ジャンル別エレキアレンジ⑤:ディスコ・ファンクのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、「ディスコ・ファンク」におけるエレクトリックギターのアレンジと打込みテクニックについて解説していきます。
- ディスコ・ファンクとは?
- ディスコ・ファンクの特徴
- ディスコ・ファンクのバッキングパターン
- 各種打込みテクニック
これまでご紹介したジャンルとはうってかわって、クリーントーンによるリズミカルな演奏が特徴のジャンル。
ド派手なプレイこそ見られませんが、楽曲のグルーヴ感を演出する上でギターが重要な役割を占めています。
その特徴を理解して、ファンキーなギターサウンドをマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ジャンル別エレキアレンジ⑤:ディスコ・ファンクのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!
ディスコ・ファンクとは?
1960年代、アフリカ系の黒人音楽を源流に誕生したファンク。
16ビート主体のリズム、ギターのカッティング、ラテンパーカッションの多用など、リズム感に大きな特徴を持つジャンルです。
ソウルやファンクなどの黒人音楽は「ブラックミュージック」として人気を博しますが、その後の70年代後半にはディスコブームが到来。
よりスタイリッシュでダンサブルなディスコミュージックが世界的に流行します。
そのブームは人種やジャンルの垣根を超え、白人アーティストによるディスコソングのヒットにはじまり、キッス、ローリングストーンズといったロックバンドまでもがディスコリズムを取り入れた楽曲を次々に発表したほどでした。
近年では洋楽でディスコビートがリバイバルしており、Bruno Mars、Daft Punk、Dua Lipaなど、70sのディスコ・ファンク要素の強い楽曲がヒットし再注目されています。
例によって、ディスコ・ファンクサウンドの代表曲をご紹介していきます。
ここでは主に、ギタープレイにディスコやファンクの要素が色濃く出た楽曲を幅広い年代から集めてみました。
『Le Freak』シック
『Stayin’ Alive』ビージーズ
『Get Luckey』ダフト・パンク(ft. Pharrell Williams, Nile Rodgers)
『Lunch Time』コリー・ウォン
ディスコ・ファンクの特徴
ここからは、ディスコ・ファンクの音楽的特徴を解説していきます。
ディスコ・ファンクギターの特徴
ディスコやファンクは、ロックのようにギターが主役として踊りでる音楽ではありません。
しかしながら、カッティング主体のリズミカルなプレイは、ドライブ系ギターとはまた違ったスタイルとして確立されているといって良いでしょう。
また、カッティング以外にも単音でのミュートプレイやリフなど、メロディーやコードをがっつり演奏するというよりは、リズムに重きを置いたプレイが大半を占めています。
このような特徴から、音色についてもクリーンで歪みのないサウンドが中心で、リズムの粒立ちが見えやすいものが好まれます。
ディスコ・ファンクのサウンドメイク
前述の通りクリーン系のサウンドが中心で、歪ませることはほとんどありません。
アンプはFender系のクリーントーンで、ペダルタイプのコンプもよく使われます。
ギターそのものも、よりシャープな音が出せるシングルコイルのストラトキャスター、テレキャスターがよく使われる印象です。
今回は、Guitar RigのTwin AmpとStomp Compressorを使って音作りしてみました。
ギターはストラトのハーフトーンです。
なるべく歪まないようVolumeは低めに設定。
さらに、キャビネットはより歪みが少ないと感じたTweed Delightを選択しました。
使うギターにもよりますが、BASSは上げ過ぎずシャープさを重視した音作りが良いでしょう。
Guitar Rig の設定
サウンド(ストラト ハーフトーン)
ディスコ・ファンクのアレンジパターン
ここからは、ディスコ・ファンクにおけるエレキギターのバッキングパターンを2つご紹介していきます。
パターン①
音源
音源(ギターのみ)
パターンの特徴
ビージーズのような往年のディスコソングで使われた単音リフをイメージしました。
音遣いはペンタトニックのみ、リズムのキレを重視したシンプルなフレーズを目指すとよいでしょう。
ここではテレキャスター系音源のリアピックアップを使用。
トレブリー感を抑えるためアンプシミュレーターの前にEQをインサートし、6.8kHzから上をカットしてあります。
また、アナログのレンジの狭さを表現すべく90Hz以下をローカット、さらにサウンドの太さをプラスするために500Hz付近をブーストしてみました。
打込みのポイント
リズムの正確さが求められるジャンルなので、発音タイミングはそこまで大きくズラしていません。
その代わり、デュレーションにこだわってみましょう。
音の長さが変わるだけでグルーヴは大きく変化します。
それぞれのノートのデュレーションをランダマイズ、さらにハンマリング以外の部分はスタッカート気味に短く調整しています。
また、ミュートやブラッシングの音も各所に散りばめました。
ミュート音は音の切れぎわを中心に、ブラッシング音は休符部分を中心に(一部音の切れぎわにも)入れてあります。
ミュートやブラッシングを入れることの目的は、8分のフレーズの中にさりげなく16ビートらしいグルーヴを付加すること。
本物のギタープレイに似せることよりも、いかに16ビートらしいノリが出せるかの方が重要です。
ギタリストが入れなそうなタイミングであっても、聞こえが良ければOKとしましょう。
パターン②
音源
音源(ギターのみ)
パターンの特徴
往年のファンクで聞かれるカッティングに、コリー・ウォンのようなテクニカルなフレーズを混ぜてみました。
今回は2本のパートを左右に振ってステレオで演奏しています。
譜面のとおり両者は全く同じプレイではなく、音域を分けたり、一部のフレーズをハモらせたりと違いを出しました。
いずれもテレキャスター系の音源を使っていますが、片側はリアピックアップ、片側はフロントピックアップで、音色にも差をつけています。
カッティングではフロントピックアップやハーフトーンが好んで使われますが、今回使用した音源にはハーフトーンのサンプルが無かったため、リアを使った形です。
もしお手持ちの音源でハーフトーンを再現できるものがあれば、それを使うと良いでしょう。
サウンドメイクについてはパターン①とほぼ同じですが、トレブリーさは残したかったのでハイカットは8.3kHz以上で控えめに入れています。
コードとスライド
ギタリストは「E7」のコードを抑える際、手クセで「F#」の音を混ぜて「E9」として演奏することが多いため、そちらを再現しています。
また、各小節冒頭の半音スライドや3拍目ウラにみられる全音スライドは、ブラックミュージック系のジャンルで多用されます。
今回のようなファンキーなフレーズには積極的に取り入れてみると良いでしょう。
このとき、スライド時の音程がスケールアウトしないよう、和音の構成音によって半音ないし全音のスライドを使い分けることが重要です。
打込みのポイント
基本的には、「エレキギターのバッキング打込みテクニック」の記事で解説した「ファンク系カッティング」にならって打込んでいただければOKです。
スライド部分は、いずれもピッチベンドで打込むと良いでしょう。
ブラッシング部分は、ダウン/アップでサンプルを分けたり、ベロシティやタイミングをズラすことでより人間らしい演奏になります。
また、16分音符単位で軽くスウィングさせるのもオススメです。
ブラッシングはハデな音でないためオケに埋もれがちな音ですが、楽曲全体のグルーヴを司る重要な要素なので丁寧に打込みましょう。
まとめ
というわけで、ディスコ・ファンクのアレンジ&打込みテクニックについて解説しました。
クリーンなサウンドによるカッティングや単音リフが特徴のジャンルでしたね。
とにもかくにもグルーヴ感が重要になるジャンルですので、さまざまな楽曲を聴きながら心地良いグルーヴを作り出せるよう研究してみてください!
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