キーボードのサウンドメイク基礎②:エレクトリックピアノのサウンドメイクを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、エレクトリックピアノのサウンドメイクについて解説していきます。
- エレクトリックピアノのサウンドメイク手順
- プリセット選定
- プリアンプの調整
- 各種ノイズの調整
- モジュレーション系エフェクトの調整
- その他エフェクトの調整
エレクトリックピアノのサウンドメイクは、プリアンプやモジュレーション系エフェクトの設定がキモ。
電気回路を持っている分、アコースティックピアノよりやや複雑な印象をもたれがちですが、手順や処理内容を把握すればそう難しいものではありません。
バッチリマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
キーボードのサウンドメイク基礎②:エレクトリックピアノのサウンドメイクを理解しよう!
エレクトリックピアノのサウンドメイク手順
エレクトリックピアノのサウンドメイク手順は以下のとおりです。
- プリセット選定
- プリアンプの調整
- 各種ノイズの調整
- モジュレーション系エフェクトの調整
- その他エフェクトの調整
さまざまなモデルや機種が存在するエレクトリックピアノですが、どのモデルも上記の手順にしたがって進めていけばOKです。
早速見ていきましょう!
■ 1. プリセット選定
まずはプリセットを選びましょう。
エレピのプリセット選定の際には以下の2点を考慮する必要があります。
- どの楽器を使うのか?
- どのセッティングを使うのか?
ここで大事になってくるのは、前者の「どの楽器を使うのか?」という点。
セッティングはあとからいくらでも変更できますが、元となる楽器の音色(サンプル)はプリセットを変えない限り変更できません。
ローズを使うのか、ウーリッツァーを使うのか、ピアネットを使うのか、エレクトリックグランド(CP70など)を使うのか。
この段階でしっかりと決めておきましょう!
KEYSCAPE:Rhodes – LA Custom
KEYSCAPE:Rhodes – Classic
KEYSCAPE:Wurlitzer 200A
KEYSCAPE:Pianet N
KEYSCAPE:Electric Grand CP70
なお、今回はエレピの定番モデルということで「Rhodes – Classic」を使って音作りを進めていこうと思います。
■ 2. プリアンプの調整
プリセット選びが完了したら、次にプリアンプの設定をしていきましょう!
もちろん、プリセットそのままの設定で問題ない場合はこの工程をスキップしても構いません。
エレピのプリアンプは、ギターアンプやベースアンプに搭載されているものの簡易版のようなもの。
クリーンなサウンドを出したり、少し歪ませたりとさまざまな設定ができるほか、EQによる周波数成分の調整も可能です。
正解不正解はありませんので、楽曲にマッチするものを選んでいきましょう!
CLEAN
WARM
CRUNCH
BRITE 1
■ 3. 各種ノイズの調整
次に、各種ノイズの調整をしていきましょう。
アコースティックピアノ同様、以下の2種類のノイズ成分を調整していきます。
- 離鍵ノイズ
- ペダルノイズ
離鍵ノイズ(リリースノイズ)
鍵盤から手を離した際に発生するノイズです。
アコースティックピアノに比べて比較的ライトなノイズですね。
離鍵ノイズあり
離鍵ノイズなし
ペダルノイズ
ダンパーペダルを踏んだり離したりした際に発生するノイズです。
ペダルを踏んだ時、離した時でそれぞれ特有のサウンドが発生します。
- ペダルを踏んだ時:ダンパーが発音体から離れる際に生じる不協和なサウンド
- ペダルを離した時:「ゴトッ」というペダルの稼働音
KEYSCAPEの場合、アコースティックピアノのペダルノイズと似たようなサウンドが収録されており、エレピのペダルノイズとは違う音のような気がします。
(やや控えめなサウンドではありますが。)
そもそもエレピの場合はペダルノイズの有無がリアリティに与える影響はそこまで高くないため、思い切ってカットしてしまっても問題ありません。
ペダルノイズ
■ 4. モジュレーション系エフェクトの調整
次に、モジュレーション系エフェクトをかけていきましょう。
こちらも必要がなければスキップして構いませんが、モジュレーション系エフェクトはエレピとの相性が非常によいため導入を検討するのも一興です。
エレクトリックピアノで比較的よく使われるモジュレーション系エフェクトは以下の通りです。
- トレモロ
- コーラス
- フェイザー
とくにトレモロについては、エレピの定番サウンドを作る上で非常に重要なエフェクトとなっています。
ここでは、トレモロとそれ以外に分けて解説していきます。
トレモロ
サウンドの音量に周期的な変化をもたらすエフェクトです。
エレピのサウンドメイクで最も頻繁に使われるエフェクトで、さまざまな楽曲でこのサウンドを聴くことができます。
トレモロには「オートパン」と呼ばれる自動的にパンニングを行う機能もついており、通常はこれがオンになっています。
もちろん不必要な場合はそれをオフにすることも可能です。
トレモロ:オートパンあり
トレモロ:オートパンなし
また、変調の深さやスピードもコントロールすることができますので、楽曲のテンポや雰囲気に合わせて適宜調整してみてください。
トレモロの仕組みについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご活用ください。
その他のモジュレーション系エフェクト
コーラスやフェイザーなどのエフェクトもエレピとの相性抜群です。
これらのエフェクトをかけることで、サウンドに厚みを出したり、独特のうねりをプラスすることができます。
(かけすぎると音像がボケるなどの悪影響が出るので注意。)
コーラス
フェイザー
ビブラート
コーラスやフェイザーなどに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
■ 5. その他エフェクトの調整
最後に、必要に応じて各種エフェクトをかけていきましょう。
アコースティックピアノ同様、以下の3種のエフェクトの設定を行います。
- イコライザー
- コンプレッサー
- リバーブ
イコライザーとコンプレッサー
サウンドのカラーを調整したり、周波数バランスに起因する問題を解決するためのイコライザー。
そして、ダイナミックレンジを整えたり、アタックやサスティン成分を調整するためのコンプレッサーを適用します。
KEYSCAPEにはテープコンプ(テープレコーダーによるコンプレッションを再現したもの)が搭載されており、それを使うことでアナログ感のあるファットなサウンドを作ることもできます。
いずれも、必要がなければ無理にかける必要はありません。
イコライザーなし
イコライザーあり
イコライザー&テープコンプ
イコライザーやコンプレッサーに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
リバーブ
美しい残響を付加するために使用します。
アコースティックピアノ同様、音源内部のリバーブは使わずDAWのミキサーでかけることをオススメします。
リバーブなし
リバーブあり
リバーブに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
まとめ
というわけで、エレクトリックピアノのサウンドメイクについて解説しました。
プリアンプやモジュレーション系エフェクトなど、エレピらしいサウンドを実現する要素が満載でしたね。
それぞれの効能をよく理解して使うことで幅広い音作りが可能となりますので、様々なセッティングを試しながら理解を深めていってください!
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