ジャンル別ベースアレンジ⑧:サンバ・ボサノバのベースアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、サンバ・ボサノバのベースアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- サンバ・ボサノバにおけるベースラインの特徴
- サンバ・ボサノバのサウンドメイク
- サンバ・ボサノバのベースライン例
ブラジル発祥のサンバ・ボサノバ。
両者の雰囲気は全く異なるものですが、ベースラインやリズムにおいては共通する部分も多く見られます。
その特徴を学びながら、サンバやボサノバらしいベースラインとはどんなものなのかバッチリ理解していきましょう!
ジャンル別ベースアレンジ⑧:サンバ・ボサノバのベースアレンジ&打込みテクニック!
サンバ・ボサノバにおけるベースラインの特徴
まずは、サンバ・ボサノバにおけるベースラインの特徴を見ていきましょう。
【サンバ・ボサノバにおけるベースの特徴】
- サンバ・キックに合わせたリズム感
- ルートと5thを絡めたライン取り
- 2拍目4拍目が沈み込むようなグルーヴ感(サンバのみ)
サンバやボサノバでは「サンバ・キック」と呼ばれる特徴的なキックのリズムに合わせてベースを演奏します。
その際、各コードのルートと5度を交互に使用するのもポイントです。
さらに、サンバでは「スルド」という大型の太鼓で演奏される2拍目&4拍目の沈み込むようなアクセントが特徴。
ベースにおいてもその特徴を意識しながら打込むと良いでしょう。
サンバ・ボサノバというジャンルそのものやそれぞれのリズムの特徴については以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご参照ください。
サンバ・ボサノバのサウンドメイク
サンバやボサノバで使うベースに特に指定はありません。
アコースティックベースでもエレキベースでもアップライトベースでも、楽曲に合っていればお好きなものを使ってOKです!
今回は、よりアコースティックな雰囲気を重視する意味でアップライトベースを使って解説を進めていきます。
例によって、セッティングについてはカントリー・ロックンロールの記事でご紹介したものと同じものになりますが、念のため再掲しておきます。
音源の設定
MODO Bassにはアップライトベースが収録されていませんので、Trilianを使って解説していきます。
今回は「Trilian Ac 1」というアップライトベース音源を使いました。
音色名に「True Staccato」と書いてあるものを選びましたが、このプリセットではミュートなどのゴーストノートが低音側の鍵盤にあらかじめ割り当てられているものです。
細かいゴーストノートをサクサクと入力することができるのでオススメです。
音源の設定
アンプ&エフェクターの設定
次に、エフェクト周りをみていきましょう。
まずはイコライザーで周波数バランスを調整していきます。
Trilianのアップライトベースは想像以上に中低域のボリューム感が大きく、大胆にカットしないとモヤモヤしたサウンドになってしまいます。
今回はダイナミックEQを使って、中低域が膨らんだ時のみカットされるよう調整しました。
また、アップライトらしい弦のプリプリ感を補強する上で、中高域も大胆にブーストしています。
ここまで過激なEQをかけるのはなかなかに勇気がいるものですが、理想のサウンドを明確に思い描きながら正しく処理できていれば問題ありません。
ダイナミックEQの設定
EQでの調整が済んだら、コンプレッサーでダイナミックレンジを整えて完成です。
コンプレッサーの設定
サンバ・ボサノバのベースライン例
サンバ・ボサノバのベースライン例を3パターン見ていきましょう。
パターン①
ベース&ドラム
ベースのみ
フレーズの特徴
サンバのリズムに合わせた基本パターンです。
「ドンット ドンット」という「サンバ・キック」に合わせる形でリズムを刻んでいきます。
また、2拍目&4拍目に5度の音を配置し「スルド」による沈み込むようなラインを取るのが定番です。
打込みのポイント
基本的にはこれまで解説した各種打込みテクニックにならって打込めばOKです。
1&3拍目の16分ウラのノートは限りなくスタッカートで打込むことでグルーヴが出ます。
また、前述の「スルド」のリズムに合わせて、2拍目&4拍目はベロシティを強めに打込むとよりそれらしくなるでしょう。
パターン②
ベース&ドラム
ベースのみ
フレーズの特徴
こちらはボサノバのリズムに合わせたパターンです。
サンバ同様「サンバ・キック」のリズムに合わせてルートと5度を交互に演奏していきます。
2小節目&4小節目のように「サンバ・キック」のリズムをあえて崩したパターンもよく耳にすることができます。
打込みのポイント
こちらも基本的な打込みテクニックに忠実に打込んでいきましょう。
2拍目と4拍目ウラの8分音符は、グリッドジャストよりもややプッシュ気味に打込む方がボサノバらしいゆったり感を演出できます。
休符部分にはゴーストノートをあしらってグルーヴ感をプラスしましょう。
パターン③
ベース&ドラム
ベースのみ
フレーズの特徴
こちらはサンバとボサノバの間の子パターンです。
2拍を「付点8分+付点8分+8分」で区切ったリズムパターンですが、テンポの早いボサノバでよく使うものになっています。
1拍目&3拍目で見られる16分ウラのシンコペーションがより強い推進力を演出しています。
打込みのポイント
こちらも基本に忠実に打込みましょう。
特筆すべき点としては、1拍目&3拍目の16ウラシンコペーションはベロシティをやや強めに打込むとよりグルーヴィーな印象に仕上がります。
休符部分にゴーストノートをあしらうのもお忘れなく!
まとめ
というわけで、サンバ・ボサノバのベースラインについて詳しく解説しました。
「サンバ・キック」を基調とした独特のリズム感が大きな特徴でしたね。
この特徴を押さえておくだけで、サンバやボサノバらしいベースラインが簡単に作れます。
今日の記事を参考に、さまざまな楽曲を聴きながら引き出しを広げて行ってください!
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