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弦楽器の楽器法④:コントラバスの構造、音域、特徴を理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。

今日は、ストリングスセクション最低音を受け持つ「コントラバス」について解説していきます。

  • コントラバスの概要
  • 楽器の構造と発音の仕組み
  • 音域と音色
  • 得意なフレーズ、苦手なフレーズ

基本的な構造はこれまで学んできた他の弦楽器と同じですが、コントラバスならではの特徴・制約も数多く存在します。

何も考えず、他の弦楽器と同じ感覚で扱うと痛い目を見ることも。

安心して導入できるよう、その特徴をしっかりと学んでいきましょう!

 

弦楽器の楽器法④:コントラバスの構造、音域、特徴を理解しよう!

弦楽器の楽器法④:コントラバスの構造、音域、特徴を理解しよう!

コントラバスの概要

これまでご紹介してきた各種弦楽器とコントラバスの最も大きな違いとして、「ルーツの違い」が挙げられます。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロは「ヴァイオリン属」に属する楽器。

一方コントラバスは「ヴィオラ・ダ・ガンバ属」をルーツに持ちます。

「ヴィオラ・ダ・ガンバ」は18世紀ごろまでよく使用されていた擦弦楽器で、中でも最も大型で低音を担当する「ヴィオローネ」という楽器がコントラバスの原型といわれています。

それを裏付けるように、ボディの形もヴァイオリン属とは異質。

ストリングスの中では唯一、「なで肩」のようななだらかな曲線を描く形状をしています。

また、後述しますが、使う弓もヴァイオリン属とは異なる特徴を持っています。

■ コントラバスの音を聴いてみよう

シューベルトのソナタ(コントラバスの演奏は1分ごろから)

楽器の構造と発音の仕組み

次に、楽器の構造と発音の仕組みについて見ていきましょう。

■ 楽器の構造

ボディの形こそ特徴がありますが、構造自体は他の擦弦楽器と大きく違いはありません。

楽器のサイズはとても大きく、立って演奏するのが基本

座って演奏する場合は、バーカウンターで使われるような座高が高い椅子を使います。

また、コントラバスの大きな特徴ともいえるのがその調弦方法

ヴァイオリン〜チェロまではすべての弦を完全5度間隔で調弦しましたが、コントラバスだけはベースギターと同じく「E」「A」「D」「G」と完全4度間隔でチューニングします。

これも、コントラバスが「ヴィオラ・ダ・ガンバ属」をルーツとすることに起因しています。

■ コントラバスの弓について

コントラバスが使う弓は、大きく分けて「フランス式(フレンチ式)」「ドイツ式(ジャーマン式)」の2種類に分類されます。

それぞれ、以下のような特徴があります。

  • フランス式:ヴァイオリン属と同じ形状・持ち方。チェロと同じように演奏する。
  • ドイツ式:ヴィオラ・ダ・ガンバ属をルーツとする持ち方。アンダーハンドで握る。

■ 発音の仕組み

発音の仕組みはヴァイオリンヴィオラチェロと全く同じ。

弓で弦を擦ることで振動を生み出し、ボディで共鳴させて発音します。

弓の長さはストリングスの中で最も短く、かつ重量も重く作られており、用いられる素材もより荒い馬の毛が使われる点が特徴です。

音域と音色

次に、コントラバスの音域とそれに伴う音色の特徴を見ていきましょう。

低音域は非常に重厚で、最低音付近では音程の識別も難しく感じるほどの低さです。

オーケストラの中でも最低音域を担当する楽器ですから、重厚な低音が欲しい場合には必須のパートといえるでしょう。

中音域以上は徐々に音色も明るくなり、チェロとヴィオラを足して2で割ったような独特のしゃがれたサウンドが特徴です。

そもそも低音の補強を主目的とする楽器なのでメロディを奏でる機会は多くありませんが、他の弦楽器とは違った特徴的なサウンドもまた、コントラバスの魅力のひとつであることは間違いないでしょう。

ちなみにコントラバスの譜面は、実際に鳴っている音よりも1オクターブ上で書きます。

コントラバスは音域が低いため、実音の通りの記譜では非常に読みにくいからです。

【五弦コントラバス】通常、コントラバスの最低音は「E」ですが、さらに長3度下の「C」の弦を加えた五弦コントラバスも存在します。サンプリング音源にはこの音域も収録されている場合も多いのですが、一般的なコントラバスでは出せない音なので注意しましょう。

得意なフレーズ、苦手なフレーズ

最後に、コントラバスの得意なフレーズと苦手なフレーズについて解説していきます。

■ 得意なフレーズ

コントラバスは、その巨体からは想像できないほどの運動能力を持っています。

さすがに、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロと比較すると機動力は劣るものの、それでも十分動ける楽器といえるでしょう。

ただし、音域が低い分サウンドの明瞭さは損なわれがちです。

そのため、オーケストラにおいてはチェロとコントラバスをオクターヴユニゾンさせるのが常套手段。

チェロがコントラバスのオクターブ上で演奏することで、そのラインをはっきりと聞かせることができます。

コントラバスのピチカート

コントラバスは、チェロと同等、またはそれ以上にピチカート奏法が効果的です。

そもそもコントラバスはジャズで用いられる「ウッドベース」と同じ楽器。

ピチカートのみでベースラインを奏でることも珍しくありませんよね。

チェロよりさらに長い弦で演奏するピチカートはとてもよく響き、長い音価での演奏も可能。

オーケストラ全体をしっかりと支えてくれます。

ピチカート

■ 苦手なフレーズ

意外にもロングトーンが苦手です。

ストリングスセクションの中で最も弓が短いこともあり、ひと弓で演奏できる限界はどんなに長くても3~4秒程度。(限りなく弱く演奏した場合。)

それ以上は、必然的に弓を切り返して演奏を続けることになります。

弱く演奏している分には弓の切り返しも目立ちませんが、強く演奏する場合は複数人の奏者がそれぞれ弓を返すポイントをずらして目立たなくします。

まとめ

というわけで、ストリングスセクション最後のパート、コントラバスについて詳しく解説しました。

その重低音はオーケストラを全体を支えるために重要な存在。

メロディを奏でる機会こそ少ないものの、他の弦楽器にも引けを取らない機動力もあり様々なフレーズを弾きこなす頼れる楽器です。

今日の記事を参考に、理解を深めていただければ幸いです!

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