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エレキアレンジ基本スタイル①:エレキギターのバッキングを理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

今日は、エレクトリックギターのアレンジ基本スタイルの中から「バッキング」について解説をしていきます。

    • バッキングとは?
    • コードバッキング
    • アルペジオ
    • 単音バッキング

エレクトリックギターの演奏スタイルの中でもとくに出番が多いのがバッキング。

バッキングにはさまざまなパターンがありますが、いずれも楽曲の土台やニュアンスを決める重要なパートと位置づけることができます。

それぞれの特徴を理解しておくことでエレクトリックギターのアレンジに取り組みやすくなりますので、しっかり学んでマスターしていきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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エレキアレンジ基本スタイル①:エレキギターのバッキングを理解しよう!

バッキングとは?

エレクトリックギターの奏法を大きくわけると「バッキング」「ソロ」の2つに分けられます。

歌やリードパートの伴奏としてコード中心に演奏するのが「バッキング」。

逆に、リードパートとしてメロディ中心に演奏するのが「ソロ」です。

バッキングの種類

「バッキング」と一口にいっても、「リフ」や「カッティング」などさまざまな奏法があります。

ここでは「コードバッキング」「アルペジオ」「単音バッキング」の3つに分類して解説していきます。

  • コードバッキング:和音を押さえながらのバッキング
  • アルペジオ:分散和音によるバッキング
  • 単音バッキング:リフ、その他単音でのバッキング

名前が示すとおり、「コードバッキング」は和音を使ってのバッキング、「単音バッキング」は単音でのバッキングとなります。

「アルペジオ」は左手で押さえた和音を分散して弾く奏法で、原則として各音を単音で弾きますが、部分的に和音を混ぜることもあります。

コードバッキング

ここからは、コードバッキングのパターンについて解説します。

今回は、以下の6つに分類して解説していきます。

  • ローコード
  • ハイコード
  • ダウンストローク
  • パワーコード
  • ブリッジミュート
  • カッティング

それぞれコードの押さえ方やピッキングの違いによる特徴がありますので、しっかり把握しておきましょう。

コードバッキング(ローコード)

開放弦を混ぜたり、1〜3F付近のローポジションで押さえるコードフォームを「ローコード」と呼びます。

ローコードでのバッキングは、アコギのストロークと同じ弾き方と考えれば問題ありません。

まずはサンプルを聞いてみましょう。

ローコードによるバッキング(8ビート)

このデモでは、アコギのストローク同様ダウン/アップのオルタネイトで弾いています。

また、4小節目のコードチェンジ前にミュートが入っています。

後述するハイコードの場合では、このようなミュートをブラッシングを用いて演奏しますが、ローコードの場合は開放弦が混じる関係でブラッシングがしにくくなります。

その場合は右掌を使ってブリッジミュートの要領で音を切ります。

コードバッキング(ハイコード)

「ローコード」に対し、開放弦を使わずセーハで押さえるフォームを「ハイコード」と呼びます。

こちらも「ローコード」と同じコード進行をオルタネイトで弾いたデモを用意しました。

ハイコードによるバッキング(8ビート)

エレキギターはアコースティックギターに比べて弦のテンションが弱いためセーハが押さえやすくなります。

このことから、ハイコードでバッキングすることも多いです。

Dコードのフォームは人差し指で5本の弦をセーハしながら、薬指で2〜4弦の3本もセーハしています。

人差し指は6弦に、薬指は1弦に軽く触れてミュートしていますので、6本ピッキングをしても1弦と6弦は発音されません。

この様に、不要な音をミュートしながら弾く奏法はエレキらしいスタイルです。

コードバッキング(ダウンストローク)

ここまではオルタネイトストロークによるバッキングをご紹介してきました。

一方、ロックやパンクなどで荒々しい雰囲気を出すために、敢えてダウンのみでストロークすることがあります。

前項ハイコードのバッキングをダウンストロークのみで弾いたパターンをお聞きください。

シンコペーションを使わず8分音符全てを弾く形となっているので、オルタネイトの場合と厳密には違うリズムとなっていますが、ノリがだいぶ変わるのがお分かりいただけると思います。

ハイコードバッキング(8ビート、ダウンストローク)

 

とくにロック系では、綺麗に聞こえるオルタネイトより、激しく聞こえるダウンの方がよく使われますので覚えておきましょう。

コードバッキング(パワーコード)

コードトーンのうち第3音を省略し、ルートと5度のみで鳴らすコードを「パワーコード」と呼び、ロックやハードロック、メタルなどで多用されます。

低音弦主体に、ルートと5度の2音、もしくはさらにルートのオクターブ上を重ねて3音で弾くことも多いです。

パワーコードの演奏に使う2〜3本の弦以外は音が鳴らないよう左手でミュートしています。

まずはデモを聴いてみましょう。

コードバッキング(パワーコード)

このパターンではオルタネイトで弾いていますが、ダウンオンリーで弾かれることも多いですね。

ちなみに、ロックなどのジャンルでなぜパワーコードがよく使われるようになったのかも合わせて解説しておきます。

ギターの歪みサウンドは倍音を多く含んでいるため、3度の音を混ぜると音がぶつかって濁りやすくなります。

最近はきめ細かい歪みサウンドを出せる機器も増えましたが、60〜70年代の機材では歪み系の音色で3度を入れると濁りやすく、敬遠されました。

そのため、ロックなど歪みサウンドが必要なジャンルではパワーコードがよく使われるようになったというわけです。

パワーコードには3度の音を含まないため、メジャー/マイナーの区別がありません。

そのため、初心者でも押さえやすく、パンクなど演奏力が要求されないジャンルでも重宝されました。

コードバッキング(ブリッジミュート)

こちらもロック〜ハードロックでよく使われる「ブリッジミュート」をご紹介します。

右掌を使ってブリッジミュートをしながら、アクセントを付けたい所だけミュートを外します。

デモをお聞きください。

コードバッキング(ブリッジミュート)

このパターンではダウンストロークのみを使いました。

右手をブリッジに乗せて固定することから、とくに8ビートではダウンオンリーで弾かれることがほとんどです。

16分音符を混ぜるパターンではダウンだけでは間に合わないこともあるため、オルタネイトも使われます。

ブリッジミュートはさまざまなジャンルでよく使われますので覚えておきましょう。

コードバッキング(カッティング)

主に16ビート系のリズムにおいて、オルタネイトストロークの合間にブラッシングを挟むスタイルを「カッティング」と呼びます。

左手はハイコードを押さえた状態でストロークしながら、「カット(ブラッシング)」したい箇所で左手を軽く浮かせることでミュート音を出します。

どこをブラッシングして、どこで音を出すか?その組み合わせでリズムを作っていくわけですね。

このとき、6本全ての弦を発音するのではなく適度に間引くこともよくあります。(間引き方に決まりはありません。)

その場合、パワーコード同様不要な弦は左手でミュートします。

それではデモを聴いてみましょう。

コードバッキング(カッティング)

カッティングの場合は3度やテンションの音もよく使いますので、あまり歪ませずにクリーントーンで弾かれることが多いです。

ファンク、ディスコミュージックのようなブラックミュージック寄りのジャンルからポップスまで幅広く使われます。

アルペジオ

ここからはアルペジオについて解説していきます。

左手はコードを押さえた状態で、右手のピッキングで和音を分散させて弾くことを「アルペジオ」と言います。

以下の2種類についてまとめました。

  • ローコード
  • ハイコード

ジャンルや編成によって弾き方が異なります。違いを把握しておきましょう。

アルペジオ(ローコード)

アルペジオの基本は、コードの頭にルートを弾き、以後はルートより高い音域で和音を分散させて弾くのがポイントです。

ここでは開放弦も用いたローコードでデモを弾いてみました。

まずは聞いてみましょう。

アルペジオ(ローコード)

カッティング同様、5度以外の響きを多用するため、あまり歪ませずにクリーンで弾くことが多くなります。

アルペジオ(ハイコード)

ローコードの場合はきちんとルートを入れて演奏しましたが、ハイコードの場合はルートを省いて演奏することも多くなります。

まずはデモをお聞きください。

アルペジオ(ハイコード)

バンド編成などでベースパートがすでにルートを鳴らしてくれている場合は、必ずしもルートを演奏しなくても構いません

また、バンド内にもう1本ギターがいる場合や、キーボードなど他のコード楽器がいる場合などは、それらのパートとの兼ね合いで高い音域を使いたいこともあると思います。

その場合も、ルートを省略して演奏することがよくあります。

単音バッキング

最後に、単音バッキングについて解説します。

エレクトリックギターのバッキングにおいては単音でのプレイもよく使われます。

主なパターンを挙げておきますので覚えておきましょう。

  • 単音バッキング(リフ)
  • 単音カッティング(ミュート)

単音バッキング(リフ)

エレキギターの奏法で、とくに単音〜パワーコードで同じリズムパターンを繰り返すことを「リフレイン(通称リフ)」といいます。

(そういう意味では、先程ご紹介したブリッジミュートのパターンも「リフ」といえますね。)

ここでは、ロック系でよく使われる低音部のシングルノートを使ったリフを紹介します。

まずはデモを聞いてみましょう。

単音バッキング(リフ)

1970年前後のブリティッシュ〜アメリカンハードロックではこの様な単音リフはよく使われました。

これらのジャンルにおいてはボーカルと張り合うくらいギターの役割が大きく、ときにボーカルメロディよりも、リフのメロディの方が印象的な楽曲もあるくらいです。

こういう楽曲ではベースもオクターブ下で同じリフを奏で、ギターとベースでユニゾンするというスタイルが多いです。

単音カッティング(ミュート)

こちらは同じ単音プレイでも、カッティング系のライトなプレイスタイルになります。

カッティングしながら、右掌でミュートをかけながら弾いています。

まずはデモを聞いてみましょう。

単音カッティング(ミュート)

単音カッティングにおいてミュートをかけるか否かはケースバイケースとなりますが、ディスコ調やAORなどの楽曲ではミュートを効果的に使ってアタッキーに弾くことも多いです。

ミュートを用いることでサスティンが無くなりアタックが強調されるため、リズミカルな曲に向いているといえます。

まとめ

というわけで、今回はエレクトリックギターのバッキングの基本パターンをご紹介しました。

今日ご紹介したもの以外にもさまざまな弾き方、パターンがありますが、概ねこれらからの派生系といえるでしょう。

それぞれの特徴をよく理解しておくことで、さまざまなジャンルのギターアレンジに役立ちます。

是非ご自身のアレンジに取り入れていただければ幸いです。

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