ジャンル別ピアノアレンジ⑥:ボサノバのピアノアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ボサノバにおけるピアノアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- ボサノバにおけるピアノの特徴
- ボサノバにおけるピアノのサウンドメイク
- ボサノバのピアノアレンジ例
ボサノバは、サンバをルーツとするブラジルの音楽で、日本でも人気の高いジャンル。
その落ち着いた大人の雰囲気に癒された方も少なくないでしょう。
そんなボサノバのピアノアレンジ&打込みについて解説していきますので、楽しく学んでいきましょう!
なお、ボサノバというジャンルそのものの特徴やリズムパターンについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご活用ください。
ジャンル別ピアノアレンジ⑥:ボサノバのピアノアレンジ&打込みテクニック!
ボサノバにおけるピアノの特徴
ボサノバにおけるピアノの特徴は主に以下の2点です。
- ボサノバ固有のリズムパターン
- ジャズをベースにしたハイポジションによるルートレスボイシング
まずはリズムについて見ていきましょう。
ラテンほどではありませんが、ボサノバにも固有のリズムパターンが存在します。
それが以下のようなものです。
このリズムは、ピアノ特有のものではなく、ギターによるコードコンピングの際にも使われます。
ボサノバを演奏する際の基本パターンとなるので覚えておきましょう。
また、ボサノバがジャズの影響を大きく受けていることもあり、そのボイシングはジャズ同様ハイポジションによるルートレスボイシングがよく使われます。
ボサノバにおけるサウンドメイク
前述の通り、ボサノバはジャズの影響を大きく受けていることから、その音色もジャズと同じ考え方で良いでしょう。
- 明るすぎず暗すぎず、クリアなサウンド
- 比較的ドライな空気感
クラシックピアノよりは明るく、ポップスのピアノよりは若干暗い程度の音色で、コンピングの明瞭さが出るよう適度に高域が含まれたクリアなサウンドを目指します。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
音源の設定
アコースティックピアノについては、ジャズと同じセッティングで問題ないでしょう。
一方、ボサノバではエレピ(ローズ)もよく使われます。
ボサノバのローズは、リズムを刻んだり白玉でしっとり聴かせたりと多様な使い道がありますが、ここでは白玉を聴かせる目的でトレモロを使ったリッチなサウンドを目指してみました。
アコースティックピアノの設定
エレクトリックピアノ(ローズ)の設定
ボサノバのピアノアレンジ例
ここからは、ボサノバのピアノアレンジ例をご紹介していきます。
1つずつ見ていきましょう!
パターン①
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
冒頭でご紹介した、ボサノバ固有のリズムを刻んだ定型パターンです。
ハイポジションによるルートレスボイシングでテンションを適度に組み込んだ大人な雰囲気を作るとよいでしょう。
ジャズ同様、コード記号にテンションが書かれていなくても、プレイヤーによる判断でテンションが挿入されます。
基本的には、常に9thまで入れて弾くと考えてOKです。
打込みのポイント
基本的には、これまで解説した各種打込みテクニックにならって打込めばOKです。
一方、他のジャンルと比べて、ややソフト目のタッチで淡々と(一定に近いベロシティで)打込む方がボサノバらしい雰囲気に仕上がります。
高域のトップノートは埋もれやすいので、少し立て気味にしてしっかり聴かせましょう。
パターン②
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、白玉を中心に組み立てたパターンです。
ジャズのように、コード記号が記載されている半拍前にコードチェンジするのもOKです。
また、和音を転回させてトップノートに動きを出すテクニックもよくマッチします。
打込みのポイント
こちらもソフトなタッチで打込みましょう。
転回によって動きを出したトップノートは、やや強調気味に打込むことで動きに明瞭さがプラスされます。
パターン③
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、ローズによる白玉+メロディアスな動きを取り入れたバージョンです。
しっとりと聴かせたい場合は、ローズの音色がよくマッチしますね。
ハイポジションによるルートレスボイシングが基本のボサノバですが、こちらのパターンのようにローポジションでルートをしっかり弾くのもナシではありません。
とくに右手のメロディを際立たせたい場合には有効な手段となります。
打込みのポイント
こちらも、コード部分はソフトなタッチで優しく弾きましょう。
一方、メロディアスなオカズフレーズはやや強めに打込んでしっかり聴かせることで、メリハリのある演奏に仕上がります。
パターン④
ピアノ&ベース&ドラム
ピアノのみ
フレーズの特徴
こちらは、サンバとボサノバの間の子パターン。
テンポの早いボサノバフレーズです。
といってもやることは同じで、パターン①の定型リズムをダブルタイム(倍テン)で演奏するだけなので難しくないでしょう。
打込みのポイント
テンポが速くなった分、ベロシティやデュレーションにメリハリをつけた方がイキイキとした仕上がりになります。
とくにデュレーションは、短く切る音と伸ばすおとでメリハリをつけて打込みましょう。
まとめ
というわけで、ボサノバのピアノアレンジ&打込みについて解説しました。
定型パターンを持つという点において、その他のジャンルよりも雰囲気を出しやすいジャンルでしたね。
その特徴を理解しながら、様々なバリエーションを研究していくことでより引き出しが広がると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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