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シンセサイザーの合成テクニック②:減算合成をマスターしよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、シンセサイザーの代表的な合成方法のひとつ、「減算合成」に関する詳しい解説をお届けします。

  • 減算合成とは?
  • アナログシンセサイザーと減算方式
  • 減算合成のテクニック

など、減産合成の概要と、それを用いた音作りのテクニックをしっかり学んでいきましょう!

【シンセサイザーを構成する4つの機能の概要はこちら】

減算合成の基礎

減算合成の基礎

減算合成とは?

複数個のオシレータを足し合わせて新たなサウンドを作る合成方法が加算合成でした。

つまり「足し算」の合成方法だったわけです。

対して減算合成は、フィルターを使用して原音から任意の倍音成分を引くことで新たな音色を作り出す合成方法

いわば「引き算」の合成方法です。

減算方式(げんざんほうしき)または減算合成(げんざんごうせい、英: subtractive synthesis)は、倍音を含んだ原音から任意の倍音成分を引くことで新たな音色を作り出す音響合成の方式である。 -Wikipediaより-

フィルターの種類やセッティングによって細かい調整が可能な上、大掛かりな手間もいらず簡単に行えるため、加算合成同様に最も基礎的な合成方式といえるでしょう。

アナログシンセサイザーと減算方式

シンセサイザーは、その合成方法によって様々な種類がありますが、ことアナログシンセサイザーに関しては、原則すべて「減算方式」のシンセサイザーです。

モーグシンセサイザーも減産方式のシンセサイザー

音作りの根幹が、フィルターによる減算合成に委ねられていることが多いからです。

もちろん加算合成も併用して音作りを行いますが、加算合成はあくまで音の素材を作るだけで、それだけで劇的な音色の得ることは難しかったりします。

フィルターによる減算合成と組み合わせてはじめて、複雑な音作りが可能になるわけですね!

そういう意味でも、減算合成を理解することは、シンセの音作りをマスターする上で欠かすことのできない大事なものだということがわかります。

 

減算合成のテクニック

減算合成のテクニック

ここからは、減算合成で使える基礎的なテクニックをご紹介していきます。

  1. 単純にカットする
  2. オートメーションでスイープさせる
  3. ノイズ+バンドパス
  4. ノイズ+コムフィルター

■1. 単純にカットする

オシレータが発振している音の倍音成分を、フィルターを使って任意にカットすることで音色を変化させるテクニックです。

目的に応じて、

  • 使用するフィルターの種類
  • カットオフ周波数
  • レゾナンスの値

を変えることで、さまざまなニュアンスの違いを作り出せます。

中でも、ローパスフィルターによる高域成分のカットは最も一般的且つ実用的な手段です。

元の音色

フィルターでカットしたもの

■2. オートメーションでスイープさせる

カットオフ周波数をオートメーションによって断続的に変化させることで、時間の経過と共にフィルターのかかり具合を変化させるテクニックです。

単調な音に断続的な音色の変化を与えることができるため、パッド等の持続音系で大きな効果を発揮します。

この時、レゾナンスを使用してカットオフ周波数を強調してあげると、よりシンセらしい独特の変調を得られます。

■3. ノイズ+バンドパス

あらゆる周波数成分を含むノイズに、敢えてレゾナンスの効いたバンドパスフィルタを適用することで、音程感を与えるテクニックです。

キーボードトラッキングを100%にすることで、カットオフ周波数=演奏しているノートに設定することができるため、ノイズを音程のある楽音として使用することが可能になります。

これを応用したものが口笛の音。

【参考】口笛というのは、口から吹き出す空気の音(≒ノイズ)に、唇を使って共振(=レゾナンス)を付与することによって音程感を作り出しています。ノイズとバンドパスフィルタを組み合わせることで、実際の発音原理と全く同様の作用を作り出すことができるというわけですね。

■4. ノイズ+コムフィルター

ノイズにフィードバックを強めたコムフィルターを適用し、音程感を与えるテクニックです。

バンドパスフィルターを使ったものは単に任意の音程成分のみを抽出するものだったが、コムフィルターの場合はフィルターの周波数特性上倍音成分まで抽出可能なので、かなりアグレッシブな音がつくれます。

こちらも、単にコムフィルターをかけただけでは音程の演奏ができないため、キーボードトラッキングとの併用して使いましょう!

 

まとめ

というわけで、シンセサイザーの2つ目の合成方法、「減算合成」について詳しく解説しました。

いうまでもなく、加算合成と減算合成の2つを併用することによって、さらなる複雑な音作りが可能になっていきます。

ぜひ様々な組み合わせを試しながら、オリジナルの周波数特性をもつ音色を作ってみてください!

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