ストリングスの音域はどこからどこまで?ストリングスを構成する楽器の音域や特徴を徹底解説。
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
シンセサイザーとちがって、アコースティック楽器には必ず「音域」というものが存在します。
この「音域」を正しく理解することは、よく鳴る(よく響く)アレンジを施す上でも、リアルな打込みを実現する上でも非常に重要なこと。
今日は、そんなストリングスの音域について詳しく解説していきます。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ストリングスの音域はどこからどこまで?
昨日もお話しした通り、ストリングスというのは、ヴァイオリン(Violin)、ヴィオラ(Viola)、チェロ(Cello)、コントラバス(Contrabass)という4種類の擦弦楽器の集合体です。
当然のことながら、ストリングスの音域というのは、これらストリングスを構成する4種類の楽器の音域にそのまま依存します。
したがって、各楽器の音域を正しく理解することが、ストリングスアレンジ&打込み技術向上の最初のポイントになってくるわけですね。
ひとつひとつ解説していきましょう。
ヴァイオリンの音域と特徴
ヴァイオリンの音域は、ストリングスを構成する楽器群の中で最も広く、G2〜E6と、実に3オクターヴと6度もあります。かなり広いですね。
ちなみに調弦は、下から「G2」「D3」「A3」「E4」と、全て完全5度の間隔でチューニングされます。
最高音は、一番高い弦(E弦)のちょうど2オクターヴ上と考えると覚えやすいですね。
楽器のボディが小さいことから、低音から超高音までバランスよく弾きこなすことができ、ゆったりとした歌い上げるようなメロディも、目まぐるしく動く速いパッセージも思いのまま。
まさにストリングスの花形と呼ぶにふさわしい存在です。
ヴィオラの音域と特徴
見た目はヴァイオリンとよく似ているヴィオラですが、音域はC2〜C5までと、ちょうど3オクターヴに留まります。
調弦は、下から「C2」「G2」「D3」「A3」と、こちらも全て完全5度間隔のチューニング。
なぜヴァイオリンに比べて6度も音域が狭くなってしまうのかというと、ヴァイオリンよりもボディが一回り大きいことが原因。
ヴァイオリンやヴィオラは、ハイポジションを抑える際に左手が楽器の肩にぶつかってしまうので、そこより上の音域はあくまで指の届く範囲までしか抑えることができません。
したがって、ボディが大きなヴィオラでは、その分音域が狭くなってしまうということなんですね。
ヴィオラの高音域は甲高く鋭い音がするため、音色としても多用するのは禁物。
高音はヴァイオリンに任せて、ヴィオラは音域内での使用に留めるようにしましょう。
チェロの音域と特徴
チェロの音域は、ヴァイオリンに次いで2番目に広く、C1〜G4と、3オクターヴと5度あります。
調弦は、ヴィオラのちょうど1オクターヴ下。下から「C1」「G1」「D2」「A2」と、こちらも全て完全5度チューニングです。
ヴァイオリンやヴィオラと違い、チェロは楽器を肩に担ぐ必要がないため、ハイポジションを抑える際にも物理的な制約を受けません。
その分ハイポジションも押さえやすくなり、結果として音域も広くなるというわけですね。(さらに、ハイポジションでは親指も運指に使うことができるため、より広い間隔で弦を押さえることができるようになります。)
低音から高音まで幅広く演奏できるため、ベースもメロディもどちらも担当できる万能楽器です。
コントラバスの音域と特徴
コントラバスの音域は、E0〜C3と2オクターヴと6度しかなく、ストリングスを構成する楽器の中で最も狭くなります。
調弦は、他の楽器と違い、下から「E0」「A0」「D1」「G1」と、全て完全4度間隔でチューニングされます。(エレキベースと一緒ですね。)
基本は4弦ベースが一般的ですが、低いC弦を足した5弦ベースも存在していて、そちらはちょうど3オクターヴの音域になります。
チェロと同様、楽器を接地して演奏するためハイポジションを抑えるのに制約はありませんが、楽器が大きい分一音一音の間隔が広く、あまり細かいフレーズの演奏には向きません。
基本的には、ベースとして低音を支えるのが主な役目の楽器と考えておくのが良いでしょう。
音域を守ることの重要性
冒頭でもお伝えした通り、楽器の音域をしっかり守ることは、よく鳴るアレンジ、リアルな打込みを実現する上で非常に重要なポイントです。
弦楽器に限らず、楽器にはそれぞれ得意な音域や、音域による音色の違いがあります。
これらを理解しないままアレンジ&打込みをしてしまうと、
・実際には演奏ができない(または演奏が困難)
・よく鳴らない(響かない)
・まったくリアルに聞こえない
などなど、不都合なことがたくさん起きてしまいますので、十分に注意しましょうね。
とくに、打込みだけでアレンジする場合は、どうしても音域を無視してムチャなアレンジをしてしまいがちです。
仮に打込みで仕上げる場合も、音域を守ることでリアルさが格段にましますので、必ず音域に注意を払ってアレンジするようにしましょう!
まとめ
というわけで、ストリングスを構成する楽器の音域について詳しくお伝えしてきました。
音域を正しく理解し、きちんと守りながら楽曲を作り上げていくことで、無理のない自然な演奏を実現することができます。
ぜひしっかりと意識してみてください!
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