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ジャンル別オルガンアレンジ③:ブルースのオルガンアレンジ&打込みテクニック!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、ブルースのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。

  • ブルースにおけるオルガンの特徴
  • ブルースにおけるオルガンのサウンドメイク
  • ブルースのオルガンアレンジ例

シャッフルビートや12/8ビートなど、3連符を基調とした独特のグルーヴ感が魅力のブルース。

オルガンではどのようなアレンジがマッチするのでしょうか?

詳しく解説していきますので、バッチリマスターしていきましょう!

 

ジャンル別オルガンアレンジ③:ブルースのオルガンアレンジ&打込みテクニック!

ジャンル別オルガンアレンジ③:ブルースのオルガンアレンジ&打込みテクニック!

ブルースにおけるオルガンの特徴

まずは、ブルースにおけるオルガンの特徴についてみていきましょう。

ブルースのオルガンの特徴は、ブルースのピアノ同様以下のようなものとなります。

  • 3連符のリズムとけだるいビート感
  • ブルース固有のコード進行

したがって、そのプレイスタイルも同じような考え方でOKです。

強いていうならば、ファンクのオルガン同様、左手で「ゴースティング」と呼ばれるゴーストノートのようなパーカッシブなサウンドを組み込みながら演奏するとよりそれらしくなります。

ブルースのオルガンアレンジ例

例によって、ブルース固有のコード進行はブルースらしいアレンジをする上で重要なものとなっていますので、そちらも意識すると良いでしょう。

ブルースのコード進行(キーAを想定)

ブルースにおけるオルガンのサウンドメイク

次に、サウンドメイクについて見ていきましょう。

オルガン本体の設定

オルガン本体の設定は以下のような形になっています。

ドローバー

ドローバーは、上鍵盤のような「88 8000 000」の設定を基本に組み立てていきます。

このセッティングは「デフォルト・ジャズ」と呼ばれるもので、ハモンドオルガンの最も基本的なセッティングとして多用されるものです。

「困ったらまずはコレ!」といっても差し支えないくらい汎用性の高いセッティングになっていますので活用していきましょう。

また、下鍵盤は「53 5000 000」という設定にしてみました。

これは、後ほどご紹介するアレンジ例の「パターン④(スロー・ブルースのパターン)」で、右手のメロディが左手の白玉に埋もれないよう控えめのサウンドにセッティングしたものです。

「デフォルト・ジャズ」をベースに、全体的に音量を押さえたセッティングになっています。

ビブラート・コーラス

上図左上のビブラート・コーラスセクションでは、「C-3」のコーラスを上下の鍵盤双方に適用しています。

これにより、サウンドに適度なゆらぎがプラスされ、厚みのある温かいサウンドになります。

ちなみに、「VIBRATO SWELL」が上鍵盤用、「VIBRATO GREAT」が下鍵盤用のスイッチとなっていますので覚えておきましょう。

パーカッション

上図右上のパーカッション機能は、以下のような設定になっています

  • PERC VOLUME(打音の強さ):SOFT
  • PERC DECAY(打音の減衰スピード):FAST
  • PERC HARM SEL(打音に含まれる倍音):THIRD

「PERC VOLUME」は打音の強さを選択するスイッチで、「SOFT」にすると柔らかい打音に、「NOMAL」にするとハッキリとした打音になります。

「PERC DECAY」は打音に使われる倍音の減衰スピードを選択するスイッチで、「FAST」にすると素早く減衰しタイトなアタック感に、「SLOW」にするとゆっくり減衰しファットなアタック感が得られます。

「PERC HARM SEL」は、打音に含まれる倍音成分を選択するスイッチですが、「SECOND」は第2倍音(基音の1oct上)、「THIRD」は第3倍音(基音の1oct+5度上)を使ってアタック音を生成することになります。

「SECOND」は比較的素直なサウンドに、「THIRD」はより明るいキラキラしたサウンドになりますので覚えておきましょう。

レスリー・スピーカー&アンプの設定

次に、レスリー・スピーカーの設定をみていきます。

今回は、軽く歪ませたノスタルジックなオルガンサウンドを作ってみましょう。

ゲインを上げて軽く歪ませた状態から、ボリュームツマミで出力レベルを調整していきます。

レスリー・スピーカーの設定

ブルースのオルガンアレンジ例

ここからは、ブルースにおけるオルガンのアレンジ例をご紹介していきます。

パターン①

オルガン&ベース&ドラム

オルガンのみ

フレーズの特徴

ブルースにおける最も基本的なコンピングスタイルですね。

シンプルながら、ブルースのグルーヴ感をしっかりと表現できる王道パターンとなっています。

ちなみに、ブルースのピアノアレンジでご紹介したパターン①は、上記のパターンから奇数小節(1&3小節目)のリズムを半拍分後ろにずらしただけのものです。

もちろん、オルガンで演奏しても成立するものとなっていますので、リズムを入れ替えて遊んでみるのも良いでしょう。

打込みのポイント

デュレーションのコントロールに気を配りましょう。

ピアノの打込み同様、スタッカートが歯切れ良くなりすぎない方がブルースらしい演奏に仕上がります。

終始スタッカートでの演奏のため積極的にエクスプレッションを書き込む必要はありませんが、最後の4分音符&グリッサンドのみ、自然なアクセントとフェードアウトをつけておきましょう。

パターン②

オルガン&ベース&ドラム

オルガンのみ

フレーズの特徴

こちらは、スタッカートのコンピングを使ったバリエーションです。

2&4小節目のように、和音をスライドさせて動きを出すのも良い方法です。

スタッカートとそうでない音のメリハリをつけて演奏しましょう。

その際、右手の動きの合間を縫うように左手のゴースティングを入れるとグルーヴ感が増して良いですね。

打込みのポイント

2&4小節目の動きで登場するスタッカートのついていない音にはエクスプレッションでアクセントをつけましょう

これにより、メリハリの効いた演奏に仕上がります。

また、右手のスタッカートはやや長めに打込みつつ、左手のゴースティングは極めて短く打込むのがポイントです。

例によって、最後の4分音符+グリッサンドは自然なアクセントとフェードアウトを書き込んでおくと良いでしょう。

パターン③

オルガン&ベース&ドラム

オルガンのみ

フレーズの特徴

こちらは、コードの演奏を伴うバッキング系リフです。

コードのトップノートが順次進行するように、2度ずつ動かすだけでメロディアスなリフに早変わりします。

左手のゴースティングがグルーヴ感の決め手となっていますので、軽く音を添えるような気持ちでさりげなく散りばめましょう。

なお、冒頭はレスリー・スピードを「Slow」でスタートし、後半は「Fast」に切り替えています。

このように、同じリフでもレスリー・スピードを切り替えてサウンドのニュアンスを変えるのも良い方法です。

打込みのポイント

まず、スタッカートのついていない音は全てエクスプレッションを使ってアクセントをつけていきましょう。

また、左手のゴースティングはデュレーションを短く打ち込んでメリハリをつけるのもお忘れなく。

レスリー・スピードの切り替えは、これまで同様モジュレーションホイールを使って打込めばOKです。

パターン④

オルガン&ベース&ドラム

オルガンのみ

フレーズの特徴

最後にご紹介するのは、12/8ビートを基調としたスロー・ブルースパターンです。

左手は白玉によるシンプルなコード演奏を行い、右手でメロディを演奏しています。

メロディの各所に装飾音符が散りばめられていますが、メロディの2度下や2度上からひっかけるようにして演奏する装飾音は、ブルースを初めとしたブラックミュージックによくみられるテクニックですので効果的に使うと良いでしょう。

打込みのポイント

メロディを気持ちよく歌い上げるイメージで、エクスプレッションを使って抑揚をつけていきます。

どのようにエクスプレッションを書き込むかは感覚的なところなので難しく感じるかもしれません。

そんな時は、メロディを声に出して歌いながら気持ちの良い抑揚を探るのが最も音楽的でオススメの方法です。

なお、エクスプレッションはトラック全体の音量に対して効力を発揮するため、必然的に左手の白玉にも影響してしまいますが、全く問題ありません。

むしろ、左手も一緒に音量変化させることで、メロディの抑揚がいっそう引き立ちます。

まとめ

というわけで、ブルースのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて詳しく解説しました。

コードコンピングやリフ、歌い上げるようなメロディに至るまで、実に幅広い表現が魅力のブルース。

ブルースオルガンの名演も多数リリースされていますので、今日の記事で学んだことをベースに研究してみてくださいね!

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