ジャンル別ピアノアレンジ②:ファンクのピアノアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ファンクにおけるピアノアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- ファンクにおけるピアノの特徴
- ファンクにおけるピアノのサウンドメイク
- ファンクのピアノアレンジ例
ファンクは、ダンサブルで軽快な16ビートが特徴のブラックミュージック。
ピアノのアレンジや音作りにもその特徴が色濃く現れています。
そんなファンクにおけるピアノの各種テクニックを楽しく学んでいきましょう!
なお、ファンクというジャンルそのものの特徴やリズムパターンについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。
ジャンル別ピアノアレンジ②:ファンクのピアノアレンジ&打込みテクニック!
ファンクにおけるピアノの特徴
ファンクのピアノは、ファンク・ビートの特徴でもある16ビートを基調とした裏ノリのグルーヴ感が特徴。
それを表現するテクニックとして、コードコンピングが多用されます。
コードをリズミカルに刻むことで、楽曲にさらなるグルーヴ感をプラスすることができます。
バッキング系のリフが多用されることも多く、クラビネットが最も活躍するジャンルでもあります。
ファンクにおけるクラビネットのアレンジは以後の記事で改めて解説しますが、今日ご紹介する各種フレーズも、その多くはクラビネットに置き換えても十分成立するものです。
リズミカルな演奏に着目して、学習を進めていただけると良いでしょう!
ファンクにおけるサウンドメイク
ファンクにおけるピアノサウンドの特徴は以下の通りです。
- 明るくヌケの良い硬めのサウンド
先ほどお伝えしたファンクピアノの特徴を表現する上でも、硬めのサウンドの方が都合が良いわけですね。
ポップス・ロックでもヌケの良いサウンドを目指していきましたが、ファンクの場合はそれよりもさらに明るく、硬めのサウンドを狙うと良いでしょう。
やはりイコライザーによる高域成分のブーストは効果的ですが、プリセット選びの段階である程度ヌケ良く硬めのサウンドを選んでおくと作りやすいかと思います。
音源の設定
今回は、プリセットの段階で「Bright」と名の付く明るめのサウンドを選んだ上で、音源内部のイコライザーを使ってさらに高域成分を調整しています。
また、ローズに関しても、イコライザーで中低域を抑え、逆にハイを立てながらリズムが際立つ硬めのサウンドを目指してみました。
ウーリッツァーも同様の調整を行なっていますが、ウーリッツァーは元のサウンドが丸く柔らかいものとなっていますので、それを活かした白玉フレーズを演奏させるのも良い方法です。
アコースティックピアノの設定
エレクトリックピアノ(ローズ)の設定
ウーリッツァーの設定
ファンクのピアノアレンジ例
ここからは、ファンクにおけるピアノアレンジをご紹介していきます。
1つずつ見ていきましょう!
パターン①
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
コードコンピングの合間にファンクらしいオカズを挿入したパターンです。
オカズ部分にブルーノートを積極的に使うことで、ブラックミュージックらしいシブさを演出することができます。
また、2&4小節目4拍目のように、装飾音+重音によるプレイは、ファンクのみならず多くのキーボードアレンジで見られる特徴的なものですので、覚えておきましょう。
打込みのポイント
基本的には、これまで解説した各種打込みテクニックにならって打込みましょう。
特筆すべきポイントとしては、16分ウラを軽めにスウィングさせることです。
16分ジャストよりやや遅めを狙って配置することで、よりファンクらしいグルーヴ感が演出できます。
また、スタッカートは歯切れ良く、アクセントは強めに打込むこともお忘れなく!
パターン②
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、ローズのコードコンピングによるバッキング系リフとなっています。
コードをリズミカルに演奏するだけのシンプルなスタイルですが、右手と左手の絡みによって軽快な演奏になっていますね。
メインのリズムは右手で、左手はそれを補うようにゴーストノートのようなスタッカートを挟み込むことで、より一層グルーヴィーな仕上がりになります。
打込みのポイント
こちらも基本的な打込みテクニックに忠実に打込んでいきましょう。
例によって、16分ウラは軽めにスウィングさせます。
また、この手のコンピングはデュレーションの調整が重要になります。
とくにスタッカートは歯切れよく、軽快に聞こえるよう短めに打込んでいきましょう。
パターン③
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、ウーリッツァーを使った白玉フレーズ。
ウーリッツァーの独特の音色が、往年のファンクサウンドを彷彿とさせますね。
前半は白玉のコードで控えめに演奏していますが、最後は長めのオカズでカッコよく締めています。
ローズ同様、トレモロを伴う白玉はウーリッツァーの十八番でもありますので、ぜひ活用してみてください。
打込みのポイント
こちらも基本に忠実に打込みましょう。
ウーリッツァーは、ベロシティの強弱による音色の変化が顕著な楽器です。
シンコペーション部分にしっかりとアクセントをつけることで、白玉部分とのメリハリがついて心地よい聴き映えになります。
また、後半のオカズ部分も強めのベロシティでしっかり聴かせるようにしましょう。
パターン④
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、4つ打ちによるファンク風ディスコ・ビートです。
パターン②同様、コードコンピングによるバッキング系リフで、両手の絡みがグルーヴのキモとなっています。
ディスコ・ビートはもちろんですが、そこから派生したハウスのビートにもぴったり。
応用範囲の広いパターンとなっていますので、ぜひ覚えておいてください!
打込みのポイント
こちらも基本に忠実にという点は変わりません。
やはり16分ウラは軽めのスウィングでグルーヴ感を演出していきましょう。
また、パターン②同様デュレーションの調整がグルーヴに大きく影響しますので、1つ1つ丁寧にエディットしていきます。
まとめ
というわけで、ファンクのピアノアレンジ&打込みテクニックについて詳しく解説しました。
とにもかくにも、16ビートによる軽快なグルーヴをいかにして表現するかがポイント。
フレーズはもちろん、ベロシティやクオンタイズ、デュレーションなど、各種打込みテクニックを駆使しながら、グルーヴィーなピアノトラックを目指していきましょう!
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