ストリングスとは何なのか?その正体と、ストリングスを構成する楽器の種類について解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
「ストリングス」という言葉は聞いたことがあるけど、それがいったい何を意味するものなのかよくわからない!という方も少なくないようです。
そこで今日は、
・そもそもストリングスとは何なのか?
・ストリングスを構成する楽器の種類
について詳しく解説していこうと思います。
知っている方にとってはいささか退屈な話になるかと思いますが、ストリングスの学習を進める上での大前提となる知識ですので、ぜひお付き合いください。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
そもそもストリングスとは何なのか?
DTMの普及によって、これで音楽に馴染みのなかった方も「ストリングス」という単語に触れる機会が多くなったのではないかと思います。
そんな中、シンセのプリセット名で「ストリングス」と書かれた音色をみて、ストリングスってどんな楽器なんだろう?と興味を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
じつは、ストリングスという楽器は存在しません。
ストリングスというのは、ストリング(=弦)の複数形、すなわち弦楽器の集合体のことを指す言葉で、「ストリングス」という名前はその集合体につけられたもの。ストリングスという名前の楽器があるわけではないんですね。
【ポイント】ストリングス = 弦楽器の集合体
下図のようなイメージです。
擦弦楽器と撥弦楽器
ここでいう弦楽器とは、ギターやベース、マンドリンなどのいわゆる”棹モノ”と呼ばれる楽器ではなく、弓で弦をこすって音を出す楽器(擦弦楽器)のことを指しています。
ヴァイオリンやヴィオラ、チェロ、コントラバスといった、オーケストラの前面に鎮座している楽器群こそが「ストリングス」とよばれる編成そのものです。
・擦弦楽器 = 弓で弦をこすって音を出す楽器(ヴァイオリンなど)
・撥弦楽器 = 弦を指やピックで弾いて音を出す楽器(ギターなど)
ストリングスを構成する楽器の種類
ここからは、ストリングスを構成する楽器の種類をご紹介していきましょう。
どれもみなさんにとって馴染みのある楽器も多いかと思いますので、すぐに覚えてもらえると思います。
ヴァイオリン 【Violin】
ヴァイオリンはまさにストリングスの顔。ストリングスの中で最も高音を担当する楽器になります。
必然的にメロディを演奏することも多く、ストリングスセクションにおける花形楽器ともいえる存在です。
このヴァイオリン、ストリングスの代表であると同時にオーケストラにおいても代表的な存在。ヴァイオリン無くしては、ストリングスもオーケストラも成立しない!といっても過言ではありません。
ヴァイオリンの音色を聞いてみよう
ヴィオラ 【Viola】
ヴィオラは、ヴァイオリンよりやや大きめのボディを持った、ストリングスの中域を担当する楽器です。
ヴァイオリンよりも若干低い音を鳴らすことができる楽器で、その哀愁を帯びた独特の音色から隠れたファンも多い楽器ですね。
ヴァイオリンほど目立つ旋律を演奏したりはしませんが、ストリングスアレンジにおいて絶対に欠かすことのできない大事な楽器です。
ヴィオラの音色を聞いてみよう
チェロ 【Cello, Violon Cello】
チェロは、ストリングスセクションの中で主に低域を担当する楽器です。
しかし、その音域はとても広く、ときにメロディを演奏することも少なくありません。
歌曲で例えるならば、ヴァイオリンが女声、チェロが男声のようなイメージで、太く温かみのある音色が特徴です。
ちなみにチェロの正式名称は「Violon Cello(ヴィオロンチェロ)」といって、楽譜上にはその名前で書くことも多いです。
チェロの音色を聞いてみよう
コントラバス・ダブルベース【Contrabass, Doublebass】
こちらは、ストリングスパートの最低音を演奏する楽器です。
バンドでいう所のエレキベースとほぼ同じ音域を持っていることからもお分かりいただけるとおり、ストリングス全体を低音でしっかりと支える役目を持った楽器ですね。
ストリングスを構成する弦楽器群で唯一、吹奏楽でも使われることの多い楽器なので、馴染みの深い人もいるかもしれません。
また、ジャズバンドにいる「ウッドベース」も、このコントラバスと全く同一の楽器です。
コントラバスの音色を聞いてみよう
まとめ
というわけで、ストリングスとは何なのか?そして、ストリングスを構成する楽器の種類について解説してきました。
各楽器の調弦や音域、音色や演奏上の特徴については、この後の記事でまた詳しくお伝えしていこうと思いますので、そちらもぜひ楽しみにお待ちください!
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