ベースアレンジの基本④:オクターヴとコードトーンを使ったベースラインの動かし方
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、動きのあるベースラインを作るための「オクターヴ」と「コードトーン」の活用法について解説していきます。
- ベースラインの動かし方4つのテクニック
- オクターヴの活用法と注意点
- コードトーンの活用法と注意点
これまでご紹介してきたルート弾きに手を加えて、躍動感のあるベースラインを作るためのテクニックをご紹介。
ベースラインを動かすための4つのテクニックと、そのうち「跳躍進行」を使った基本的なお作法をレクチャーしていきます。
アレンジ初心者でも比較的簡単に取り入れられるテクニックですので、ぜひご活用いただければ幸いです。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ベースアレンジの基本④:オクターヴとコードトーンを使ったベースラインの動かし方
ベースラインの動かし方4つのテクニック
これまではルート弾きを前提に解説を進めてきましたが、そこからさらに手を加えてより動きのあるベースラインを作ることもできます。
ベースの基本的な役割である「和音」と「リズム」の土台づくりという条件を満たしつつ、よりメロディアスで躍動感のあるベースラインに仕上げることはベースアレンジの醍醐味といってもよいでしょう。
ベースの動かし方には以下の4つのテクニックがあり、これらを組み合わせてベースラインを作ることができます。
- 跳躍進行の活用
- ① オクターヴの活用
- ② コードトーンの活用
- 順次進行の活用
- ③ コードスケールの活用
- ④ アプローチノートの活用
① オクターヴの活用
② コードトーンの活用
③ コードスケールの活用
④ アプローチノートの活用
4つのテクニック複合ワザ
なお、上記4つのテクニックのうち、①と②は跳躍進行を用いたテクニック、③と④は順次進行を用いたテクニックとなります。
今回は、そのうち跳躍進行を用いたテクニックについて解説していきます。
ベースラインの動かし方①:オクターヴの活用
動きのあるベースラインを作る上で最も基本となるのがオクターヴの活用です。
ルート弾きという大原則を維持したまま動きを取り入れることができるので、ベースアレンジ初心者にもオススメのお手軽テクニックですね。
オクターヴを取り入れる場合は、シンプルにルート弾きで使うベース音とそのオクターヴ上の音を使えばOKです。
構成音こそ単純ですが、リズムパターンを変えるだけで様々なベースラインに進化させることもできます。
いくつかのバリエーションを用意したので聞いてみてください。
パターン①:8ビートディスコ風
パターン②:8ビートファンク・ポストディスコ風
パターン③:16ビートファンク風
ノートの長さの調整、休符、シンコペーションなど、各種リズム付けのお作法を活用するだけでも無限のバリエーションが作れることがおわかりいただけると思います。
リズム付けのお作法については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご活用ください。
オクターヴを使用する際の注意点
オクターヴを活用する以上、上の音はどうしてもベースらしい音域を逸脱することが多くなります。
ですから、下の音は必ず適切な音域内におさまるよう設定しましょう。
これまでもお話してきた通り、4弦ベースのレギュラーチューニングならば「E0」〜「E1」が基本となります。
ただし、「E1」の音はすでに「E0」のオクターヴ上となっていますので、実質的には「E0」〜「Eb1」までを基準音として考えるのがよいですね。
もちろん、一時的なものであれば高い音域を使うことも問題ありませんが、その場合はあくまでオカズ的な使い方にとどめておく方が無難です。
基本は「E0」〜「Eb1」までの音を基準に、そこからオクターヴ上の音を組み合わせていきましょう。
ベースラインの動かし方②:コードトーンの活用
次に、コードトーンの活用法についてみていきましょう。
ベースラインでは、ルート意外のコードトーンをラインに組み込むこともできます。
例えばコード「C」ならば以下の3音が使えるということです。
- ルート:「C」
- 第3音:「E」
- 第5音:「G」
さらに、テトラッド(4和音)ならば、第7音も使うこともできます。
例えばコード「G7」ならば以下のノートが使用可能です。
- ルート:「G」
- 第3音:「B」
- 第5音:「D」
- 第7音:「F」
このように、コードに含まれる各種ノートは全てベースラインの音として採用することができます。
これらを組み込むと、以下のようなベースラインを作ることができます。
パターン①:8ビートロック風
パターン②:8ビートファンク・ポストディスコ風
パターン③:16ビートファンク風
コードトーンを使用する際の注意点
コードトーンを使用する際にも2つほど注意点があります。
- コードチェンジ直後は必ずルートを演奏すること
- コードトーンの優劣を考えて取り入れること
コードチェンジ直後は必ずルートを演奏すること
コードチェンジが行われた時、最初の音は必ずルートを演奏しましょう。
例えば「G7」のコードに変わった瞬間ならば必ずルートである「G」を演奏するということですね。
もし第3音である「B」を演奏してしまったら、聞こえてくるサウンドは「G7」ではなく「G7/B」という分数コードになってしまい、コードの意味が変わってしまうからです。
これではせっかくコードを「G7」としている意味がありませんよね。
ですから、コードチェンジ直後は必ずルートを演奏しましょう。
コードトーンの優劣を考えて取り入れること
コードトーンを使うことで、最大4音まで選択肢が増えることになります。
ただし、これらの4音の力関係は対等ではないことを覚えておきましょう。
以下の順番でコード感が曖昧になっていきます。
「ルート」→「第5音」→「第3音」→「第7音」
主音であるルートはコード感がはっきり出ることはいうまでもありませんが、そこから第5音、第3音、第7音の順にコードとの親密度が下がっていきます。
とくに第3音や第7音をベースに取り入れるとコード感が曖昧なサウンドになってしまうので、これらの音は使用頻度を上げすぎないよう注意しましょう。
基本的にルート以外の音は、各ルートの合間合間にさりげなく入れるとまとまりやすくなります。
まとめ
というわけで、動きのあるベースを作るためのテクニックのうち、オクターヴとコードトーンの活用法について解説しました。
いずれもコードの構成音を使った音づかいであるため、楽曲との親和性を損ねることなくダイナミックな動きを実現できるテクニックです。
記事中でご紹介した注意点をしっかりと守りながら、効果的に使えるようトレーニングしていきましょう!
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