ジャンル別オルガンアレンジ⑥:ボサノバのオルガンアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ボサノバのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- ボサノバにおけるオルガンの特徴
- ボサノバにおけるオルガンのサウンドメイク
- ボサノバのオルガンアレンジ例
ゆったりとした大人の雰囲気が魅力のボサノバ。
そんなボサノバには、オルガンのサウンドが非常にマッチします。
ピアノとはまた違った魅力を放つボサノバのオルガン。
その特徴や各種テクニックを解説していきますので、楽しく学んでいきましょう!
ジャンル別オルガンアレンジ⑥:ボサノバのオルガンアレンジ&打込みテクニック!
ボサノバにおけるオルガンの特徴
まずは、ボサノバにおけるオルガンの特徴についてみていきましょう。
ボサノバのオルガンの特徴は以下の通りです。
- ボサノバ固有のリズムパターン
- ロングトーンを生かした白玉も効果的
基本的には、ボサノバのピアノアレンジにも見られるような、ハイポジションによるルートレスボイシングを使ったコードコンピングがよく似合います。
一方、ロングトーンの演奏が可能なオルガンでは、シンプルな白玉によるコード演奏も効果的です。
以下の例では、左手が白玉のロングトーン、右手はリズミカルなコンピングといった具合に役割分担していますが、このようなアレンジはオルガンならではのものとなっています。
ボサノバのオルガン例
ボサノバにおけるオルガンのサウンドメイク
次に、サウンドメイクについて見ていきましょう。
オルガン本体の設定
オルガン本体の設定は以下のような形になっています。
ドローバー
ドローバーは、上鍵盤が「80 4000 000」というセッティングになっています。
これは「メロウ」と呼ばれるセッティングのバリエーションで、その名の示す通り柔らかく温かみのあるサウンドになります。
また、下鍵盤は「00 6000 000」という設定になっていますが、これは基音のみで構成された「メロウ8va」と呼ばれるセッティング(00 8000 000)をベースに、右手との音量バランスを取るために少しだけドローバーの引き出し具合を抑えたものです。
基音しか鳴らさないため、右手のコンピングやメロディ演奏の邪魔になりにくいセッティングとなります。
ビブラート・コーラス
上図左上のビブラート・コーラスセクションは、上下鍵盤共にオフとなっています。
ボサノバではストレートなサウンドの方がマッチするので、特段理由がなければコーラスをオフにしておきましょう。
パーカッション
上図右上のパーカッション機能は、以下のような設定になっています
- PERC VOLUME(打音の強さ):SOFT
- PERC DECAY(打音の減衰スピード):FAST
- PERC HARM SEL(打音に含まれる倍音):SECOND
ジャズのオルガンと同じセッティングですね。
パーカッション機能をオンにすることによって高次倍音による打音が追加されますので、コンピングやメロディのアタック感が明瞭になると同時に、「メロウ」セッティングのような倍音の少ない設定でもきらびやかな印象に仕上がります。
それぞれのスイッチの役割については以下の記事をご参照ください。
レスリー・スピーカー&アンプの設定
次に、レスリー・スピーカーの設定をみていきます。
意外にも、ボサノバはしっかりと歪みを加えた方がそれらしいサウンドに仕上がります。
ドローバーの設定が控えめであることから、ガッツリゲインを上げても過度に歪むことはありません。
今回はゲインをMAXまで上げてから、ボリュームツマミで出力音量を調整しています。
レスリー・スピーカーの設定
ボサノバのオルガンアレンジ例
ここからは、ボサノバにおけるオルガンのアレンジ例をご紹介していきます。
パターン①
オルガン&ベース&ドラム
オルガンのみ
フレーズの特徴
左手による白玉コードの上で、ボサノバらしいリズミカルなコンピングを演奏したパターンです。
左手が中域を賄ってくれていますので、右手のコンピングは高音できらびやかに演奏しましょう。
その際、譜例のように転回系を使ってトップノートを動かすのも効果的です。
打込みのポイント
右手のコンピングはデュレーションを丁寧に調整してメリハリのあるリズムを心がけましょう。
例によってスタッカートは短く切って歯切れよく演奏するのがポイントです。
また、スタッカート以外のノートにはエクスプレッションを使ってアクセントをつけることでイキイキとした表現に仕上がります。
パターン②
オルガン&ベース&ドラム
オルガンのみ
フレーズの特徴
こちらは、左手の白玉コードの上でメロディを演奏したパターンです。
今回はコードスケールに従ってメロディを組み立てていますが、コードトーンによるアルペジオやアプローチノートを使った装飾ももちろん有効です。
メロディに縛りはありませんので、あなたのセンスで自由に組み立ててみてください。
打込みのポイント
メロディを担当している右手フレーズのノリに合わせてエクスプレッションをによるアクセントをつけていきます。
どのようにつけたらいいかわからない場合は、声に出して歌いながら気持ちのよいアクセントを探っていきましょう。
パターン③
オルガン&ベース&ドラム
オルガンのみ
フレーズの特徴
こちらは、ボサノバとサンバの融合パターンです。
テンポは速くなっていますが、左手が白玉&右手がリズミカルなコンピングという点はパターン①と変わりません。
シンコペーションが多く含まれているので、より勢いのある印象に仕上がっていますね。
打込みのポイント
こちらも、デュレーションを丁寧に調整してメリハリのあるリズムを心がけましょう。
スタッカート以外のノートにはエクスプレッションを使ってアクセントをつけるのもパターン①と同様です。
まとめ
というわけで、ボサノバのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて詳しく解説しました。
リズミカルなコンピング&メロディと白玉との対比が印象的なジャンルでしたね。
その演奏スタイルや音色など、独自の魅力をもつボサノバ。
今日の記事を参考に、その特徴とテクニックをバッチリマスターしていただければ幸いです!
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