楽曲のキーに関わる「移調」と「転調」の基礎知識を理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師の鎧都万雄大(@Yudai_Yoroi) です。
今回は、移調と転調について解説していきます。
- 移調とは?
- 転調とは?
- 移調が行われるケース
よくわからないうちは、曖昧な区別をしてしまいがちな移調と転調。
その2つがどのように違うのか?どんなことに使われるのか解説していきます。
キー(調)について理解しているとよりわかりやすくなります、まだ不安な方はこちらの記事もご覧ください!

楽典:移調と転調
移調とは?
移調とは、楽曲全体を別のキーに変えることです。
DAWを扱う方にとってはトランスポーズという名前の方がお馴染みかと思います。
移調は、楽曲全体が別のキーに丸っと移動するため、以下の内容は変わりません。
- 各音の音程関係が変わらない
- リズムが変わらない
■ 各音の音程関係が変わらない
移調前
移調後
楽曲全体が同じ音程分移動するため、それぞれの音程関係が移調の前後で変わることはありません。
移調時に音高が変わっていても、移調前に完全4度の関係だったなら移調後も完全4度のままです。
そのため、メジャーキーの楽曲がマイナーキーに変わるような場合は移調ではありません。
■ リズムが変わらない
移調前
移調後
音程関係と同様、リズムについても移調の前後で変わることはありません。
移調で変化するのは音高のみで、音価に影響がないということですね。
転調とは?
転調とは、楽曲中のキーを一時的に変更することです。
転調は、作編曲としての側面が強く、例えば以下のようにいろんなパターンが考えられます。
- 楽曲の途中で別のキーへ移り、その後また元のキーに戻る
- 楽曲の最後に転調し、盛り上がりを演出する
- 絶えずキーを移り変えていく
などなど、楽曲の途中でキーが変わってしまえば、それは転調と呼んで差し支えないでしょう。
それぞれ、転調するパターンのコード進行を用意しましたので聴いてみてください。
■ 楽曲の途中で別のキーへ移り、その後元のキーに戻る
■ 楽曲の最後に転調し、盛り上がりを演出する
■ 絶えず転調していく
ここに使われているコード進行については、コード理論の理解が深まれば自然と使えるようになります。
気になった方は、コード理論カリキュラムの学習をオススメします!

移調が行われるケース
移調が行われるケースは、主に2つあります。
- 演奏する楽器や人に合わせて、キーを調整する
- 移調楽器のために、移調して記譜する
■ 演奏する楽器や人に合わせて、キーを調整する
例えば、ボーカリストの得意な音域に合わせて、楽曲全体のキーを上げたり下げたりといった場合です。
他にも、民族楽器など音域の狭い楽器などに合わせて、キチンと鳴らせる範囲内に収まるよう移調が行われます。
いずれにしても、そのキーで生じた問題を解決するために、他のキーへ移調することが主な目的です。
■ 移調楽器のために、移調して記譜する
クラリネットやホルン、トランペットなど、楽器の中には譜面にある音(=記譜音)と実際になる音(=実音)が違う楽器があります。
DAWで作っている間は問題なくとも、移調楽器をレコーディングする際など、その楽器に合わせて移調して楽譜を作る必要があります。
移調して記譜しておかないと、楽曲と移調楽器でキーがズレた状態で演奏されしまい、最悪演奏できない!なんてことになりかねません。
それを避けるためにも、移調楽器はお約束として移調した状態で記譜します。
移調楽器の詳細については、ホーンセクションカリキュラムの記事で解説していますので、気になった方はぜひご覧ください。

まとめ
ということで、移調と転調について解説しました。
どちらもキーが変わるということについては共通点ですね。
目的と合わせて覚えると間違うことはなくなるので、しっかり覚えていきましょうね!
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