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リードギターアレンジ③:クリーン系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

今日は「クリーン系リードギター」のアレンジと打込み、サウンドメイクについて解説していきます。

  • クリーン系リードギターの名演
  • クリーン系リードギターのアレンジ、サウンドメイク
  • 各種打込みテクニック

鈴の音のような美しいサウンドを持つクリーントーン。

ドライブ系に比べて出番は多くないものの、替えがたい魅力をもったギターサウンドです。

そんなクリーントーンを用いたリードギターの各種テクニックをご紹介していきますので、バッチリ学んでいきましょう!

 

リードギターアレンジ③:クリーン系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

リードギターアレンジ③:クリーン系リードギターのアレンジと打込みテクニック!

クリーン系リードギターの名演

ドライブ系の派手で伸びやかなサウンドに比べると、クリーントーンのリードギターはやや地味な印象を受けがち。

そのためか「名演」として取り上げられることはあまり多くないのですが、当然ながら伝説的ギタリストたちによる素晴らしい演奏はたくさん存在しています。

今回は独断と偏見で、その美しさを堪能できる名演をいくつかご紹介していきます!

①『Wonderful Tonight』エリック・クラプトン



ジミー・ペイジらと共に「三大ギタリスト」と謳われたエリック・クラプトンの名バラード。

こちらはクラプトンが最も脂が乗っていたころの1991年のライブパフォーマンスです。

スタジオ盤とは異なるアレンジで、伸びやかかつ感情豊かなソロを聴かせます。

ストラトキャスターのハーフトーンを用いた美しいクリーントーンで奏でるメロディアスなフレーズは、この曲のライブ演奏の中でも1、2を争う名演といえるでしょう。

②『Wicked Game』クリス・アイザック



甘い歌声に独特の色気と存在感を醸し出すシンガーソングライター「クリス・アイザック」による1989年の大ヒット曲。

イントロから印象的なリードギターを聴くことができますが、鈴の音のような美しいストラトサウンドに、シンプルで耽美なメロディ、アーミングを使った憂いに満ちたフレーズは大変印象的ですね。

こちらもクラプトン同様、ストラトキャスターのハーフトーンが用いられています。

ひかえめながらもクリーン系リードギターの名演として十分な魅力を持った演奏になっています。

③『The Boys Of Summer』ドン・ヘンリー



元イーグルスのドン・ヘンリーが、イーグルス解散後の1984年にリリースして大ヒットした楽曲。

こちらの使用ギターは不明ですが、パキッとした透明感のあるリアピックアップの音に、ペダルコンプ(おそらくMXR Dyna Comp)がかかったサウンドで哀愁のあるプレイを聴かせます。

リバーブや空間系の処理も秀逸で、西海岸っぽいクリアなギタートーンをベースにしつつも、エフェクトによる心地の良いサウンドが魅力ですね。

尺は短いながらも大変印象的なソロで、クリーン系の名演と呼ぶにふさわしい演奏でしょう。

クリーン系リードギターのアレンジ、サウンドメイク

ここからは、クリーン系リードギターのアレンジ&打込み例を2パターン解説していきます。

① 『Wonderful Tonight』風リードギター

音源

音源(リードギターのみ)

サウンドメイク

ライブバージョンでの『Wonderful Tonight』を意識したフレーズとなっていますが、純粋なクラプトンサウンドを追求するというよりは、汎用性の高いクリーンサウンドを目指してサウンドメイクしていきます。

ギターはストラト系音源のハーフトーン(フロント寄り)、アンプは Guitar Rigの「Twang Reverb」をチョイスしました。

クリーントーンはドライブによってサスティンを稼ぐことができないため、ソロで使う場合にはアンプ前段にコンプやブースターを挟んでサスティンを引き伸ばすことも多いです。

今回はGuitar RigのStomp Compressorをインサート。

コンプ側のボリュームを上げ目に設定しアンプに入力することで、クリーントーンでもゲインとサスティンを程よく稼ぐことができます。

さらにオケに埋もれにくくするために、DAWミキサー上でGuitar Rigの後にOPTコンプをインサートしボリューム感とパンチを与えています。

クリーンサウンドで音作りをする場合はアンプシミュレーターだけではパワー不足になることもありますので、DAWのプラグインも併用すると良いでしょう。

アレンジの特徴

このソロには以下のような特徴があります。

  • メジャースケール中心でペンタトニックは控えめ
  • 強弱の差を大きめにつける
  • 和音を奏でる箇所も多い

フレーズ大部分がシンプルなメジャースケール、それも順次進行多めで成り立っており、ロックらしさを醸し出すペンタトニックは控えめです。

サウンドや弾き方も相まってよりアダルトな雰囲気に聞こえますね。

また、クリーン系のサウンドはドライブ系に比べて強弱が付きやすくなるため、ダイナミックレンジを広くとるよう心がけましょう。

さらに、ドライブ系では濁ってしまう3度や6度のハモリを積極的に入れている点も大きな特徴ですね。

4小節目の6度のインターバルでアップを繰り返すフレーズは、複数の弦(この場合は2弦と4弦)にまたがって演奏するため和音を出しやすく、意図的に和音が響くよう演奏することも多くなります。

このような6度音程のフレーズはクリーン系ギターの常套手段で、ジョン・メイヤーの『Belief』のようなヒット曲の中でもよく使われますので覚えておくと良いでしょう。

『Belief』ジョン・メイヤー


打込みのポイント

基本的な部分は「リードギターの基本テクニックと打込み方法」を参考に、ピッチベンドやキースイッチを使いながら打込みましょう。

(今回もベンド幅は±4(±長2度)に設定してあります。)

クリーン系ならではのポイントとしては、やはりダイナミックレンジの広さを意識することでしょう。

1音1音の強弱差がしっかり出るよう、ベロシティを使って感情豊かなプレイになるよう調整します。

3小節目のハンマリングを伴う重音フレーズは、高音側は音程変化無し、低音側のみハンマリングという形になっていますので、トラックを分けて打込みましょう。

4小節目の6度のフレーズは、譜面通りの音価ではなくそれぞれの音が重なるように長めに打込むことで意図的に和音を鳴らしています。

最後のロングトーンは、和音を構成するそれぞれの音にピッチベンドでビブラートをかけます。

ビブラートの揺れ方は雰囲気こそ揃えるべきですが、人間が弾く場合は100%ぴったり揃うわけではないため、タイミングをわずかにズラすと良いでしょう。

② 『Boys Of Summer』風リードギター

音源

音源(リードギターのみ)

サウンドメイク

『Boys Of Summer』のようなリードサウンドは80年代のヒット曲でちょくちょく聴くことが出来ます。

LAのマイケル・ランドゥー氏、国内でも高中正義氏のようなスタジオ系ギタリストが好んで使いました。

ギターはハムバッカーでもシングルコイルでも構わないのですが、以下の2点を意識すると良いでしょう。

このデモでは、ギターはテレキャス系音源のリアピックアップ、アンプはGuitar Rigの「Twang Reverb」をチョイスしました。

コンプは先ほど同様Guitar RigのStomp Compressorを使っています。

アタック感とサスティンをより強くするため、ボリュームは13時方向、サスティンは長めに設定しました。

アンプのセッティングは、ほんのり歪みが得られるよう(軽いクランチ程度)ボリュームは4近辺に設定。

より透明感のあるサウンドにするためブライトスイッチをオン、キャビネットはTwang Reverbのものではなく「Jazz Amp」を選びました。

前曲同様、DAWミキサーのGuitar Rig後段にOPTコンプをインサートしてあります。

スタジオ系ギタリストっぽいクリアなサウンドに仕上がりましたね。

アレンジ、打込み

先ほどよりもペンタトニックよりのフレーズであるため、よりロック風のニュアンスを感じますね。

この曲でもちょくちょく音が重なり、2小節目の頭や3小節目4拍目などは瞬間的に和音が鳴っています。

ギタリストは無意識のうちに、歪み系では重音を避け、クリーン系では積極的に取り入れるという切り替えを行っています。

これはギタリストでないと判別しにくい部分でもありますが、やはり聞いていて気持ち良いか?気持ちよくないか?を基準に考えることが重要です。

何れにせよ、ドライブ系よりもクリーン系の方が重音は多くなる傾向にありますので覚えておくと良いでしょう。

6小節目のフレーズは普通のマイナーペンタトニックですが、8分ウラからフレーズが始まり、ウラ拍のみピッキングして、オモテはプリングやハンマリングなどピッキングをしない演奏になっています。

これを逆のタイミング(オモテでピッキング、ウラでプリングなど)にすると使い古されたロック的ペンタにしか聞こえないのですが、半拍タイミングをズラすことで、同じフレーズでもセンスの良いフレーズに聞こえるから不思議ですね。

是非リードフレーズを作る際の参考にしてみてください。

まとめ

というわけで、クリーン系リードギターのアレンジと打込みテクニックについて解説しました。

ドライブ系に比べて使用頻度は多くないとは思いますが、ポップスはもちろん、ファンクやジャズ、フュージョンなどにも幅広く応用可能なテクニックです。

今日の記事を参考に、その特徴とテクニックをマスターしていただければ幸いです!

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