ジャンル別ピアノアレンジ③:ブルースのピアノアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ブルースにおけるピアノアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- ブルースにおけるピアノの特徴
- ブルースにおけるピアノのサウンドメイク
- ブルースのピアノアレンジ例
ブルースは、黒人由来の音楽として非常に長い歴史を持つジャンル。
3連符を基調としたけだるいビート感は、独特の雰囲気を醸し出しています。
そんなブルースのピアノアレンジ&打込みテクニックについて詳しく解説していきます。
バッチリマスターしていきましょう!
なお、ブルースというジャンルそのものの特徴やリズムパターンについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。
ジャンル別ピアノアレンジ③:ブルースのピアノアレンジ&打込みテクニック!
ブルースにおけるピアノの特徴
冒頭でもお伝えした通り、ブルースは3連符のリズムとけだるいビート感が特徴。
加えて、ブルース固有のコード進行を持つことも大きな特徴となっています。
ブルースのコード進行(キーAを想定)
※2小節目の「IV7」にカッコがついていますが、曲によってはここでコードチェンジせず「I7」のまま進行する場合もあります。
古典的なブルースのピアノでは上記のコード進行で演奏されることになりますので、覚えておきましょう!
ブルースにおけるサウンドメイク
ブルースにおけるピアノサウンドの特徴は以下の通りです。
- アップライトピアノ風のくぐもったサウンド
- バーで演奏しているようなドライな空気感
ブルースのピアノは、バー(酒場)にあるアップライトピアノを意識して作ると良いでしょう。
また、バーのような空気感を作る上で、リバーブは深くかけすぎずドライなサウンドを目指すと良いですね。
ちなみに、プリセットは必ずしもアップライトピアノを選ぶ必要はありません。
市販のアップライトピアノ音源はクセの強いものが多く、グランドピアノを加工して作った方が自然に仕上がる場合も多いからです。
音源の設定
今回は、スタジオ録りしたようなドライな空気感を持つグランドピアノを使って音作りしました。
サウンドのキャラクターを「WARM」に設定し、温かみのあるオールドスタイルな雰囲気を表現しています。
また、エレピ(ローズ)については、コーラスをかけることで往年のサウンドに近い雰囲気を得ることができますが、若干古臭い雰囲気が出てしまうので、代わりに早めのトレモロを使って音作りしています。
アコースティックピアノの設定
エレクトリックピアノ(ローズ)の設定
ブルースのピアノアレンジ例
ここからは、ブルースのピアノアレンジ例をご紹介していきます。
1つずつ見ていきましょう!
パターン①
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
シンプルなコードコンピングパターンです。
ベースがしっかりと動いているので、ハイポジションを使ってボイシングすると良いでしょう。
その際、右手はルートのオクターブと5度、左手でその他のコードトーンを補完するとそれらしくなります。
打込みのポイント
例によって、これまで解説した各種打込みテクニックにならって打込めばOKです。
特筆すべきポイントとしては、コンピングのリズムを3連ジャストよりもややルーズ目に演奏することです。
とくに3連ウラはやや早めに打込むとルーズさが出て良いでしょう。
また、スタッカートもこれまでにご紹介した他ジャンルのパターンより気持ち長めに打込むことでブルースらしいけだるさが表現できます。
パターン②
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、「ブギウギ」と呼ばれるブルース特有のパターンです。
左右それぞれの手で演奏している
「5th」→「6th」→「7th」→「6th」
という動きが特徴で、とくに左手はブギウギのお決まりパターンとなっています。
手っ取り早くブルースらしい雰囲気を作ることができるので、覚えておいてくださいね!
打込みのポイント
こちらも基本的な打込みテクニックにならって打込んでいきましょう。
やはり、全体的にカチッとしたリズムにせず、ルーズ感のあるシャッフルを目指して打込みましょう。
パターン③
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、ブギウギの左手に右手によるコンピングを合体させたパターンです。
シンプルながらも、しっかりとブルースらしさを表現できていますね。
ベース、コード、リズム、3つの要素がもれなく含まれているので、ピアノ単体でも演奏可能です。
打込みのポイント
こちらも基本に忠実に打込みましょう。
特筆すべきポイントとしては、パターン①よりも右手のコンピングを長めに打込むことです。
よりけだるい印象になり、ブギウギ特有のまったりしたグルーヴにマッチします。
パターン④
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
最後にご紹介するのは、12/8ビートによるスローテンポなブルースです。
ゆったりと演奏されるこのジャンルにはローズの白玉がぴったり。
トレモロをかけたローズでたっぷりと演奏しましょう。
バッキングがシンプルな分、譜例のように印象的なオカズやキメを演奏するのも良い方法です。
打込みのポイント
こちらも基本に忠実にという点は変わりません。
白玉部分はソフトなタッチでたっぷりと演奏しましょう。
それと対比させるように、最後のオカズはしっかりと聴かせてメリハリをつけるとより良い仕上がりになります。
まとめ
というわけで、ブルースのピアノアレンジ&打込みについて解説しました。
フレーズ自体はシンプルなものが多かったですが、ブルース固有のけだるいグルーヴ感を表現するにはさまざまな工夫が必要です。
とくにルーズ目のクオンタイズはこのジャンルで最も重要なポイントとなりますので、ぜひ研究してみてください!
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