするテクニックはよく使われます。

今回もともと十分ヌケの良いサウンドだったのでそのような処理は行なっていませんが、必要に応じて取り入れてみてください。

元のサウンド

EQ処理後

■ 2. コンプでパンチをプラス

アナログコンプレッサーの定番、Universal Audioの1176をモデリングした、Wavesの「CLA-76」を使ってパンチを出しました

アタックタイムを遅めに設定してアタック成分を際立たせつつ、リリースを最速にしてボディを強調しています。

コンプ処理後

ハイハットの音質調整

ハイハットで行った処理は以下の通りです。

  1. EQで不要なローをカット&ハイを立てヌケ良く
  2. コンプでアタック感をプラス

■ 1. EQで不要なローをカット&ハイを立てヌケ良く

ハイハットのEQは以下のような形になっています。

  • 1500Hzから下をガッツリローカット
  • 9000Hz以上をブーストしてヌケ良く
1500Hzから下をガッツリローカット

ハイハットにおいても、不要な中低域成分はローカットで除去します。

こちらも、スネア同様極端に音が変わってしまわないよう注意しましょう。

9000Hz以上をブーストしてヌケ良く

ハイハットに含まれる高域の金属音をブーストすることで、アタック感が増しヌケの良いサウンドになります。

元のサウンド

EQ処理後

■ 2. コンプでアタック感をプラス

アタックタイムをやや遅めに設定したコンプで、音の輪郭を強調しています。

コンプ処理後

その他ドラムの音質調整

その他のドラムについても、ここまでにご紹介したキック〜ハイハット同様

  1. EQで不要な成分をカット&必要な成分をブースト
  2. コンプでアタック感やパンチをプラス

という基本的な処理を行なっています。

加えて、一部のスネアやクラップにはリバーブをインサートして印象的な余韻をプラスしています。

こちらについては、今後解説する「空間系エフェクト」の記事でまとめていきますので、そちらをご参照ください。

ベースの音質調整

ベースについても、基本テクニックと同じ考え方でEQ&ダイナミクスの処理をすればOKです。

今回はシンセの段階で十分に音を作り込んでいますので、そこまで大きな処理は行いませんでした。

その上で、特筆すべき点が2点ありますので解説しておきます。

  1. サブベースをレイヤーするためにメインベースのローをカット
  2. 合間で演奏されるエフェクティブなベースはハイを立ててより目立たせる

■ サブベースをレイヤーするためにメインベースのローをカット

楽曲のドロップ部分では、ビルドアップで使用した倍音の少ないベースをそのまま重低音補強用のサブベースとしてレイヤーしています。

サブベースをレイヤーする際には、それぞれの低音成分がバッティングしないようメインベースにローカットを入れてしまいましょう。

両者の棲み分けをきっちりするということですね!

元のサウンド

EQ処理後

サブベース追加

■ 合間で演奏されるエフェクティブなベースはハイを立ててより目立たせる

ベースの合間合間で演奏されるエフェクティブなサウンドを強調するためにEQでハイをブーストしています。

これにより、よりエフェクトのアグレッシブさがプラスされました。

元のサウンド

EQ処理後

 

まとめ

というわけで、ドラム&ベースパートの音質調整テクニックをガッツリ解説しました。

いずれも、「イコライザー&コンプレッサーの基本テクニック」がベースになっていることがお分かりいただけたと思います。

各パートが抱える問題を把握し、それらを適切に処理することでよりまとまりの良いミックスに仕上げることができます。

ぜひチャレンジしてみてください!

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