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コーラスのミキシング③:バスエフェクトと音量バランスをマスターしよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、コーラスのバスエフェクトと音量バランスについて解説していきます。

  • コーラスのバスで使用するエフェクト
  • EQ&コンプのセッティング
  • リバーブのセッティング
  • コーラスの音量バランス

各トラックで補正した音を1つのバスにまとめて、コーラス全体の質感を調整していく一連の流れをご紹介。

一体感のある美しいハーモニーを活かしながら、ヴォーカルやバンド楽器と共存させていくためのテクニックも満載。

ぜひお役立てください!

なお、個々のトラックの音作りについては前回の記事でご紹介しています。

まだご覧になっていない方は、そちらを先にお読みくださいね。

※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!

データのダウンロードはこちら

今回の教材曲:プロスペロー『MOB 〜この街のありふれた一人〜』

 

コーラスのミキシング③:バスエフェクトと音量バランスをマスターしよう!

コーラスのミキシング③:バスエフェクトと音量バランスをマスターしよう!

コーラスのバスで使用するエフェクト

早速、コーラスのバスで使用するエフェクトを見ていきましょう。

  1. コンプレッサー
  2. イコライザー
  3. リバーブ

もはや定番のものばかりですね!

■ 1. コンプレッサー

ダイナミックレンジの調整および、コーラス全体をなじませる目的使用します。

デジタル系コンプでダイナミックレンジを抑えながら、安定感のあるサウンドを実現。

さらにアナログ系バスコンプでコーラス全体の一体感を作り出していきましょう。

■ 2. イコライザー

周波数バランスの調整および、距離感と色彩感の調整に使用します。

バスEQでコーラスの距離感とカラーを調整。

さらにコーラス全体が同時再生されることで生じる不要な成分をカットしながら、聴きやすいコーラスを目指していきます。

3. リバーブ

ルームリバーブとプレートリバーブの2種類を使用していきます。

ルームリバーブで空気感を、プレートリバーブで残響を付与するという定番テクニックですね。

EQ&コンプのセッティング

実際のセッティングを見ていきましょう。

コーラスのバスでは、以下の順番でエフェクトをインサートしています。

バスEQ → コンプ① → ダイナミックEQ → コンプ②

それぞれ、以下のようなセッティングです。

■ バスEQ

EQをインサートしてコーラス全体の距離感とカラーを調整していきましょう。

まずは「2k」付近を-3dBほどカットして、音を奥に引っ込めます。

これによりヴォーカルとの対比で立体感のある音像になりますね。

さらに、「10kHz」以上をシェルフでブーストして倍音を増強。

メインヴォーカルは真正面から聞こえてくるのに対して、コーラスは上からヌケてくるイメージで調整しています。

バスEQ適用前

バスEQ適用後

■ コンプ①のセッティング

次に、デジタル系コンプでダイナミックレンジを調整していきましょう。

できる限り音色に変化を加えたくなかったのでデジタル系を使っていますが、アナログの質感をプラスしたい場合はもちろんこの限りではありません。

例によって、レシオは低め&スレッショルドは深めのセッティングにすることで、音量の小さなところをしっかりと持ち上げることができます。

楽曲を通してコーラス全体が安定して聞こえる(=出たり引っ込んだりしない)よう調整していきましょう。

コンプ①適用前

コンプ①適用後

■ ダイナミックEQのセッティング

さらに、ダイナミックEQでコーラス全体の細かい周波数の問題を調整していきます。

まずは「363Hz」付近にある中域のふくらみを軽くリダクション。

さらに「4174Hz」「6396Hz」付近の高域のピークをリダクションしてすっきりししたサウンドに。

また、ストリングスやドラム金物の倍音と住み分けるために、コーラスでは「18kHz」以上をハイカットしてしまいました。

ダイナミックEQ適用前

ダイナミックEQ適用後

■ コンプ②のセッティング

最後に、バスコンプで全体を馴染ませていきます。

レシオは「2:1」、スレッショルドも浅めに設定。

音量の出すぎたところが軽めにリダクションされる程度でOKです。

コンプ②適用前

コンプ②適用後

リバーブのセッティング

コーラスでは、ルームリバーブとプレートリバーブの2種類のリバーブを使用していきます。

それぞれの役割は以下の通りですね。

  • ルームリバーブ:空気感をプラスして他のパートとなじませる
  • プレートリバーブ:残響をプラスする

基本的に、バンド楽器で使用したものと同じリバーブを使えばOKです。

場合によっては、メインヴォーカルとのなじみを良くする意図で、プレートリバーブ部分をヴォーカルで使用したリバーブへセンドするのも良いでしょう。

バンドとの一体感を求めるか、ヴォーカルとの一体感を求めるかという差なので、お好きな方を選んでいただいてOKです。

リバーブ適用前

ルームリバーブ適用後

ホールリバーブ適用後

コーラスの音量バランス

最後に、コーラスの音量バランスについて解説していきましょう。

コーラスの音量バランスについては、これまでご紹介したどのパートよりも自由です。

もはや「好きずき」といっても過言ではないくらい。

実際、R&Bなどコーラスワークが主体となるジャンルでは大きめのバランスでMixされますし、逆にキャラクターソングなど「メインヴォーカルの声こそが命!」という場合には相当小さくMixされます。

唯一守らねばならないルールとしては、メインヴォーカルより前に出過ぎないこと。

そこさえ押さえていれば問題ありませんので、楽曲のジャンル、サウンドの方向性、好みによって決めるとよいでしょう。

一応下図では、コード系パートよりもさらに奥に配置されていますがあくまで参考程度に。

コーラスの音量:中(一般的なポップス)

コーラスの音量:弱(キャラソンなど)

コーラスの音量:強(R&Bなど)

 

まとめ

というわけで、コーラスのバスエフェクトおよび音量バランスについて詳しく解説しました。

コーラスは、個々のトラックよりも全体のまとまり感や質感こそが重要なパートです。

今日ご紹介したテクニックを参考に、美しく一体感のあるコーラスサウンドを作り上げていきましょう!

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