ジャンル別ピアノアレンジ⑤:ラテンのピアノアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ラテンにおけるピアノアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- ラテンにおけるピアノの特徴
- ラテンにおけるピアノのサウンドメイク
- ラテンのピアノアレンジ例
主にカリブ海を中心とする中米で誕生したラテン。
サルサを筆頭に、その陽気で明るい雰囲気から思わず踊り出したくなるような楽曲も多いですね。
そんなラテンのピアノアレンジを詳しく解説していきますので、バッチリマスターしていきましょう!
なお、ラテンというジャンルそのものの特徴やリズムパターンについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。
ジャンル別ピアノアレンジ⑤:ラテンのピアノアレンジ&打込みテクニック!
ラテンにおけるピアノの特徴
ラテンには、他のジャンルには見られない固有のピアノリフがあります。
それを「モントゥーノ」と呼び、サルサをはじめとしたラテンの楽曲において重要なスパイスとなっています。
モントゥーノとは、以下のようなスタイルです。
モントゥーノの演奏
他ジャンルのようにコードを積極的に演奏するのではなく、オクターヴによるメロディアスなリフで構成されるモントゥーノ。
モントゥーノにはいくつかのバリエーションがありますので、そちらについては後ほど解説していきます。
ラテンにおけるサウンドメイク
ラテンにおけるピアノサウンドの特徴は以下の通りです。
- 明るくカラッとしたピアノサウンド
ラテンには、これまでにご紹介したどのジャンルよりも明るいピアノサウンドがマッチします。
主にアップライトピアノで演奏されることが多いようですが、ソフトウェア音源のアップライトピアノにはクセのある音色が多く、グランドピアノ音源から音作りした方がスムーズに作業が進むでしょう。
EQを使って音作りすることもできますが、かなりハイを立て気味にセッティングする必要があるため、まずはプリセット段階で明るい音色を選ぶことをオススメします。
その上で、EQを使って微調整をしていくといいでしょう。
音源の設定
今回は、ステージでの演奏を想定した明るい音色のグランドピアノを使って音作りしました。
デフォルトのセッティングでは若干音が硬すぎたので、音源内部のEQを使って少しハイを抑えています。
アコースティックピアノの設定
ラテンのピアノアレンジ例
ここからは、ラテンのピアノアレンジ例をご紹介していきます。
1つずつ見ていきましょう!
パターン①
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
オクターブユニゾンの合間にコードトーンのコンピングを挟み込んだモントゥーノの定番パターンです。
右手と左手をオクターヴ差で演奏していますが、左手をもう1オクターヴ下げても成立します。
ラテンでは、キックやベースが特殊なシンコペーションのリズムを刻むことから、ピアノのリズムが楽曲全体のリズムを安定させる役割を担っています。
パーカッションを演奏するような気持ちで、はっきりとリズムを刻むと良いでしょう。
打込みのポイント
オクターヴユニゾンになる部分は、いずれも和音部分より強めのベロシティで打込むと良いでしょう。
とくに、2拍目のシンコペーションはベースやキックの動きと相まってグルーヴィーなサウンドを作り出すキモとなっていますので、リズムがはっきり聞き取れるよう調整すると良いですね。
また、それぞれのノートのデュレーションも十分吟味しましょう。
パターン②
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、パターン①のバリエーションです。
一部アルペジオ風の動きを入れることで、よりメロディアスな仕上がりになっています。
それ以外はパターン①と大きく変わりません。
打込みのポイント
こちらもパターン①同様、オクターヴユニゾン部分を強調すると良いでしょう。
シンコペーションのリズムが際立ち、よりグルーヴィーな演奏に仕上がります。
パターン③
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、単音でのアルペジオで演奏するモントゥーノです。
ラテンの中でも比較的新しい「ソンゴ」というリズムにのせてみました。
単音での演奏であっても、アルペジオでコードトーンを演奏することによって十分にコード感を表現することができます。
打込みのポイント
こちらは、全体にわたって配置されているシンコペーションを強めに打込むとよいでしょう。
また、アルペジオ部分は短く切って演奏していますが、多少長く伸ばしても十分成立します。
様々なバリエーションを試してみるのも面白いですね。
パターン④
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
最後にご紹介するのは、ラテンのリズムを取り入れた「アフロ・キューバン・ジャズ」にのせたパターン。
パターン①のリズムをベースに、パターン③のような単音アルペジオによる演奏にしたものと考えていただければOKです。
打込みのポイント
こちらもシンコペーションを強めに打込むという点はパターン③と変わりません。
特筆すべきポイントとしては、1個1個のノートのデュレーションが微妙に異なり、それが全体のグルーヴ感を形成しているという側面があります。
これ!という正解はありませんので、何度も繰り返し聞きながら気持ちの良いグルーヴを探っていくと良いでしょう。
まとめ
というわけで、ラテンのピアノアレンジ&打込みについて解説しました。
モントゥーノという独特のパターンと明るい音色で、他のどのジャンルとも似つかない独自のニュアンスを醸し出していましたね。
様々なラテンの楽曲を研究して、引き出しを広げていってください!
【オススメ】音大・専門学校レベルのセミナーをスマホ1つで受け放題!月々わずか2,980円から!
作曲・DTMを学びたいけどレッスンに通う時間がない!そんなあなたに朗報!音大・専門学校レベルのセミナーを、スマホ1つで24時間365日受け放題!ご自宅で、外出先で、いつでもどこでも本格的な音楽教育をお楽しみいただけます。国内No.1の豊富なカリキュラムと200時間を超えるセミナーアーカイヴに無制限アクセス!今ならなんと月々わずか2,980円(税込3,278円))から!詳細は以下のボタンをクリック!