楽曲の優雅さが格段にアップ!ジャズ・ワルツのストリングスアレンジテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ジャズ・ワルツのストリングスアレンジテクニックについて解説していきます。
- ジャズ・ワルツにおけるストリングスアレンジの基本
- ストリングスアレンジ4つの手順
優雅な雰囲気を醸し出すジャズ・ワルツには、同じく優雅なサウンドで楽曲を盛り上げるストリングスがぴったり。
ストリングスアレンジの5つの型の中から、ジャズ・ワルツに適した型をピックアップしながらご紹介。
バンド編成おけるストリングスアレンジ手順をガッツリ解説していきますので、ぜひご活用ください!
※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!
今回の教材曲:プロスペロー『MOB 〜この街のありふれた一人〜』
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
楽曲の優雅さが格段にアップ!ジャズ・ワルツのストリングスアレンジテクニック!
ジャズ・ワルツにおけるストリングスアレンジの基本
まずは、ジャズ・ワルツにおけるストリングスアレンジの基本を押さえて行きましょう。
以下の3点が特徴です。
- メロディを主体とした対旋律中心のアレンジ
- ユニゾン型(&ブロックコード型)、デュアルオブリガート型が主体
- ジャズのボイシングを使用
それぞれ詳しく解説してきます。
メロディを主体とした対旋律中心のアレンジ
バンド編成のストリングスでは、メロディの演奏に重きをおいた対旋律中心のアレンジが王道です。
というのも、ピアノやギターなどコード楽器が充実しているので、わざわざストリングスで和音を演奏する必要がないんですね。
ですから、ストリングスはメロに特化したアレンジ形態をとるのがオススメです。
バンド楽器と役割分担することで、すっきりと説得力のあるアレンジに仕上がります。
ユニゾン型(&ブロックコード型)、デュアルオブリガート型が主体
旋律に特化したストリングスといえば、ユニゾン型とデュアルオブリガート型アレンジでしたね。
いずれも、ストリングスには和音の要素を持たせず、メロディを演奏することだけにフォーカスしたアレンジの型でした。
また、ユニゾン型の発展系として、ブロックコード型も非常に相性が良いです。
ブロックコード型は、1つの旋律を4パートで豪華にハモリながら演奏する型。
メロディを演奏しつつ、より華やかなサウンドに仕上げることができます。
それぞれの型の詳細とアレンジ手順について詳しく知りたい方は、ストリングスカリキュラムで丁寧に解説しておりますのでぜひご活用ください。
ジャズのボイシングを使用
ジャズ・ワルツとブロックコード型ストリングスアレンジの相性が良い理由のひとつとして、ブロックコード型ではジャズのボイシングを使用して配置されることがあげられます。
ベースラインを土台に和音を積み上げていくクラシカルな和声学のボイシングに対して、メロディ(トップノート)を基準にコードトーンを組んでいくジャズのボイシングは、ジャズ・ワルツのストリングスにぴったり。
ぜひ有効活用していきましょう!
ストリングスアレンジ4つの手順
ここからは、実際のアレンジ手順について解説していきます。
- 1st Violinを使ってトップのメロディラインを決める
- 各セクションごとにアレンジの型を選定
- デュアルオブリガート型の下声部を決める
- 各所アレンジの型に従ってボイシング
1)1st Violinを使ってトップのメロディラインを決める
まずは、1st Violinだけを使って楽曲全体の対旋律を決めていきます。
メインメロディであるヴォーカルとの共存を考えながら、バランスよくかつ魅力的なメロディラインを作っていきましょう。
対旋律を作る際のコツは、以下の記事で詳しく解説しておりますのでこちらもぜひご活用ください。
2)各セクションごとにアレンジの型を選定
対旋律のラインが固まったら、つぎにどんなアレンジの型を採用するか決めていきましょう。
以下のような判断基準で決めるとうまくハマりやすいかと思います。
- ストリングスのラインをはっきり聞かせたい場所ではユニゾン型
- よりエモーショナルな表現をしたい場所ではデュアルオブリガート型
- 華やか&リッチなサウンドが欲しい場所ではブロックコード型
ぼくのおすすめとしては、イントロやサビなど印象的に聞かせたい部分ではデュアルオブリガート型を採用、キメなどではっきりとラインを聞かせたい場所ではユニゾン型、ここぞという盛り上げポイントではブロックコード型を使うと良いかと思います。
教材曲のストリングスのうち、一部の例をご紹介します。
イントロ部分
コーラス(サビ)部分
3)デュアルオブリガート型の下声部を決める
どこでどのアレンジ型を使うかが決まったところで、今度はデュアルオブリガート型の下声部を決めていきましょう。
上声部と下声部がバランスよく噛み合うような旋律に仕上げていくのがポイントですが、慣れないうちはちょっとむずかしいかもしれません。
その場合は、下声部のラインを先に固めてしまってから、1)で製作したトップのラインに変更を加えていく形がオススメです。
デュアルオブリガート型の詳しいアレンジ手順については、以下の記事をご覧ください。
4)各所アレンジの型に従ってボイシング
デュアルオブリガートの下声部まで含めてメロディラインが完成したら、最後に各所をボイシングしていきましょう。
それぞれのボイシング方法および、アレンジの手順は以下の記事で解説しております。
ユニゾン型
デュアルオブリガート型
ブロックコード型
そうして完成したものがこちらです。
OTOxNOMAのストリングスカリキュラムでは、ストリングスを構成する各楽器の基本から、和声学の基礎知識、さまざまなアレンジの方法、リアルな打ち込み方法まで丁寧に解説しております。
今日の記事を読んでむずかしく感じた方は、まずはストリングスカリキュラムを順を追って学んでみてくださいね!
まとめ
というわけで、ジャズ・ワルツのストリングスアレンジについて解説しました。
ストリングスを上手に扱えるようになると、楽曲の優雅さ、美しさが格段にアップします。
ジャズ・ワルツを製作する上で非常に相性の良い楽器群となりますので、今日の記事はもちろん、ストリングスカリキュラムも有効活用しながら着実にマスターしていただければ幸いです!
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