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リードギターアレンジ⑤:メロウ系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

ギターカリキュラム最後の記事となる今回は、「メロウ系リードギター」のアレンジと打込み、サウンドメイクについて解説していきます。

  • メロウ系リードギターの名演
  • メロウ系リードギターのアレンジ、サウンドメイク
  • 各種打込みテクニック

極上のクリーントーンから繰り出されるメロウで色っぽいサウンドは、シュレッドギター のような派手さこそないものの、リードギターのもう1つの魅力ともいって差し支えないでしょう。

今日は、そんなメロウ系リードギターの各種テクニックをご紹介していきますので、バッチリ学んでいきましょう!

 

リードギターアレンジ⑤:メロウ系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

リードギターアレンジ⑤:メロウ系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

メロウ系リードギターの名演

メロウ系リードギターとは、スムースジャズ〜ネオソウルなどで用いられるアダルトでお洒落なリードギターを想定しています。

クリーン系リードギター同様クリーントーンを基調としたものではありますが、その雰囲気は大きく異なります。

主に、以下の3点が大きな特徴です。

  • 極上の甘いクリーントーン
  • ジャズ、ソウル等から影響を受けたお洒落な音遣い
  • 表情豊かで色気のあるプレイ

上記のようなメロウ系リードギターの特徴が良く出ている楽曲をいくつか選びましたので是非お聞きください。

①『Still In Love』Isaiah Sharkey



②『Chill Guitar Improvisation』有賀教平



③『Feel Like Makin’ Love』宮脇俊朗(ロバータ・フラックのカバー)



D’angeloのサポートなどで名を馳せたギタリストIsaiah Sharkey、日本のネオソウルギターの第一人者である有賀教平氏、数々の教則本やDVDなどで有名な宮脇俊朗氏の3名をチョイスしました。

三者三様の個性が感じられますが、それぞれ素晴らしいトーンで表情豊かなプレイを聞かせてくれますね。

どの演奏もメロウ系リードギターの特徴を余す所なく表現した素晴らしい名演だと思います。

メロウ系リードギターのアレンジ、サウンドメイク

ここからは、メロウ系リードギターのアレンジ&打込み例を解説していきます。

今回は1曲のデモにさまざまな要素を盛り込んで解説していきます。

■ ネオソウル 風リードギター

音源

音源(リードギターのみ)

サウンドメイク

まずはサウンドメイクから見ていきましょう。

メロウ系ではギターのナチュラルなトーンを活かすため、エフェクターでの派手な加工はせず、アンプに直差ししたようなクリーンサウンドを意識しましょう。

今回は、以下の点を意識して音作りしてみました。

  • 太くて甘いクリーントーン
  • ピッキングのニュアンスが出やすい
  • 十分な音圧がある

ギターはレスポール系の音源を使いたかったのですが、手持ちの音源ではサウンドが重くキレが悪かったため、シングルのテレキャスター系音源のフロントピックアップを使いました。

ソフトウェア音源を使う場合、王道のセッティングが必ずしもバッチリはまるわけではありませんので、お手持ちの音源をいろいろ試しながら求めるサウンドに近しいギターを選ぶとよいでしょう。

アンプは GuitarRigの「Twang Reverb」をチョイス。

アンプ前段には、倍音や甘さを加えるための「Gain Booster」と、アタックやサスティンを稼ぐためのコンプStomp Compressor)をインサートしました。

ブライトスイッチはオンにしつつトレブルはかなり低めに設定、ミドルはしっかり上げてまろやかさと太さを作っています。

テレキャスターの音をレスポールサウンドに近づけるべく、ハイのきつい部分を抑えつつこもらないよう調整した形です。

ベースは強すぎず弱すぎず、中くらいの設定でよいでしょう。

ボリュームは歪みすぎないギリギリのレベルを狙っています。

そのほか、DAW側でGuitarRigの前段にEQをインサートし、100hz以下をローカット、3.5khz辺りを大きくカット、1.5khzをブーストしてあります。

さらにリバーブやディレイのプラグインを深めにかけて完成です。

アレンジの特徴

このソロには以下のような特徴があります。

  • ダブルストップ(重音)が多く使われる
  • 強弱の差が大きい
  • チョーキングを使わない

なかでも最大の特徴といえるのが「チョーキングを使わない」こと。

これは、メロウ系リードギターがジャズからの影響を多分に受けているためです。

太い弦を使うジャズギターではチョーキングを使わないのが通例。

メロウ系では細い弦も併用するため全くチョーキングをしないわけではありませんが、ジャズテイストのお洒落なフレーズを作りたい場合はチョーキングしない方がそれらしくなるでしょう。

頭のフレーズは4度でのスライドを交えたダブルストップ(重音)です。

「ダブルストップ」=単音弾きやメロディ弾きの中で2音の和音で弾くこと。

ギターは多くの弦を完全4度間隔でチューニングするため、4度のダブルストップはとても弾きやすく、とくにこのジャンルでは多用されます。

1小節目4拍目のフレーズは、4度のダブルストップにはじまり、その後単音のハンマリング&プリングでブルーノート(b5th)を織り交ぜたフレーズとなっています。

このように、フレーズ頭をダブルストップにしたりブルーノートをさりげなく挿入することで、スムースジャズやネオソウルらしいフレーズになります。

2小節目後半の3連符での連続トリルは、先ほどもご紹介したDavid T. Walkerの代名詞的フレーズです。

ソロだけでなくバッキングでもよく使われ、その際はコードを鳴らしながらこのような3連トリルを混ぜる手法が用いられます。

3小節目のフレーズは、3度のダブルストップでコードトーンをスライドしながら転回させたもので、こちらもメロウ系の定番のフレーズとなっています。

4小節目1、2拍目のフレーズは、「C#m7」に対して11thの「F#」から9thの「D#」までレガートでの半音進行、続いて「D#」の半音上と半音下からのクロマチックアプローチになっています。

メロウ系ではこのような半音でのアプローチやテンションを感じさせる音使いがよく使われます。

4小節目3拍目で登場する「C#→D→C#」という刺繍音はスライドを使ってさりげなく演奏しますが、1小節目同様このようなブルーノートはサラッと瞬間的に混ぜ込むのがオシャレですね。

打込みのポイント

打込みについては、これまでに学んできた各種テクニックを総動員して打ち込めばOKです。(今回はベンド幅は±4で打ち込みました。)

特筆すべき点としては、ピッキングによる音色変化がこのジャンルの醍醐味なので、ほかのジャンルよりもベロシティの差をしっかりつけて打込むと良いでしょう。

発音タイミングについてはバックトラック同様シャッフル気味に打ち込みますが、常に完全なシャッフルではなく、フレーズによってストレートな16分に寄せたり、逆にシャッフルに寄せたりと、タイミングを変化させつつ気持ちの良い位置をさがしてみましょう。

例えば、2小節目後半の3連トリルは、3連ジャストよりもかなり突っ込んだタイミングにした方がそれっぽくなります。

また、3小節目のダブルストップによる3度のスライドは、16分ウラのタイミングを、最初はストレート寄りで打込んでおり、その後リフレインするに連れてシャッフル気味に変化させたり、ベロシティもランダムに変化させるなど工夫して生演奏らしさを表現しています。

スライドのタイミングも、上下パートで微妙にズラすとより良いですね。

オルタネイトピッキングに合わせ上下パートのタイミングをズラす、上パートの方がよく聞こえるようベロシティを強めにする、上下のパートでベンドの値が異なる場合はトラックを分けて打込むなど、基本を忘れずに丁寧に打込みましょうね!

最後は「G#」と「E」の2音でビブラートをかけますが、「G#」の方はしっかり目に、「E」の方は軽くかける形にしています。

これは、「E」を1弦、「G#」を3弦で弾くことを想定しており、テンション(=弦の張り)がキツい1弦はビブラートがかけにくく、逆にテンションの緩い3弦はビブラートがかけやすいため、必然的に「G#」の方が大きめのビブラートがかかるからです。

最後に、1小節目の4拍目などフレーズの隙間が開く箇所には、ミュートのアーティキュレーションを配置することでグルーヴ感が増します。

まとめ

というわけで、メロウ系リードギターのアレンジと打込みテクニックについて解説しました。

ジャズライクでムーディーなサウンドでお洒落な雰囲気が満載のメロウ系リードギター。

歪んだサウンドにはない独特の魅力をあなたの楽曲に取り入れるべく、バッチリマスターしていただければ幸いです!

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