ジャンル別ビートメイク①:ハウス・ミュージックのビートをマスターしよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日からは、ジャンル別のエレクトリック系ビートメイクについて解説していきます。
まずは、クラブミュージックの基本中の基本「ハウス・ミュージック」についてレクチャー。
- ハウス・ミュージックとは?
- ハウス・ビートの特徴
- ハウス・ビートのリズムパターン
- ハウス・ビートの音選び
- ハウス・ビート打込みのポイント
その成り立ち、各種派生ジャンル、リズムや音色の特徴などを深堀りしていきます。
ハウスのビートは、ポップスやアニソンをはじめエレクトリックサウンドを用いた4つ打ち音楽全般に幅広く応用することができます。
しっかりマスターして、4つ打ちサウンドのキモをつかみましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ハウス・ミュージックの例:Robert Cristian『Don’t Walk Away』
ハウス・ミュージックの基本
ハウス・ミュージックとは?
ハウス・ミュージックとは、1977年にアメリカ合衆国シカゴで誕生したダンスミュージックの一つ。
シンプルにに「ハウス」と呼ばれることも多いですね!
シカゴにあるゲイ・ディスコ「ウェアハウス」という店名が名前の由来となっていて、その起源から「性差別」をテーマとする音楽としても愛されました。
音楽的には、元々R&Bやソウルから影響を受けた音楽であり、ブラックミュージックがその源流となっています。
さらにそこから、
- シカゴ・ハウス(起源)
- ガラージュ・ハウス(ニューヨークで発展)
- イタロ・ハウス(イタリアで発展)
- トライバル・ハウス(民族音楽系ハウス)
- アフロ・ハウス(アフリカ民族音楽系ハウス)
- アシッド・ハウス(「TB-303」を使ったクールなハウス)
- テック・ハウス(テクノとの融合)
- プログレッシブ・ハウス(EDM系ハウスの基本)
- ディープ・ハウス(クールなEDM系ハウス)
- エレクトロ・ハウス(アグレッシブなEDM系ハウス)
- ハード・ハウス(トランスに近いハウス)
という具合に、様々なジャンルへ分岐していきました。
ここ10年くらい人気のEDMは、主にプログレッシブ・ハウス〜エレクトロ・ハウスあたりのジャンルですね。
それぞれのジャンルの相関関係は以下のような形です。
ハウス・ビートの特徴
ハウスはR&Bやソウルの要素を取り入れつつ、ディスコやクラブで踊れるダンスミュージックとして進化したジャンル。
当然ながら、ブラックミュージックの大きな特徴である「裏ノリ」は健在です。(というかダンスミュージックは総じて裏ノリとなります。)
リズムパターンとしては、「ディスコ・ビート」のリズムとほぼ同じだと考えてもらって構いません。
- 4つ打ちのキック
- ウラ拍で演奏されるオープンハイハット
- 程よいスウィング感
- TR-909系の王道サウンド
それぞれ詳しく解説します。
ハウス・ビートの例
4つ打ちのキック
ディスコ・ビート同様に、ハウスミュージックは4つ打ちが基本。
フロアに鳴り響くキックの重低音は、ハウス・ミュージックにおいて欠かすことのできない存在です。
太く、かつ引き締まったキックを大音量でならして、魂を揺さぶるようなビートを作り出していきましょう。
ウラ拍で演奏されるオープンハイハット
前述の通り、ブラックミュージックを源流とするハウスは、その例にもれず「裏ノリ」。
ウラ拍でオープンハイハットを演奏することで、それを表現していきます。
こちらもディスコ・ビートと良く似ていますね!
ほどよいスウィング感
ハウス・ビートでは、16分音符単位でやや強めのスウィングをかけるのが特徴。
気持ち良くダンスできるビートを作り出すために、しっかりめのスウィングで心地よいグルーヴを作ってあげましょう。
TR-909系の王道サウンド
ディスコ・ビートとの決定的な違いはやはりその音色。
王道リズムマシン「TR-909」をベースとしたエレクトリック系サウンドでの演奏がこのジャンルのポイントとなります。
ハウス・ビートのリズムパターン
それでは、ハウス・ビートのリズムパターンをみていきましょう!
パターン①
4つ打ちキック、2&4拍クラップ、ウラ打ちオープンハイハットのみの基本パターンです。
パターン②
パターン①のクラップをスネアに置き換えたバージョンです。
クラップとスネアは自由に入れ替えることができます。
また、2小節パターンの最後に16分音符1個分スネアを打つことで、16ビートノリをプラスすることができます。
パターン③
ハイハットで16ビートのノリをプラスしたパターンです。
十分にスウィングさせるのがハウスらしさのポイント。
パターン④
さらに、アタマ拍にもクローズドハイハットをプラスしたパターンです。
裏ノリ感が損なわれないよう、アタマ拍のハイハットはさりげなく打つのがポイント。
こちらも十分にスウィングさせましょう。
リズムループをプラスするのもグッド!
ハウス・ビートは非常にシンプルなビート。
したがって、さまざまなリズムループとの相性も非常に良いです。
基本パターンはMIDIで打ち込み、色付けとしてリズムループをプラスすることで、多様なビートを作り出せます。
リズムループの取り扱いについては、以下の記事をご覧ください。
ハウス・ビートの打込み
ハウス・ビートの音色選び
先ほどもお伝えした通り、ハウス・ビートでは「TR-909」系の王道リズムマシンの音色を使うと良いでしょう。
とくに「TR-909」が奏でるハイハットの音色は、ハウスを象徴する独特のサウンドとなっているのでぜひ採用してみてください。
もちろんその他の音色も使用可能ですが、基本は「TR-909」の音色に近いものを選ぶイメージでOKです。
- 基本はTR-909の音色
- 太く、かつ引き締まったキック
- TR-909独特のハイハットサウンド
ちなみに、TR-909の実機を持っていなくても大丈夫!
昨今のエレクトリック系ドラム音源ならば、どの音源にもあらかじめTR-909の音色が収録されていると思います。
今回は、Native Instruments社「Battery」に収録されている「909 Multiple Kit」というプリセットを選んでみました。
キック
スネアドラム
クラップ
タムタム
ハイハット
クラッシュシンバル
ハウス・ビート打込みのコツ
ハウス・ビートのベロシティ
ハウス・ビートのベロシティはめちゃめちゃ簡単です。
キックは一定、スネアも2&4拍は一定、オープンハイハットのウラ打ちも一定で構いません。
クローズドハイハットによる16分音符の刻みや、時折出てくるスネア16分ウラのノートのみ、欲しいグルーヴに合わせてベロシティを調整しましょう。
その際は、16ビートのベロシティの基本に沿って打ち込めばOKです。
ハウス・ビートのクオンタイズ
ハウス・ビートのクオンタイズ最大のポイントは、そのスウィング感です。
ハイハットやスネアの16分ウラのノートは、しっかりとスウィングさせて心地よいグルーヴを作りましょう。
スウィング値は、60%〜80%程度と、そこそこ強めにかけて問題ありません。
まとめ
というわけで、ハウスミュージックのビートメイクについて詳しく解説しました。
エレクトリック系ビート、とりわけクラブミュージックにおける基本中の基本ともいえる王道ビート。
様々なジャンルへの応用範囲も広い万能ビートですので、しっかりマスターしてご自身の楽曲に活かしてみてください!
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