マスタリングの基礎知識①:マスタリングとは?その目的と作業内容を解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、マスタリングという作業がどんなことをするものなのか?その目的と作業内容について解説していきます。
- マスタリングとは?
- マスタリングが必要になるケース
- マスタリングの作業内容
ミックスダウンと並んで、楽曲の仕上げ作業として重要なマスタリング。
そんなマスタリングについて、「どんな作業なのか?」「どういった場合に必要になるのか?」「どんな作業を行うのか?」といったギモンにお応えしながら、その概要を解説していきます。
どうぞご活用ください!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
マスタリングの基礎知識①:マスタリングとは?その目的と作業内容を解説!
マスタリングとは?
マスタリングとは、ミックスダウンが完了した2mixや5.1mixなどのファイルを、流通させるメディアに適した音量・音質に調整する作業のこと。
その名の示す通り、「マスター(完成版)」となるデータを作成する作業のことで、音楽制作における正真正銘の最終工程といえるでしょう。
参考までに、音楽制作の各工程を順番に並べると以下のような形になります。
- 作編曲
- プログラミング(打込み)
- レコーディング
- エディット
- ミキシング
- マスタリング
マスタリングには、ミックスダウンとはまた違った観点でサウンドを分析、調整する技能が求められます。
そのため、プロの世界では「マスタリングエンジニア」と呼ばれる専門の技師によって行われるのが一般的です。
レコーディング〜ミックスダウンはミキシングエンジニアが担当し、その後マスタリングエンジニアによって最後の仕上げが行われるというわけですね。
ミックスダウンとの違いについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。
なお、本カリキュラムでは一般的なDAW環境でも実践可能なマスタリングテクニックをご紹介していきますので、ぜひ楽しみながら学んでいただければ幸いです!
マスタリングが必要になるケース
じつは、マスタリングというのは必ずしも必要な作業というわけではありません。
楽曲単体の音質や音量を調整するだけならば、ミキシングの最終段(マスタートラック)で行えば良いからです。
また、マスターであれこれいじるよりも、ミキシングセッションに戻って、各トラックの音質、音像、音量バランスを見直したほうがより良い仕上がりになることも少なくありません。
では、どのような場合にマスタリングが必要になるのでしょうか?
主に以下のようなケースが考えられます。
- CD用と配信用など、使用目的別に異なるマスターデータを作りたい場合
- 複数の楽曲を含むシングルあるいはアルバムを作りたい場合
- ミキシング作業に戻れない状況で、サウンド全体の音質音量を再調整したい場合
それぞれ、詳しく解説していきます。
CD用と配信用など、使用目的別に異なるマスターデータを作りたい場合
CDに適した音量と音楽配信に適した音量は全く異なります。
一般的にCDは音圧が高く、ダイナミックレンジ(音量の振れ幅)が狭め。
対して配信用は無理に音圧を上げすぎず、ダイナミックレンジを広めにとった方が良い仕上がりになります。(曲にもよりけりですが。)
その詳細は以後の記事で解説しますが、上記のように使用目的別に異なるマスターを作りたい場合には、それぞれに合わせてマスタリングを行う必要があります。
複数の楽曲を含むシングルあるいはアルバムを作りたい場合
CDや音楽配信で複数の楽曲が連続して再生される可能性のある場合もマスタリングが必要です。
曲ごとに音質も音量もバラバラなのでは聞きにくくて仕方ないですからね!
ですから、同一シングルまたはアルバム上に収録される楽曲はマスタリングをして統一感を持たせましょう。
ミキシング作業に戻れない状況で、サウンド全体の音質音量を再調整したい場合
ミキシング作業に戻れない状況で、サウンドの質感や音量を調整したい場合もあるでしょう。
そんな時は、マスタリングによってブラッシュアップしていくことが唯一の手段となります。
マスタリングの作業内容
最後に、マスタリングの作業内容についてお伝えしていきます。
マスタリングでは、主に以下のような作業を行います。
- 音質・音像の調整
- 音量の調整
- 曲の入り&余韻&曲間の調整とCDテキストの埋め込み
- マスターデータ作成とチェック
音質・音像の調整
イコライザーやコンプレッサー、サチュレーターなどのエフェクトを使って音質や音像を調整していきます。
これらのエフェクトは楽曲全体に対して適用されるため、ミキシングのように細かい音作りはせず、いずれも微細な調整作業となります。
場合によっては、エフェクトの効果は使わず、アナログアウトボードを通すだけ、あるいは電源ケーブルを変えるだけといった非常に繊細な音作りが行われることも少なくありません。
ちょっとした違いでも楽曲の印象がガラっと変わる面白い工程です。
マスタリング用コンプとして人気の高い「Shadow Hills Mastering Compressor」
音量の調整
前述の通り、使用目的別に適した音圧に調整していきます。
主にコンプレッサーやリミッターでピークを抑えつつ、マキシマイザーで全体の音圧を稼ぎます。
また、イコライザーを使って迫力のあるサウンドに仕上げることで聴感上の音圧をアップさせたり、オートメーションを書き込んで楽曲の一部分の音圧を調整したりすることもあります。
曲の入り&余韻&曲間の調整とCDテキストの埋め込み
マスタリングでは音量や音質の調整のほかに、以下のような作業も行います。
- 曲の入りや余韻、次の曲が始まるまでの曲間を調整する
- CDテキストなどの情報を埋め込む
これらの作業もマスタリングの重要な工程となっておりますので覚えておきましょう。
マスタリングソフトで曲間などを調整している様子
マスターデータの作成とチェック
マスターデータを書き出してチェックするまでがマスタリングの工程です。
せっかくの楽曲も、書き出したデータに不備があっては取り返しがつきませんからね。
配信用ならばWAVで、CD用ならばマスターCDを焼いたりDDPと呼ばれる専用のフォーマットで書き出しを行います。
最後に、全曲通しで聞いてノイズや不具合がないかを確認して作業完了です。
まとめ
というわけで、マスタリングとはどんなものなのか?どのような作業を行うのか?ということについて概要をお話ししました。
本文中でもお伝えした通り、必ずしも必要な作業ではありませんが、適切な処理を行うことによって作品の聞き映えがぐんとアップします。
ぜひ今日の記事を参考に、その特徴を理解していただければ幸いです。
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