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マスタリングの基礎知識③:マスタリングで使用するエフェクトの種類や用途を理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、マスタリングの基礎知識最後の記事として、マスタリングで使用するエフェクトの種類と用法について解説していきます。

  • マスタリングで使用するエフェクトの種類
  • 各種エフェクトの用法
    • イコライザー
    • コンプレッサー
    • リミッター/マキシマイザー
    • その他のエフェクト

マスタリングではどのようなエフェクトを使うのか?

また、どのような用途で用いるのか?

その概要を解説していきますので、楽しく学んでいきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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マスタリングの基礎知識③:マスタリングで使用するエフェクトの種類や用途を理解しよう!

マスタリングの基礎知識③:マスタリングで使用するエフェクトの種類や用途を理解しよう!

マスタリングで使用するエフェクトの種類

マスタリングでは主に以下のようなエフェクトを使ってサウンドを調整していくことになります。

これらのエフェクト群、どこかで見覚えはありませんか?

そう、ミキシング最終段のマスタートラックで使用する、いわゆる「マスターエフェクト」とほぼ同じです。

いずれも2Mixにかけてサウンド全体を調整するものですから、自ずと似たようなエフェクトを使用することにもうなずけますね。

一方で、ミキシング時のマスターエフェクトはあくまでミキシングエンジニアが各楽器の音をなじませたり、楽曲全体の質感を整えたりするために使うのに対し、マスタリング用エフェクトの場合は、音圧のコントロールや全体のパワー感の調整を念頭においた音質・音像の調整を行うことから、同じエフェクターでもその使い方にはやや異なる部分も見受けられます。

各種エフェクトの用途

ここからは、前項で列挙した各種エフェクターの主な用途について解説していきます。

イコライザー

ミキシング最終段で使用するマスターEQと同様、サウンドのカラーや質感を調整するために使われます。

また、マスタリングではEQを使った音圧アップのテクニックもあり、中域(とくに中高域)をブーストさせることで、過度にマキシマイズせずとも音圧を大きく聞かせたりすることもできます。

そのほかにも、ヴォーカルやキックなど特定のパートを目立たせたい場合にもイコライジングは有効です。

これらの効果は2Mix全体に対して適用されるため、セッティングをほんの少し変えるだけで曲の雰囲気がガラっと変わることも少なくありません。

当然、やりすぎは禁物となりますので、どのようなサウンドに仕上げたいのかを明確に思い描いた上で、必要な処理だけを行うよう注意しましょう。

イコライザーの例:WAVES『REQ』

また、通常のパラメトリックイコライザーの他に、ダイナミックEQが使用されることも少なくありません。

指定した帯域や音量などの条件に従ってピンポイントで処理を行うことができるため不必要にかけすぎることもなく、マスタリングには適したEQであるといえます。

ダイナミックEQの例:WAVES『F6』

コンプレッサー

ミキシング最終段のマスターコンプ同様、信号がリミッターに入る前に全体のダイナミクスを整えるのが主な役割です。

突発的に発生するピークをおさえたり、音量が大きな部分にリミッターがかかりすぎないようあらかじめコンプレッションしておく目的で使用します。

必要以上にかけすぎると、各トラックの輪郭がぼやけて不明瞭なサウンドになってしまうので、常に軽めにかけるよう心がけましょう。

(少しずつ、何段かに分けてかけるのも良い方法です!)

また、マスタリングにおいては、サウンドのトランジション(音の立ち上がり)を明瞭にしたり、特定のコンプを通すことでサウンドに色付けを行うといった使い方もよく用いられます。

マスタリング用コンプレッサーの例:BRAINWORX「SHADOW HILLS MASTERING COMPRESSOR」

もちろん、マスタリング専用のコンプだけでなく、通常のバスコンプレッサーマルチバンドコンプレッサーなども使われます。

バスコンプレッサーの例:WAVES「G-MASTER BUSS COMPRESSOR」

マルチバンドコンプの例:WAVES「C6」

リミッター/マキシマイザー

マスタリング最終段で、音のクリップ(音割れ)を阻止しながら音圧をアップさせるためのエフェクトです。

リミッターはピークを抑制するためのもの、マキシマイザーは音圧をアップさせるためのものですが、多くのリミッター/マキシマイザーは両者の機能が当たり前のように搭載されていますので、そこまで気にする必要はありません。

コンプレッサー同様(むしろそれ以上に)必要以上にマキシマイズすることは音質を劣化させることも覚えておきましょう。

以前お話しした通り、現代では必ずしも「音圧を高めること=正義」ではありませんので、無理に音圧を上げようとせず良い音質が保てるギリギリのラインを狙っていくのがポイントです。

また、セッティング次第では音のトランジションを明瞭にする効果もありますので、そういった狙いを持って使用することもあります。

リミッターの例:WAVES「L2 ULTRAMAXIMIZER」

リミッター/マキシマイザーにもマルチバンド仕様のものがあり、マスタリングにおいてはそのようなプラグインが用いられることもあります。

マルチバンドリミッターの例:WAVES「L3LL Multi Maximizer」

その他のエフェクト

ここからは、必須ではないもののマスタリング時に使用されることの多いエフェクターをご紹介しておきます。

主に、サチュレーターやテープシミュレータなど、楽曲に程よいサチュレーション(歪み)を与えてアナログの質感をプラスするものがこれに該当します。

サチュレーションを加えることでサウンドの温かさや存在感がアップしますが、やりすぎれば当然音質は劣化していきますので気をつけて使いましょう。

サチュレーターの例:Veltigo「VSM-3」

テープシミュレータの例:AVID「REEL TAPE SATURATION」

まとめ

というわけで、マスタリングで使用する主なエフェクトについて、その概要を解説しました。

実際の用法については、本カリキュラム後半の実践編で詳しく解説しますが、まずは今日ご紹介した各種エフェクターに対する理解を深めながら、実践編にむけて知識を蓄えておきましょう!

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