ジャンル別ビートメイク12:サンバ&ボサノバのビートを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ブラジル発祥の音楽である「サンバ」と「ボサノバ」のリズムについて解説していきます。
- サンバの特徴
- サンバのリズムパターン
- サンバの打込みのポイント
- ボサノバの特徴
- ボサノバのリズムパターン
- ボサノバの打込みのポイント
ブラジルを代表する音楽である「サンバ」とそこから派生した「ボサノバ」は、共通する部分も多くみられます。
両者の特徴を足し合わせたリズムパターンなどもご紹介していきますので、ぜひ楽しみながら学んでくださいね!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
サンバの例:Ary Barroso『ブラジルの水彩画』
ボサノバの例:Astrud Gilberto『イパネマの娘』
サンバの解説
サンバの特徴
サンバはブラジルを代表する音楽。
明るく陽気な雰囲気は、あなたもよく知るところかと思います。
リオのカーニバルなどのド派手な雰囲気は、見る者すベてを魅了する強烈なインパクトがありますよね!
そんなサンバの特徴は以下の通りです。
- サンバ・キックと呼ばれる特有のバスドラム
- 「タンボリン」によるアクセント感
- 2拍目に大きく沈み込むビート
それぞれ詳しく解説します。
サンバ・キックと呼ばれる特有のバスドラム
「サンバ」と「ボサノバ」共通の特徴となりますが、ブラジリアン・ビートでは「サンバ・キック」と呼ばれる、特有のリズムパターンをもつバスドラムが特徴です。
付点8分音符と16分音符で構成される「ドンット ドンット」というリズムで、サンバを象徴するビートとなっています。
サンバ・キックの例
「タンボリン」によるアクセント感
サンバでは、「タンボリン」と呼ばれる小型のスネアドラムのような太鼓で、特有のアクセント感をもつリズムパターンを演奏します。
「カッカッカカッカ / ッカッカッカカッ」というリズム、あるいはそれをひっくり返した「ッカッカッカカッ / カッカッカカッカ」というアクセントで演奏されるのが常套手段です。
考え方は、ラテンの解説記事でお伝えした「クラーベ」と同じですね!
「タンボリン」のアクセント例
前後を入れ替えたもの
2拍目に大きく沈み込むビート
サンバにおける3つ目の特徴は、「スルド」と呼ばれる低音ドラムで演奏される、2拍目に大きく沈み込むようなアクセントです。
「ドゥッ・ドゥーン ドゥッ・ドゥーン」というリズム感で、1拍目よりも2拍目の方に比重を置いて演奏するのがコツ。
フロアタムを使用して2拍目のダウン感を表現した例
【補足】サンバは本来4分の2拍子で演奏されるものですが、4拍子で記譜する場合は2拍目だけでなく4拍目にもこのアクセントがつきます。
サンバのリズムパターン
それでは早速サンバのリズムパターンをみていきましょう!
パターン①
「タンボリン」によるアクセント感を、スネアドラムで表現した基本パターンです。
パターン②
アクセントを前後入れ替えたバリエーションです。
パターン③
パターン①をベースに、「スルド」による2拍目の沈み込むイメージをフロアタムで表現したパターンです。
パターン④
パターン③に様々なタムを織り交ぜたバリエーションです。
パターン⑤
サンバ・キックを踏まず、スネアで16分ウラのアクセントをあしらったバージョンです。
フロアタムによる「スルド」ライクなアクセントも織り交ぜています。
パターン⑥
「タンボリン」のアクセント感を、ライドとスネアの双方で表現したパターンです。
パターン⑦
通常の16ビートにサンバ・キックをプラスして、ブラジル感をプラスしたフュージョンパターンです。
サンバの打込みのコツ
サンバのベロシティ
やはり、サンバにおいては
- 「タンボリン」のアクセント感
- 2拍目(&4拍目)の「スルド」風アクセント
をしっかりとベロシティで再現することがポイントとなりますので、必ず意識しましょう。
その他のベロシティは、8ビート&16ビートの基本にならって打ち込めばOKです。
サンバのクオンタイズ
「タンボリン」のリズムをスネアで表現する際は十分にスウィングさせることが重要です。
また、サンバキック特有のなまりのあるグルーヴを作る上で、16分ウラのノートをプッシュ気味に配置することでそれらしくなるでしょう。
ボサノバの解説
ボサノバの特徴
ボサノバとは、サンバから派生したブラジルを代表するもう1つのジャンルです。
ボサノバ(Bossa Nova)は、ポルトガル語で「新しい傾向」「新しい感覚」という意味を表す言葉で、サンバをベースに確立された新しいスタイルであることがよくわかりますね。
そんなボサノバの特徴は以下の通りです。
- サンバ同様、サンバ・キックがベース
- ゆったりしたテンポ感
- ボサノバ・クラーベによる固有のアクセント
サンバ同様、サンバ・キックがベース
前述の通り、ボサノバにおいても「サンバ・キック」が用いられます。
ブラジリアン・ビートには欠かすことのできないリズムパターンですね。
ボサノバのサンバ・キック
ゆったりとしたテンポ感
ボサノバは、サンバに比べて非常にゆったりとしたテンポで演奏されることが多いです。
ポルトガル語の柔らかい響きもあいまって、ムーディーで癒される楽曲が多いことも魅力のひとつですね。
ボサノバ・クラーベによる固有のアクセント
ラテンの解説記事でご紹介したクラーベ。
それがブラジルに伝わってボサノバに取り入れられたのが「ボサノバ・クラーベ」です。
ラテンのクラーベ同様、「カッッカッッカッ / ッッカッッカッッ」といった、前半3つ&後半2つの組み合わせか、「ッッカッッカッッ / カッッカッッカッ」という、前半2つ、後半3つの組み合わせを選択できます。
例によってこれを、「3ー2」「2ー3」のボサノバ・クラーベといいます。
3−2のボサノバ・クラーベ
2−3のボサノバ・クラーベ
ボサノバのリズムパターン
それでは、ボサノバのリズムパターンをみていきましょう!
パターン①
「3ー2」のボサノバ・クラーベを、サイドスティックで表現した基本パターンです。
パターン②
こちらは「2ー3」のボサノバ・クラーベになります。
パターン③
ボサノバ・クラーベの代わりに、サンバにおける「タンボリン」のアクセントをあしらったバリエーションです。
パターン④
パターン①のハイハットをライドに置き換えたバリエーションです。
パターン⑤
シンバルではなく、ブラシで8分音符を刻むこともあります。
パターン⑥
サンバとボサノバの間の子です。
ライドは「タンボリン」のリズムを、スネアは「ボサノバ・クラーベ」のリズムをサイドスティックで刻んでます。
ボサノバの打込みのコツ
ボサノバのベロシティ
ボサノバのベロシティは、基本ビートにおける8ビート&16ビートのベロシティ設定方法を忠実に守ればOKです!
すごくシンプルですね。
ボサノバのクオンタイズ
クオンタイズもすこぶるシンプルに、8分に軽めのスウィングを入れつつ、サンバ同様16分ウラのキックを軽くプッシュさせるといいでしょう。
サンバほどうねったグルーヴは必要ないので、あくまで「軽め」がポイントとなります。
まとめ
というわけで、サンバとボサノバについて詳しく解説しました。
サンバもボサノバも、その独特の雰囲気からファンもおおい音楽ジャンル。
今日の記事を参考に、その魅力を再現するための秘訣を学びとっていただければ幸いです!
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