アンプシミュレーターの使い方③:エフェクターの設定をマスターしよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、アンプシミュレーター上でのエフェクターの設定方法について解説していきます。
- エフェクターの接続
- 主なエフェクター
- 設定サンプル
今回もNative Instruments社の「Guitar Rig 5」を使って解説を進めていきます。
前回、前々回でお伝えしたことと合わせてご活用いただくことで、どんな機種・ソフトウェアでも一通り操作ができるようになるはずです。
シミュレーション元となった実機との関係も交えながら解説していきますので、バッチリマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
アンプシミュレーターの使い方③:エフェクターの設定をマスターしよう!
エフェクターの接続
Guitar Rig 5では、かなり自由なルーティングでエフェクターを接続可能です。
まず以下の図をご覧ください。
信号の流れは、上から下へ(①~④へ)と流れていきます。
この中で、エフェクターに関係する①と④について解説していきます。
① プリエフェクト
ギタリストがアンプの前段に繋ぐペダル類がこの部分に該当します。
好きなエフェクトを無制限に接続できるのもアンプシミュレーターの利点ですね。
コンプやEQなど、ペダルタイプのモノラルエフェクトはこの部分に繋ぎましょう。
適切なエフェクターの接続順は、こちらの記事でご紹介した「エフェクターの接続順」の項を参考にしてください。
これまでも何度かお伝えしてきましたが、プリエフェクト段に適用したエフェクトは全てモノラル出力になる点に注意しておきましょう。
モジレーション系や空間系エフェクトをステレオで適用したい場合は、次の「④ マスターエフェクト」の位置に繋いでください。
④ マスターエフェクト
アンプを通った後の音にエフェクトをかけたい場合は、こちらに繋ぎましょう。
ここで使用するエフェクトは大きく分けて「スタジオエフェクト」か「ステレオエフェクト」の2種類となります。
それぞれ、以下のような意味があります。
- スタジオエフェクト:ギタリスト側ではなくPA卓などのミキサーでかけるエフェクト
- ステレオエフェクト:その名の通りステレオ出力したいエフェクト
通常、ギタリストが弾いたサウンドはキャビネット前に立てられたマイクからミキサー卓に送られ、エンジニアが空間系のエフェクトなどをかけることになります。
これが「スタジエフェクト」ですね。
また、「ステレオエフェクト」はギタリスト側でかけるエフェクトのうち、ステレオ出力したいものを指しています。
実機の場合はアンプが2台ないとステレオで出力できませんが、Guitar Rig 5の場合は④の位置に接続することでステレオ出力が簡単に実現できます。
モジュレーション系、空間系、トータルコンプやトータルEQなどは、この位置に繋いでおけば良いでしょう。
エフェクターの選び方
ここからは、Guitar Rig 5に収録されている主なエフェクターをご紹介していきます。
接続位置は前述の①④どちらでもOKですが、前項でご説明したそれぞれの特徴を参考にインサートしてください。
Dynamics(ダイナミクス)系
コンプレッサーなど音量をコントロールするエフェクターが収録されたコンポーネントです。
ギターの音作りで使用するコンプレッサーの詳細は「その他のエフェクターの知識」の記事をご参照ください。
Stomp Compressor
ペダルタイプのアナログコンプレッサーをシミュレートしたもの。
ペダルコンプらしいアタックの強調されたパコーンとしたサウンドが特徴です。
Distortion(ディストーション)
音を歪ませる「歪み系」エフェクターが収録されたコンポーネントです。
各種歪み系エフェクターの詳細は「歪み系エフェクターの知識」をご参照ください。
Big Fuzz
Electro-Harmonixの「Big Muff」をシミュレートしたもの。
ファットで伝統的なファズサウンドが特徴です。
Cat
Procoの「RAT」をシミュレートしたもの。
カラッとしたディストーションサウンドが特徴です。
Distortion
BOSSの「DS-1」をシミュレートしたもの。
こちらもカラッとしたディストーションサウンドが特徴です。
Skreamer
Ibanezのチューブスクリーマーをシミュレートしたもの。
ブースターに適したナチュラルなオーバードライブが特徴です。
Filter(フィルター)
イコライザーやフィルターなど、サウンドの周波数成分をコントロールして音色を変化させるエフェクターが収録されたコンポーネントです。
ここでは、ギターならではのエフェクトとして「ワウペダル」をご紹介していきます。
ワウペダル の詳細は「その他のエフェクターの知識」の記事をご参照ください。
また、一般的なイコライザーやフィルターについては以下の記事で詳しく解説しておりますので合わせてご活用ください。
Cry Wah
ワウペダルの代表モデル「Cry Baby」をシミュレートしたもの。
鍵盤用のエクスプレッションペダルをMIDI 接続することで、実機のワウペダル同様の操作が可能です。
Modulation(モジュレーション)
サウンドに何かしらの変調をかけて音にうねりを与えるエフェクターが収録されたコンポーネントです。
モジュレーション系エフェクターの詳細は「モジュレーション系エフェクターの知識」をご参照ください。
Ensemble
BOSSの「CE-1」をシミュレートしたもの。
暖かみのあるアナログコーラスが特徴です。
Phaser Nine
MXRの「Phase90」をシミュレートしたもの。
伝統的なフェイザーサウンドが得られます。
Reverb(リバーブ)
サウンドに残響を付与するリバーブエフェクターが収録されたコンポーネントです。
各種リバーブの詳細は「空間系エフェクターの知識」をご参照ください。
Spring Reverb
伝統的なスプリングリバーブをシミュレートしたもの。
アンプ内蔵のスプリングリバーブを再現したい場合は、アンプの前段にモノラルで繋ぐことでそれらしい響きを得られます。
Studio Reverb
一般的なスタジオエフェクトのデジタルリバーブです。
アンプの後段にステレオで繋ぐのが良いでしょう。
設定サンプル
最後に、Guitar Rig 5を使った実際の設定例を紹介しようと思います。
クリーンとドライブサウンドそれぞれご紹介していきますので、音作りの参考にしてみてください。
クリーン
クリーンでは、以下のような順番で各種コンポーネントを設定しています。
- コンプレッサー(Stomp Compressor)
- アンプ(Twang Reverb)
- キャビネット(Matched Cabinet)
- コーラス(Ensemble)
- マスターエフェクト(ディレイ、リバーブ)
1.コンプレッサー(Stomp Compressor)
コンプレッサーは粒を揃える目的で使用していますので「SUSTIN」は低めにしています。
アルペジオ系フレーズでは、それぞれの音の粒だちを良くする目的でコンプレッサーを使用することが多いです。
2. アンプ(Twang Reverb)
アンプはクリーン系の定番「Twang Reverb」をボリューム低めでセッティング。
このアンプは1ボリューム式(プリアンプボリュームのみ)であるため、ボリュームを上げすぎると歪んでしまいます。
このようなアンプでクリーンな音を作りたい場合は、アンプのボリュームを低めに設定し、キャビネットでボリュームを稼ぐのが定石です。
3. キャビネット(Matched Cabinet)
キャビネットは「Matched Cabinet」を選択。
ボリュームを上げた以外はデフォルトのままで使用しています。
4. コーラス(Ensemble)
キャビネット後段にはアナログコーラスをステレオで使用。
アルペジオ系のプレイにはコーラスをかけると適度な暖かさがプラスされて良いですね。
5. マスターエフェクト(ディレイ、リバーブ)
最後に、マスターエフェクトとしてで長めのディレイとルーム系のリバーブをかけて完成です。
このように、アルペジオ向きのクリーントーンではコンプやモジュレーション、空間系を上手く活用して、広がり感と粒立ちの良さを意識して音作りしていきましょう。
ドライブ
ドライブサウンドの定番の音作りとして、チューブスクリーマー+Marshallのサウンドを作ってみましょう。
今回は、以下のような順番で各種コンポーネントを接続しました。
- ブースター(Skreamer)
- アンプ(Lead 800)
- キャビネット(Matched Cabinet)
- マスターエフェクト(ディレイ、リバーブ)
1. ブースター(Skreamer)
Skreamerはブースターですので、ドライブ低め、レベル(Volume)低めに設定します。
本格的に歪ませるのは次の「Lead 800」で。
2. アンプ(Lead 800)
Lead 800 はよく歪むアンプですので、プリアンプボリューム(PRE-AMP)は10時方向くらいに設定。
前段のブースターとバランスを見ながら歪み量を決めていきます。
3. キャビネット(Matched Cabinet)
クリーン同様、キャビネットは「Matched Cabinet」を使用。
デフォルトのまま使っています。
4. マスターエフェクト(ディレイ、リバーブ)
最後に、30〜40msecくらいの超ショートディレイをかけて輪郭をプラス。
さらにホールリバーブを薄くかけて完成です。
中域の詰まったタイトなドライブサウンドが出来ましたね
ハイのよく出るアンプとミドルが出るブースターを組み合わせるのがコツです。
まとめ
というわけで、アンプシミュレーターを使ったエフェクターの設定と、音作りの参考例をご紹介しました。
ここまできたら、あとは実際に触りながら慣れていくのが一番です。
アンプシミュレーターに収録されているプリセットの中身を見て分析することで、その理解もより一層深まります。
ある程度慣れてきたら、ゼロからイメージするサウンドを組み立てることにもチャレンジして頂ければ幸いです!
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