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ベースモックアップの基本③:ベースのデュレーション設定をマスターしよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、ベースのデュレーション設定について解説していきます。

  • ベースにおけるデュレーションの効能
  • ベースのデュレーション設定3つのコツ
  • ベースのデュレーション設定手順

前回解説したクオンタイズやトラックディレイと並んで、グルーヴ感に大きな影響を与えるデュレーション。

今日はそんなベースのデュレーション設定について詳しく解説。

ノリの良いイキイキとしたベース作りに欠かせない知識となっていますので、しっかりとマスターしていきましょう!

なお、デュレーションについては以下の記事でも詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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ベースモックアップの基本③:ベースのデュレーション設定をマスターしよう!

ベースモックアップの基本③:ベースのデュレーション設定をマスターしよう!

ベースにおけるデュレーションの効能

まずは、ベースにおけるデュレーションの効能についてみていきましょう。

デュレーションとは「音の長さ」のこと。

音の長さを表す言葉として「音価」というものがありますが、こちらは「4分音符」「8分音符」など楽譜上に書き表すことのできる長さを指しています。

それに対し「デュレーション」は、MIDIノートの長さを表す概念となりますので、「音価」よりもさらに細かく調整することができます。(ティック単位でコントロール可能。)

音価 デュレーション
概念 記譜上の概念 MIDI上の概念
対象 音符・休符 MIDIノート
単位 音符単位 ティック単位

この「デュレーション」は、グルーヴィーなベーストラックを作る上で絶対に欠かすことのできないパラメータになります。

ノートのデュレーションはフレーズのノリに大きく影響するからです。

ためしに、デュレーション調整前のベースと調整後のベースを用意してみましたので聴き比べてみましょう。

デュレーション調整前

デュレーション調整後

後者の方が明らかにノリが良くなったことがお分かりいただけると思います。

以前、リズムづけの記事でもお伝えしましたが、ベースのグルーヴは音の長さや休符によっても大きく変わります

クオンタイズやトラックディレイを使った発音タイミングのコントロールだけでなく、デュレーションのコントロールも非常に重要な要素となっていますので、常に意識を向けるようにしておきましょう!

ベースのデュレーション設定3つコツ

ここからは、ベースのデュレーションを調整する際のポイントを3つご紹介していきます。

  • ノート同士のインターバル調整
  • スタッカートの調整
  • レガートの調整

ノート同士のインターバルの調整

まず、複数のノート同士のインターバルについてみていきましょう。

ベースを打込む際には、ノートとノートの間にわずかなスキマを設けるようにしましょう。

仮に同音連打であってもこの処理は行います。

ベースでは、指やピックが弦に触れた瞬間にわずかではありますが弦がミュートされます

これにより、仮にフレーズを切れ目なく演奏しているように見えても、実際にはわずかなインターバルが生じているわけです。

これを再現するために、ノート同士の合間には必ずスキマを入れるようにしましょう。

楽曲のテンポにもよりけりですが、40〜60ティックほど空けるとそれらしくなります。

スキマなし

スキマあり

スタッカートの調整

歯切れの良いスタッカートを実現する上でもデュレーションの調整は不可欠です。

スタッカートには「対象となる音符の長さを半分にする」という定義がありますが、実際のところは半分よりも短い長さになることがほとんどです。

例えば8分音符にスタッカートがついている場合、定義どおり16分音符に設定したとしてもどこか間の抜けたようなキレの悪いサウンドになってしまいます。

ですから、打込みの際には16分音符よりさらに短めに打込むことでようやく歯切れの良いスタッカートを実現することができるわけですね。

こちらもテンポによりけりですが、16分音符よりも60ティックほど短くするのがオススメです。

16分音符ぴったり

16分音符より短く調整

レガートの調整

ギターやベースのアーティキュレーションには「ハンマリング・オン」「プリング・オフ」といったものがあります。

これらの奏法では、後続の音はピッキングせず左指で弦を叩く(または弾く)という動作で演奏するため、必然的に2音がなめらかにつながって(レガートで)発音されることになります。

通常、これらを打込みで再現する際にはピッチベンドを用いるのが正攻法となりますが、音源によってはデュレーションの調整のみで実現できるものも存在します。

デュレーションでレガートを表現する場合には、連続するノートのうち先行するノートのデュレーションを後続のノートの頭にかぶせることで実現できます。

昨今の主要なベース音源ではおおよそ対応していることの多い機能で、簡単に「ハンマリング・オン」や「プリング・オフ」と同等のサウンドを得ることができますので覚えておきましょう!

ベースのデュレーション設定手順

ここからは、ベースのデュレーション設定手順をご紹介していきます。

デュレーションはグルーヴの形成に大きく関わる部分であり、設定次第でフレーズの聞こえ方も大きく変わってくるため、クオンタイズ作業の前後に挟み込むような形で行います。

デュレーションとクオンタイズ双方を織り交ぜた設定手順は以下のような形になります。

  1. グリッドジャストで打込む
  2. ノート同士のインターバルをとる
  3. スタッカートやレガートを調整する
  4. スウィングを適用する
  5. ランダマイズする
  6. 必要に応じてデュレーションを微調整する

1. グリッドジャストで打込む

これまで同様、まずはグリッドジャストで打込んでしまいましょう。

この時、デュレーション(=ノートオフのタイミング)まで含めてグリッドジャストで打込んで問題ありません。

2. ノート同士のインターバルをとる

次に、連続するノートの合間にわずかなスキマを作りましょう。

前述の通り、40〜60ティックほどのインターバルをとればOKです。

3. スタッカートやレガートを調整する

次に、スタッカートやレガートを調整していきます。

歯切れよく聴かせたいノートはデュレーションを短く、レガートさせたいノートはデュレーションを長く設定します。

4. スウィングさせる

デュレーションの調整が一通り済んだところで、ようやくスウィングを適用しましょう。

このとき、せっかく設定したデュレーションが変わらないよう、ノートの長さを維持したままクオンタイズするのがポイントです。

5. ランダマイズする

ここまでの調整が完了したら、軽めのランダマイズを入れます。

6. 必要に応じてデュレーションを微調整する

スウィングやランダマイズの結果を受けてさらにデュレーションを微調整していきます。

この調整は必ずしも行わなければならないわけではありません。

スウィングさせたりランダマイズしたことでノート同士のスキマがなくなってしまったり、そもそもグルーヴ感が変わって聞こえることもありますので、それらを微調整していく形となります。

必要に応じて適宜調整しましょう!

まとめ

というわけで、ベースのデュレーション設定について解説しました。

発音タイミングと共にグルーヴに大きく影響するデュレーション。

デュレーション次第でノリが驚くほど変わりますので、今日ご紹介した各種テクニックを参考に調整を行いながらグルーヴィーなベースサウンドを作り上げていきましょう!

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