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ジャンル別エレキアレンジ④:ヘヴィメタルのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

今日は、「ヘヴィメタル」におけるエレクトリックギターのアレンジと打込みテクニックについて解説していきます。

  • ヘヴィメタルとは?
  • ヘヴィメタルの特徴
  • ヘヴィメタルのバッキングパターン
  • 各種打込みテクニック

ヘヴィメタルは、ロックが多様な変化を遂げていくなかで、より激しくテクニカルな演奏を求めて進化した音楽です。

ロック同様非常に幅広いジャンルである一方、音楽的な特徴をおさえることで習得、再現がしやすいジャンルであるともいえます。

今日の記事を参考に、そのエッセンスをしっかり学んでいきましょう!

 

ジャンル別エレキアレンジ④:ヘヴィメタルのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!

ジャンル別エレキアレンジ④:ヘヴィメタルのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!

ヘヴィメタルとは?

その起源は諸説ありますが、一般的に「ヘヴィメタル」という言葉が定着したのは1979年以降。

「NWOBHM(ニューウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)」というムーブメントがきっかけで火がつき、アイアンメイデンなどが代表的なバンドとして活躍しました。

それまでのハードロックと比べて、より速いスピード、より強く歪んだギター、テクニカルな演奏、ハイトーンのボーカル、ツーバス(バスドラムを2つ並べて両足で叩くスタイル)の連打など大きな特徴があります。

同時期にはアメリカでヴァン・ヘイレンがデビューし、右手を使った「ライトハンド奏法」などの革新的なギタースタイルでアメリカンハードロックを牽引しました。

その波は西海岸に広がり、長髪にスタイリッシュな衣装、ハードでキャッチーなサウンドを備えたLAメタルと呼ばれるジャンルが生まれ、多くのバンドが隆盛を極めます。

80年代後半には、メロディよりも速さや激しさを強調したスラッシュメタルと呼ばれるジャンルが台頭し、メタリカ、スレイヤーといったバンドが活躍。

90年代には音楽の流行が様変わりして、80sのハード〜メタル系は一気に「古い音楽」と見なされてしまいますが、コーン、スリップ・ノットらニューメタル勢の活躍で再び人気ジャンルとなります。

以降はシンフォニックメタルやメタルコアなどに細分化。

多くのミクスチャー的なメタルサンドのバンドが活躍し、今でも根強いファンが多いジャンルです。

以下に何曲かメタルらしい曲を紹介しますが、セールスや知名度だけでなく、”ヘヴィメタルらしいギターが聴ける楽曲”という観点で選ばせて頂きました。

『Aces High』アイアン・メイデン

『Queen Of The Reich』クイーンズライク

『ISLAND IN THE SUN』アルカトラス(イングヴェイ・マルムスティーン)

『Psychosocial』スリップノット

ヘヴィメタルの特徴

ここからは、ヘヴィメタルの音楽的特徴を解説していきます。

■ ヘヴィメタルギターの特徴

ハードロックとの境界が曖昧ではありますが、以下の3つが大きな特徴となります。

  • より強く歪んだサウンド
  • 高速で弾くアグレッシブなプレイ
  • ダウンチューニングによる重々しいサウンド

ヴァン・ヘイレン以降のギタリストの必須テクニックとなったライトハンド(タッピング)やアーミング、ピッキングハーモニックスなどを織り交ぜたテクニカルな速弾きや、ダウンチューニングを用いたヘヴィなサウンドは往年のハードロックとは一線を画したスタイルといえます。

なお、各種奏法、ダウンチューニングの詳細については、以下の記事をご覧ください。

■ ヘヴィメタルのサウンドメイク

ロックのサウンドメイクではMarshallのアンプが活躍しました。

一方、ヘヴィメタルのギタリストたちはMarshallを使うこともありましたが、より強く歪むよう改造したり、Mesa/BoogieEVH 5150など、より強く歪むアンプを好む傾向が強くなります。

今回は、Guitar Rigの「Gratifier(Mesa/Boogieのシミュレート)」と、Paul Reed Smith Custom24のリアピックアップを使ってサウンドメイクしてみました。

Gratifierには「CLEAN」「RAW」「VINTAGE」「MODERN」と4種類の設定がありますが、最も現代的な歪みが出せる「MODERN」を選択しましょう。

ドライブ(GAIN)は13時くらい、EQはトレブル、プレゼンス全開、ベース上げ目、ミドル下げ目でドンシャリな歪みを作ります。

ブースターは80年代のハード系ではよく使われたRATをシミュレートしたCATを使い、硬質な音を作ります。

ドンシャリでヘヴィなサウンドながら低音の輪郭もしっかりした現代的なハイゲインサウンドですね。

ハムバッカーでもとくにパワーのあるギターを使うと相性も良いと思います。

Guitar Rig の設定

サウンド(Custom24 リアピックアップ)

ヘヴィメタルのアレンジパターン

ここからは、ヘヴィメタルにおけるエレキギターのバッキングパターンを3つご紹介していきます。

■ パターン①

音源

音源(ギターのみ)

パターンの特徴

オジーオズボーンなど、80年代に流行したテクニカルでキャッチーなヘヴィメタル曲のリフをイメージしました。

左右ステレオでユニゾンになっていますが、ステレオ感を強めるため以下のような形で左右のアンプを変えています。

  • 左:前述の解説どおりのGratifier
  • 右:Gratifierをベースにメタルに特化してカスタマイズされたRamfier

ギターは、レスポール系の音源をレギュラーチューニングで使用しました。

激しく歪ませるメタルではパワーコードが基本となりますが、スラッシュメタル登場前のこの時代には比較的メロディアスなフレーズも使われます。

その際、3度の和音や分数コード等、キャッチーな音使いが見られるのも特徴です。

ロックに比べ16分音符でのブリッジミュートやピッキングハーモニックス、アーミングなどもよく使われます。

打込みのポイント

アーミングはピッチベンドで、ピッキングハーモニクスは音源に収録されたアーティキュレーションを使って打込みました。

ピッキングハーモニクスについては、専用のアーティキュレーションの音のみではリアルに表現できなかったこともあり、別トラックで実音を小さく混ぜています。

このように、1本のギターを複数のトラックに分けて打込む場合には、「ブルースのアレンジと打込みテクニック」のパターン①同様、メイントラックと別トラックでグループを組んだ上でアンプシミュレーターをかけるようにして下さい。

またピッキングハーモニクスやアーミングなど特徴的なサウンドは、左右のトラックでデータが似過ぎていると不自然になります。

そのため、ハーモニクス/実音の位置や、ベンドのタイミングなど、意図的に左右で変化をつけました。

■ パターン②

音源

音源(ギターのみ)

パターンの特徴

80年代末〜90年台初頭のスラッシュメタルをイメージしています。

パターン①と比べると、メロディ要素よりもスピードや激しさを重視したパターンであることがお分かりいただけると思います。

サウンドメイクはパターン①とほぼ同じなのですが、より強く歪ませているのとチューニングをドロップDに下げています。

音遣いの特徴としては、「Dm」のキーに対して「Eb(b9)」「Ab(b5)」といった不安感を煽るような音をプラスしています。

70年代のハードロック時代から悪魔的な音階として使われてはいましたが、スラッシュメタル以降はこのジャンルの特徴的な音として多用されるようになりました。

手軽に近年のメタルの雰囲気を出しやすい音ですので覚えておくと良いでしょう。

打込みのポイント

全てダウンストロークの8ビートですので特段難しいところはないと思います。

これまで同様、和音の部分はタイミングをずらし、実音とブリッジミュートの音色をキースイッチなどで切替えながら打込みましょう。

ベロシティは強めを基本にランダムにズラしています。

■ パターン③

音源

音源(ギターのみ)

パターンの特徴

ニューメタル以降、とくに2000年代以降のメタルコア系のバンドの音をイメージしています。

Guitar Rigなどの設定はパターン②と同じですが、ドロップCというかなり低いダウンチューニングのためメタル系専用のギター音源を使いました。

この時代になるとドロップチューニングのみならず7弦ギターもよく使われますので、一般のギター音源では音域が足りない可能性もあります。

より低音域が出せる音源を選ぶと良いでしょう。

パターン②同様「b9」の音が特徴的ですが、4小節目の3〜4拍目のようにアラビア音階(長3度から短2度への1音半進行)なども使われ、より妖しい雰囲気を醸し出しています。

打込みのポイント

原則として実音部分は強めのベロシティで打込みます。

ブリッジミュートでのルートの連打部分などは、機械っぽくならないようベロシティをランダムに調整しましょう。

1小節目4拍目のアウフタクトの音は強めのビブラートをピッチベンドを使って入力していますが、ここはかなり大きな音程変化(半音超え)で打ってあります。

時代を追うごとに速弾きがしやすい細い弦が好まれた背景もあり、このような大袈裟なビブラートもメタルらしさの一因といえます。

まとめ

というわけで、今回はヘヴィメタルのアレンジと打込みテクニックについて解説しました。

メロディアスなものもあれば、ダークな雰囲気を醸し出しているものもあったりと、さまざまな表情を見せるメタルギター。

今日ご紹介したようなフレーズやサウンドは、意外にもJ-POPやアニソンの中でも聞くことが出来ます。

さまざまな楽曲を聴きながら、メタルらしいフレーズを探してみるのも楽しいと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください!

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