ホーンセクションのMixテクニック!音量バランス、パンニング、エフェクト処理を学ぼう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ホーンセクションのMixテクニックについて解説していきます。
- ホーンセクションの音量バランス
- ホーンセクションのパンニング
- 各種エフェクトの基本処理
- より積極的な音作りの方法
など、より一層リアルで存在感のあるホーンサウンドを実現するMixテクニックをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
ホーンセクションのMixテクニック①:音量バランス
ホーンセクションは、
- トランペット
- トロンボーン
- サックス
の3種類の楽器で構成されていることは、ご存知のとおりですね。
このうち、トランペットとトロンボーンは、木管楽器であるサックスよりも大きな音を出すことができます。
実際の音量のイメージとしては
トロンボーン ≧ トランペット > サックス
※各楽器の音量を単体で見た場合には、トロンボーンが最も音量の大きな楽器ですが、アンサンブルの場合、トロンボーン奏者はトランペットに合わせて音量をコントロールするのが常ですので、ほぼ同じ音量と考えて問題ありません。
という形になります。
したがって、ミキシングの際の音量バランスも上記を意識しながら調整してあげましょう。
ホーンセクションMixテクニック②:パンニング
ホーンセクションの場合、各楽器の定位に関する厳密な決まりはありません。
ホーンセクションを構成するプレイヤーの人数や他のパートとの兼ね合いによって臨機応変に変わっていくものです。
したがって、今回は各編成におけるオーソドックスなホーンの定位について一例をご紹介していこうと思います。
ホーンセクションの定位
3管編成、4管編成
まずは3管編成、4管編成の基本配置について解説します。
3管編成ならば、まずTpを中心に据えた上で、両翼にSaxとTbを配置するのが一般的です。(SaxとTbは左右入れ替わっても構いません。)
4管編成ならば、Tp1をセンター寄りの左に配置した上で、最も左にTp2、右方はTp1に近い順にTb、Saxと配置します。(こちらもSaxとTbは入れ替わっても問題ありません。)
5管以上の大編成
5管以上の大編成の場合は、ブラスセクションとサックスセクションをそれぞれまとめて配置するのが一般的です。
左側にブラスセクション、右側にサックスセクションを配置するのが通例ですね!
これは、8管編成のようなさらに大きな編成になっても考え方は一緒です。
ビッグバンドの場合
ビッグバンドの場合は、配置がほぼ固定で決まっています。
- トランペット&トロンボーン:左から2nd、1st、3rd、4thの順に配置
- サックスセクション:左からT.Sax1、A.Sax1、ASax2、T.Sax2、B.Saxの順に配置
図を見ていただくとわかるかと思いますが、トランペット、トロンボーン、サックスの最高音パートがほぼステージ中央に位置するように配置していくわけですね。
これにより、バランスのとれたサウンドを実現することができます。
DAW上でのパンニング実践テクニック
DAWにおける実際のパンニング手順に関しては、ストリングスのパンニングでご紹介した以下の3種の手法がそのまま使えます。
- DAWのパナーを使う
- ステレオイメージャーを使う
- 音源の設定をいじる
こちらに関しては、ストリングスのミキシングテクニック解説記事で詳しくお話ししておりますので、そちらを合わせてご活用ください。
ホーンセクションのMixテクニック③:エフェクト処理
最後に、ホーンセクションのエフェクト処理について解説していきます。
音源の音をなるべく活かした基本テクニックのほか、より存在感のあるホーンに仕上げるための積極的な音作りについても解説していきます。
ホーンセクションのEQ
イコライジングの基本テクニック
ホーンセクションでも、一般的なイコライジングテクニック同様に
- 不要な音をカットする
- 必要な帯域をブーストする
という考え方に基づいて行えばオッケーです。
まずは各トラックに、無用な中低域の膨らみや高域の耳に付くピークをカットするEQをインサートし、不要な成分をカットしていきます。
余計な音をカットしてすっきりしたサウンドが出来上がったら、今度はサウンドにパンチを与えていきましょう。
1kHz〜2kHzあたりのミッドハイを持ち上げることで、音がしっかりと前にせり出したハリのあるサウンドなります。
また、8kHz〜の高域をプラスすればヌケ感も付与できますね。
積極的な音作り:EQやベースエンハンサーで中低域を補強
トランペットやトロンボーンのフォルテッシモでは、その大きな音量ゆえにサンプリング時に中低域が損なわれ、ペラペラしたサウンドになってしまうことがあります。
そんなときは、EQやベースエンハンサーで中低域を補強し、重心のしっかりとしたサウンドに調整してあげましょう。
ベースエンハンサーなし
ベースエンハンサーあり
ホーンセクションのコンプ
コンプの基本的なテクニック
ホーンセクションは、数ある編成の中でもとくにダイナミックレンジが広いため、適切なコンプ使いが重要になってきます。
まずは、各トラックにダイナミックレンジ調整用のコンプをインサートして、音量のバラツキを調整していきましょう。
サウンドに色付けをしたくなければデジタル系コンプを、逆に質感をプラスしたければアナログ系コンプをインサートするのがよいと思います。
ぼくが使用しているSample Modering社の音源は、音源の音そのままでは線の細いなサウンドのため、アナログ系コンプで色付けをしています。
積極的な音作り:サチュレーションをプラスしてさらにファットに
よりファットなサウンドがお好みであれば、真空管系コンプなどをバストラックにインサートして、サチュレーションをプラスしてあげましょう。
適度なヌケ感を維持しつつ、存在感のあるパワフルなサウンドに仕上げることもできます。
サチュレーションなし
サチュレーションあり
ホーンセクションのリバーブ
リバーブの基本テクニック
一般的なオーケストラ音源同様、センドでホールリバーブへ送ってあげればOKです。
ただし、オーケストラほどウェットなサウンドにしすぎてしまうと、パキっとしたホーンの輪郭が失われてしまいますので、やや軽めにかける程度が良いでしょう。
また、より華やかな印象に仕上げたい場合は、プレートリバーブなどを使うのも一つの手です。
より積極的な音作り:ルーム感をプラスする
元の音源があまりにもドライすぎる場合は、ホールリバーブへ送る前にルームリバーブを使って部屋の質感をプラスしてあげましょう。
例えば、Sample Modeling社のブラス音源は無響室でサンプリングされていることもあり、極端にドライなサウンドになっています。
いうなれば、極めて楽器に近いところに立てたオンマイクのみのサウンドが収録されているイメージです。
ですから、オフマイクに該当するようなルーム感のあるサウンドをリバーブを使ってプラスしてあげるのが効果的です。
手順として以下の通りです。
- ルームリバーブをインサートしたAuxトラックに、原音をセンド
- 原音とルームリバーブの音をまとめてバスに送る
- バスからホールリバーブへセンド
これにより、ドライな原音とルーム感のあるリバーブ音を好きなバランスでブレンドすることができます。
サウンドが格段に豊かになるほか、ホールリバーブの乗りも良くなりますので、必要に応じて取り入れてみてください!
ルームリバーブなし(完全ドライ)
ルームリバーブあり
ルームリバーブ+ホールリバーブ
まとめ
というわけで、ホーンセクションのミックステクニックについて詳細を解説しました。
適切なバランス、パンニング、エフェクト処理をマスターすることで、打込みサウンドがより一層リアルで存在感のあるものへと生まれ変わります。
ぜひ今日の記事を参考に、クォリティアップを図ってみてください!
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