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フューチャーベースのFX(効果音・SE)パート制作手順とテクニック!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、フューチャーベースのFXパート制作のテクニックについて解説します。

  • 主要なFX素材の種類
  • FX素材の選定
  • FX素材の加工方法

FXとは「効果音」のこと。(英語では「Sound Effects」、略して「SE」と言ったりもしますね。)

昨今のポップスやEDMではもはや欠かせない要素となったFXパートですが、あらゆるパートの中でも最も自由かつセンスの問われるパートでもあります。

上手に使いこなすことで、楽曲がよりいっそう印象的でアグレッシブな仕上がりに変化しますので、そのテクニックを存分に学んでいきましょう!

※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!

データのダウンロードはこちら

こちらの楽曲のパラデータをダウンロードできます。

 

フューチャーベースのFX(効果音・SE)パート制作手順とテクニック!

フューチャーベースのFX(効果音・SE)パート制作手順とテクニック!

主要なFXパート

一般的に、音楽で使用するFXパートは以下の3つに分類されます。

  • ライザー系
  • ヒット系
  • その他

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ライザー系FX

その名の通り「上昇」するようなサウンドを持つFX

次のセクションの頭に向けて貼り付けることで、楽曲のテンションをバク上げしてくれます。

EDMでは、ビルドアップ部分のテンションを高めるためにも大活躍です。

ライザー系の一種として、リバースシンバルやリバースピアノなど、一般的な楽器をリバースさせたサウンドを用いることもあります。

ライザー系FXの例

ヒット系FX

その名の通り、「ドーン!」「ジャーン!」といったヒット音を持つFX

セクションのド頭に貼り付けることで、より迫力のある楽曲に仕上げることができます。

ヒット系FXの中でも、迫力のある激しいアタックを持つサウンドを「インパクト」と呼ぶことも多いようです。

広い意味では、クラッシュシンバルなどもこの「ヒット系」に属すると考えてよいでしょう。

ヒット系FXの例

その他

「ライザー系」にも「ヒット系」にも属さないFXもあります。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • アナログレコードのスクラッチ音
  • テクスチャー的シンセ音
  • 人の声
  • 風の音、時計の音などリアルな効果音
  • その他諸々

これらは、楽曲中どこでも自由に使用することができます

どこにどう配置するかはあなたのセンス次第!

必要に応じて、様々な効果音を試してみるのも面白いかもしれませんね!

FX素材の選定

つぎに、素材の選定方法を見ていきましょう。

FX素材は主に以下の2種類の方法で選定していきます。

  • シンセから探す
  • オーディオ素材から探す

 シンセから探す

シンプルに、お手持ちのシンセの中から探していくのが最も手っ取り早いと思います。

MASSIVEにしてもOMNISPHEREにしても、FXカテゴリに分類される音色はたくさん入っていますので、まずは楽曲の雰囲気にマッチしたものを選んであてがってみると良いでしょう。

MASSIVEの場合

OMNISPHEREの場合

また、RISE&HITのようにFXに特化した音源もリリースされています。

Native Instruments「RISE&HIT」

このようなシンセを使用することでFX選びをスムーズに進められますね。

 オーディオ素材から探す

もちろん、オーディオ素材から探すのも常套手段です。

ぼくの場合、MASCHINEに収録されているワンショット系FXを、そのままオーディオデータとして貼り付けてしまうことも多いです。

後述しますが、FXの加工は一度オーディオ化してしまった方がラクチンだったりもするので、最初からオーディオになってくれている素材はありがたいですね。

もちろん、市販の効果音素材を購入しても良いでしょうし、Splice Soundなどの素材サイトから選ぶのも良いでしょう。

FX素材の加工方法

素材の選び方もわかったところで、FX素材の加工方法について解説していきます。

FX素材の加工方法は以下の3つです。

  • 波形編集で加工する
  • エフェクトで加工する
  • シンセと併用する

 波形編集で加工する

やはり、この手の素材を加工する上で波形編集は非常に効果的

不要な部分を切り取る、フェードをかける、リバース(逆再生)するなど、波形編集を使うことで加工が楽になります。

とくにライザー系の場合、MIDIだけでプログラムしようとすると

  • どこからフェードインさせるのか?
  • どこで音を切るのか?

といった細かいコントロールが難しかったりしますが、一度オーディオにしてしまえば非常に簡単です。

FXは積極的にオーディオ化して、細かい部分までエディットできる状態を作ってしまいましょう。

 エフェクトで加工する

FXに対して、さらにエフェクトプラグインを使って音を加工することもよくあります。

例えば、今回の教材曲の冒頭で再生される「ドーン」というキックのインパクトは、通常のキック素材に深いリバーブをかけて作っています。

キックのインパクトFXに使用したWaves「Rverb」

元の素材

エフェクト適用後

エフェクトを活用した素材の加工方法は以下のようなものが考えられます。

元の素材と組み合わせるエフェクトによって様々な効果が作り出せますので、ぜひチャレンジしてみてください!

 シンセと併用する

効果音単体ではなく、シンセと併用することでよりアグレッシブな効果を得ることもできます。

例えば、冒頭のキックのインパクトでは、シンセベースのグリッサンドと合わせることでよりディープなサウンドに仕上げています。

キック単体

シンセベースと併用

また、ビルドアップ部分のライザーでは、ノコギリ波のシンセも一緒に音程を上昇させることでドロップへの期待感をより強く煽る工夫をしています。

ライザー単体

ノコギリ波シンセと併用

このように、FXとシンセを組み合わせることで、その効果を強調したり印象的なサウンドを作ったりすることができます。

ぜひ試してみてください!

 

まとめ

というわけで、FXパートの制作手順&テクニックを解説しました。

FXパートがなくても楽曲は成立しますが、FXが入ることでさらに印象的な仕上がりになることはいうまでもありません。

どんな素材をどこにあてがうのか?

その試行錯誤によってどんどんFXづかいが上達していきますので、今日の記事を参考にどんどんチャレンジしてみてください!

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