ギターのサウンドメイク基礎③:モジュレーション系エフェクターを理解しよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、ギターサウンドに独特の変調やうねりをもたらすモジュレーション系エフェクターについて解説していきます。
- モジュレーション系エフェクターとは?
- 各種モジュレーション系エフェクターの特徴
前回ご紹介した「歪み系」エフェクターをサウンドの下地作りだとするならば、「モジュレーション系」エフェクターは外側のお化粧的な役割と考えるとわかりやすいでしょう。
上手く扱うことができるようになれば、個性的で多彩なサウンドメイクが可能になります。
それぞれの特徴をよく理解して、バッチリ使いこなせるよう学習していきましょう!
なお、ギター用に限らずあらゆるエフェクターに関する知識を包括的に学びたい方は以下のカリキュラムも合わせてご活用いただければ幸いです。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ギターのサウンドメイク基礎③:モジュレーション系エフェクターを理解しよう!
モジュレーション系エフェクターとは?
原音に対して何かしらの変調を与えることを「モジュレーション」といいます。
ひとくちにモジュレーションといってもその効果はさまざまで、どのようなパラメータを変調させるかによってサウンドも大きく変わります。
ギターのサウンドメイクで用いられるモジュレーションエフェクターは以下の4種類です。
- コーラス
- フランジャー
- フェイザー
- トレモロ
このうち、ディレイタイム(音の遅延タイミング)を変調させて音にうねりを与えるエフェクトが「コーラス」「フランジャー」。
音の位相を変化させてより強烈なうねりを作り出すエフェクトが「フェイザー」。
音量を変化させて独特のゆらぎを作り出すエフェクトが「トレモロ」です。
「コーラス/フランジャー」および「フェイザー」については、以下の記事でその原理や使い方について詳しく解説しています。
こちらも合わせてご活用ください。
各種モジュレーション系エフェクターの特徴
ここからは、4種のモジュレーション系エフェクターの特徴について解説していきます。
歪み系同様、具体的な用法・セッティングについてはジャンル別ギターアレンジ記事などで解説していきます。
ここではそれぞれの特徴とサウンドの傾向を掴んでいきましょう。
コーラスの特徴
前述のとおり、ディレイタイム(音の遅延タイミング)を変調させて音にうねりを与えるエフェクトのひとつが「コーラス」です。
サウンドに独特のうねりと厚みをもたらします。
1975年に日本のRoland社が発売したアンプ「JC-120」は、現在に至るまで世界中で愛用されています。
このアンプには世界初の「コーラス」エフェクトが搭載され、その機種名にもなっています。(JC=「ジャズコーラス」)
「JC-120」は2つのスピーカーを搭載しており、それぞれのスピーカーから出る音のタイミングをわずかにずらす(=ディレイによって遅らせる)ことでコーラス効果を得ています。
また、同社から1976年に発売された世界初のペダルタイプコーラスが「BOSS CE-1(CHORUS ENSEMBLE)」です。。
「JC-120」のコーラス部分だけを取り出してペダルタイプのエフェクターとして開発されました。
「JC-120」や「BOSS CE-1」には、ディレイ効果を得るための機構として、日本の松下電器(現パナソニック)が開発した音を遅らせるBBD素子という半導体が使われています。
BBD素子を使ったアナログコーラスでは、素子を通過する際に音の劣化がありますが、この劣化こそが高域を弱め、独特の温かみのあるコーラスサウンドを作っています。
(現在は、このBBD素子のアナログ感をシミュレートしたデジタルコーラスも多くあります。)
逆に、BBD素子を用いないデジタルコーラスでは、上記の劣化がなく格段に音質が向上している点も特徴です。
「コーラス」をかけることで独特の美しい広がりが得られることから、とくにクリーンサウンドのアルペジオやカッティングなどで多用されています。
一方、歪みサウンドにかけることでポップな印象を出すことができますが、音の芯や生々しさは減るため、ロック系のギタリストではかけない人も多いです。
アナログコーラス サウンド
デジタルコーラス サウンド
歪み+コーラス サウンド
フランジャーの特徴
こちらも、ディレイタイムを変調させて音にうねりを与えるエフェクトのひとつ。
コーラスと同じくBBD素子を利用しているという原理は同じですが、より短いディレイタイムに設定されていることで、コーラスより強く激しい変調が得られます。
ジェット音のような強烈なウネリを得るために使われることが一般的ですが、薄くかけることでコーラスのような使い方もできます。
コーラスがクリーンサウンドを中心とした綺麗めな音作りに使われることが多いのに対して、フランジャーは歪みサウンドにかけることでアグレッシブな使われ方をします。
その個性的なサウンドは、ギター用のエフェクターにとどまらず、シンセサイザー、ボーカルやドラム、トラック全体にかけられることもしばしばあります。
フランジャー サウンド
歪み+フランジャー サウンド
フェイザーの特徴
原音に対して位相をずらした音を混ぜることで、音が回転するような効果を作り出すエフェクトが「フェイザー」です。
カッティングやクリーントーンで使われることが多い印象ですが、故エディ・ヴァン・ヘイレンのバンドVAN HALENのデビューアルバムではMarshallのアンプをギンギンに歪ませたサウンドにMXR社のフェイザーをかけて強烈なサウンドを作り出しています。
この時に使われたMXR社の「Phase90」は、フェイザーの代表的モデルとして世界中で使われました。
フェイザーサウンドは鍵盤楽器とも相性がよく、Fender RhodesピアノやSolinaストリングスシンセサイザーなどでも多用されました。
『Eruption』ヴァン・ヘイレン
フェイザー サウンド
歪み+フェイザー サウンド
トレモロの特徴
サウンドの音量を変化させて音が揺れるような効果を得るエフェクトが「トレモロ」です。
同じ音を連続して弾く「トレモロ奏法」とはニュアンスが違いますので注意が必要です。
1950年代からFenderのアンプに搭載されていた機能ですが、Fender社はこの機能を「ビブラート」と呼んでいたり表現が曖昧です。
エフェクトペダル化されて以降、現在は「トレモロ」という呼び方が定着しています。
ビブラーととトレモロの違いについては、シンセサイザーのモジュレーションの仕組みを学ぶことでより理解が深まるでしょう。
カントリーやブルースなどでその音をよく聞くことができますが、これらのジャンルに影響を受けたエリック・クラプトンをはじめとしたロック系のギタリストにも愛用されています。
またFender Rhodesピアノにはトレモロエフェクトが搭載されている機種もあり、トレモロのかかった美しいエレピサウンドも世界的に流行しました。
トレモロ サウンド
歪み+トレモロ サウンド
まとめ
というわけで、今回はモジュレーション系エフェクターについて解説しました。
適宜活用することで多彩なサウンドを作り出すことのできるこれらのエフェクター。
その特徴をよく理解して、効果的なサウンドメイクに役立てていただければ幸いです。
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