ジャンル別ビートメイク⑥:12/8ビートを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ブルースの中でもとりわけスローテンポの楽曲で用いられる「12/8ビート」について解説していきます。
- 12/8ビートの特徴
- 12/8ビートのリズムパターン
- 12/8ビートの音色選び
- 12/8ビート打込みのポイント
12/8ビートは、シャッフル・ビート同様に3連符を基調としたビート。
しかし、同じ3連符でも「シャッフル・ビート」と「12/8ビート」では、3連符の感じ方が微妙に異なります。
その違いを理解することでよりリアルな演奏表現が可能になりますので、しっかりとマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
スロー・ブルースの例:Buddy Guy『Stay Around A Little Longer ft. B.B.King』
12/8ビートの基本
12/8ビートの特徴
冒頭でもお伝えした通り、12/8ビートはスローテンポなブルースで用いられるビート。
シャッフル・ビート同様3連符ベースのビートで、独特のけだるさと土臭さはそのままに、ゆったりと落ち着いたグルーヴが特徴です。
12/8ビートの特徴は以下のとおり。
- 12/8拍子を基調とした3連符系リズム
- スロー・ブルースにぴったり
- ルーズでダブついた音色
それぞれ詳しく解説します。
12/8拍子を基調とした3連符系リズム
12/8ビートは、その名の通り12/8拍子を基調とした3連符系のリズムパターンです。
同じく3連系のシャッフル・ビートよりもルーズさは抑えられ、正確めに3連符を刻む傾向にあります。
「ツツツ タツツ ツツツ タツツ」と、淡々と穏やかに刻むのが12/8ビートの特徴ですね。
12/8ビートの例
12/8拍子についての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
スロー・ブルースにぴったり
12/8ビートは、ブルースの中でもとりわけテンポの遅い「スロー・ブルース」にぴったりです。
とくに、バラード調のメロウで歌い上げる楽曲にはおあつらえ向きといえるでしょう。
そういう意味では、ブルース以外のバラードで使用しても全く違和感なく使えると思います。
ルーズでダブついた音色
音色については、ブルースの基本ビートである「シャフル・ビート」と同じものであると考えて問題ありません。
詳しくは、「シャッフル・ビート」の解説記事をご覧ください。
12/8ビートのリズムパターン
それでは、12/8ビートのリズムパターンをみていきましょう!
パターン①
12/8ビートの最も基本となるビートです。
スローテンポで演奏される3連ハイハットの刻みが印象的です。
パターン②
パターン①をベースに、3連真ん中のハイハットを16分音符に分割したパターンです。
テンポが遅いため、片手で演奏が可能です。
パターン③
パターン①をベースに、キックの手数を増やしたバリエーションです。
このように、キックとスネアのコンビネーションは自在に変更することができます。
パターン④
2&4拍のスネアを排除して、3連ウラで断続的なビートを刻んだパターンです。
若干土臭さが増しますね。
パターン⑤
2&4拍のスネアのほかに、3連フィールのスネアのゴーストノートをプラスしたパターンです。
パターン②同様16分音符のフィールが加わることで、より繊細なグルーヴになります。
パターン⑥
パターン①のハイハットやスネアはそのままに、キックを用いて16分のフィールをプラスしたパターンです。
パターン⑦
パターン②をベースに、キックにも16分フィールをプラスしたパターンです。
ゆったりとしたテンポの楽曲でも、勢いが損なわれないグルーヴになりました。
パターン⑧
さらにテンポを落として、ハイハットの刻みを完全16分フィールにしたパターンです。
テンポが遅いため、片手での演奏が可能です。
16分ウラのハイハットは気持ちよくシャッフルさせるのがミソ!
12/8ビートの打込み
12/8ビートの音色選び
12/8ビートもブルースの一種ですので、音色についてはシャッフル・ビート同様「ルーズでダブついた音色」を意識しましょう。
チューニングが緩めのヘッド(打面)でダブついた印象のドラムと、強めのルーム感がポイントです。
- 少し低めのピッチ(音程)
- ルーズなアタック(打音)
- 強めのルーム感(余韻)
こちらも、50年代ドラムやファンク・キットをベースに作っていきましょう。
(基本的に「シャッフル・ビート」と同じキットを使ってOKです。)
キック
スネアドラム
タムタム
ハイハット
ライドシンバル
クラッシュシンバル
12/8ビート打込みのコツ
12/8ビートのベロシティ
12/8ビートのベロシティにおいては、頭拍のアクセントが最重要となります。
シャッフル・ビート同様「裏ノリ」感は意識すべきですが、3連ウラはそこまで強調しなくても大丈夫です。
(自然に3連ウラを感じる程度でOK!)
また、バラードでの使用を想定して、優しくソフトなタッチを再現したベロシティ選定もポイントですね。
12/8ビートのクオンタイズ
12/8ビートでは3連符の刻みをジャスト目に打ち込む方がニュアンスが出ます。
あくまで淡々と、優しく刻んでいくイメージですね。
強いていうならば、3連真ん中のハイハットのみスウィングを使って軽くレイドバックさせると気持ちよくグルーヴします。
また、スネアも軽めにレイドバックさせるとなお良いでしょう。
ちなみに、ハイハットやキックに16分フィールを取り入れる際には、16分ウラを強めにスウィングさせると最高です。
まとめ
というわけで、12/8ビートについて詳しく解説しました。
スロー・ブルース、中でもバラードにぴったりのこのビート。
ブルース以外にも応用範囲が広いビートかと思いますので、様々な楽曲を研究してグルーヴのコツを掴んでいただければ幸いです。
【オススメ】音大・専門学校レベルのセミナーをスマホ1つで受け放題!月々わずか2,980円から!
作曲・DTMを学びたいけどレッスンに通う時間がない!そんなあなたに朗報!音大・専門学校レベルのセミナーを、スマホ1つで24時間365日受け放題!ご自宅で、外出先で、いつでもどこでも本格的な音楽教育をお楽しみいただけます。国内No.1の豊富なカリキュラムと200時間を超えるセミナーアーカイヴに無制限アクセス!今ならなんと月々わずか2,980円(税込3,278円))から!詳細は以下のボタンをクリック!
【登録無料】公式LINEに登録してOTOxNOMAをもっと便利に活用しよう!
公式LINEアカウントには、OTOxNOMAを便利に活用するための機能が満載!あなたにぴったりのカリキュラムを見つけたり、効果的な学習方法を学んだり、最新情報を受け取ったりと、OTOxNOMAを最大限活用するためのヒントが目白押しです。登録は無料!ぜひこの機会にご登録ください!