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ジャンル別ビートメイク⑥:ダブステップのビートをマスターしよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、2000年代のEDMを語る上では欠かせない存在となった「ダブステップ」のビートについて解説していきます。

  • ダブステップとは?
  • ダブステップの特徴
  • ダブステップのリズムパターン
  • ダブステップの音選び
  • ダブステップの打込みのポイント

初期のダブステップはもちろんのこと、そこから派生したより攻撃的なダブステップ、通称「ブロステップ」についても触れていきたいと思います。

その成り立ちや特徴を理解することで、あなたの楽曲の説得力も格段にアップすること間違いなし。

ぜひ、楽しみながら学んでいきましょう!

初期ダブステップの例:Skream『Rutten』

 

ダブステップの基本

ダブステップの基本

ダブステップとは?

「ダブステップ」は、2ステップ」に「ダブ」の要素を融合して生まれた比較的新しいジャンル。

「ダブ」:録音された素材に様々なエフェクトや加工を施して新しい作品を生み出すリミックス手法、またはそのような手法を用いたジャンルのこと。

つまりダブステップとは、2ステップ」をベースに、エフェクティブなサウンドを使った新たな表現を追求した結果生まれたジャンルと考えることができますね。

2ステップ」がベースということは、その源流は当然「UKガラージ」にあります。

「UKガラージ」がいかにして「2ステップ」「ダブステップ」へと進化していったのかは、ぜひ以下の動画をご覧ください!

How did UK garage become dubstep? | Resident Advisor


さらに、2010年代に入ってからは、エレクトロハウス由来の攻撃的なサウンドを使った「ブロステップ」というジャンルが注目を浴びましたが、ダブステップが持つエフェクティブな要素を発展させた新しい表現の形といえるでしょう。

ブロステップの例:SKRILLEX『Bangarang feat. Sirah』

ダブステップの特徴

前述の通り、「ダブステップ」は「2ステップ」をベースに誕生したジャンル。

そのリズムは、本来の意味での「2ステップ」に近くなり、4つ打ちから2拍目と4拍目のキックを抜いた2ビートが基本となります。

実際には、それをハーフタイムで引き伸ばす形で、1拍目のキックと3拍目のスネアで構成された非常に潔いリズムとなっています。

一方で、ハイハットは小刻みに刻まれる複雑なビートを持つことも特徴。

また、「ダブ」由来のテクニックとしてディレイなどのエフェクターを用いてリズムを複雑化する手法などもみられるため、そのリズムは実に多岐に渡ります。

  • ハーフタイムの2ビート
  • 小刻みに刻まれるハイハット
  • エフェクターでリズムを複雑化することも

ダブステップのビート例

■ ハーフタイムの2ビート

2ビートとは、1拍目&3拍目に強いアクセントを持つ基本ビートでしたね。

4つ打ちが毎拍キックを演奏するのに対して、2ビート1&3拍目のみでキックを演奏するのが基本

ダブステップでは、それをさらにハーフタイム(通称:半テン)で引き伸ばすことによって、スキマの多いシンプルなビートを持つことが特徴です。

■ 小刻みに刻まれるハイハット

キック&スネアが非常にシンプルなリズムを刻んでいるのに対して、ハイハットは小刻みかつ複雑に刻まれることが多いです。

エレクトリック系ドラムサンプラーの特性を生かし、1発1発のハイハットサウンドにバリエーションを持たせることで、トリッキーなビート作りが可能です。

■ エフェクターでリズムを複雑化することも

とくに初期のダブステップで多くみられる手法。

「ダブ」の要素をふんだんに取り入れ、ディレイなどのエフェクトを使ってリズムを複雑化させることも可能です。

前述の通り、キックやスネアにたっぷりとスキマがとられていることで、ディレイなどエフェクトを用いた加工が効果的に行えます。

ブロステップなどの新しいジャンルではあまりみられなくなりましたが、本来のダブステップらしさを追求する上では欠かせないテクニックと言えるでしょう。

ダブステップのリズムパターン

それでは、ダブステップのリズムパターンをみていきます。

譜ヅラ自体はシンプルですが、その音色によるトリッキーな表現にご注目ください。

パターン①

ハーフタイムの2ビート+8分ハイハットという非常にシンプルな基本形です。

ハイハット1発1発の音色をを変えることで、シンプルながらもトリッキーなビートを実現しています。

パターン②

ハイハットをより細かく刻んだパターンです。

リズムと音色双方で変化をつけることで、さらに面白いビートになっていきます。

パターン③

キックとスネアを複雑化し、より攻めたビートへ進化させた例です。

ハーフタイム2ビートの根幹である、1拍目のキックと3拍目のスネアさえ崩れなければ、手数を多くしても成立します。

パターン④

ダブステップでは、3連系のフィールを用いることもよくあります。

12/8拍子でハーフタイムの2ビートを演奏している感覚で打込むとバッチリハマるでしょう。

 

ダブステップの打込み

ダブステップの打込み

ダブステップの音色選び

ダブステップは、エフェクトを多用した音作りから昨今の攻撃的なサウンドまで、実に多用な音色を用いられます。

ぶっちゃけこれぞダブステップ!」と言えるようなサウンドは存在しないんですね。

そこで今日は、「ブロステップ」よりのパワフルな音色をご紹介していこうと思います。

  • ファットかつアタックの鋭いキック&スネア
  • 豊富なバリエーションのハイハット

今回は、Native Instruments社「Battery」に収録されている「Fat Step Kit」というプリセットを選びました。

その名の通り、ファットなサウンドを持つダブステップ(ブロステップ)用の音色であることが伺えますね。

キック

スネア&リム

ハイハット

ダブステップの打込みのコツ

■ ダブステップのベロシティ

ダブステップのベロシティは、潔く一定にしてしまうのも全然OKかと思います。

ベロシティによる強弱ではなく、音色の変化によってグルーヴを作った方がよりダブステップの趣旨に近いからです。

(もちろん、必要があれば強弱を調整すること自体NGではありません。)

とくにハイハットの音色にバリエーションを持たせることで、シンプルなビートでもトリッキーに聞かせることができるのでオススメです。

■ ダブステップのクオンタイズ

クオンタイズについても、潔く全ノートグリッドジャストという選択肢も全然アリです。

とくに「ブロステップ」では機械的なサウンドこそが醍醐味だったりもしますからね。

逆に、初期のダブステップなどにみられるウェットなサウンドを求めるならば、軽めのスウィングを入れることも決してNGではありません。

楽曲に合わせて、自由に調節しましょう!

 

まとめ

というわけで、ダブステップのビートについて詳しく解説しました。

比較的歴史の浅いジャンルでありながら、その多様性には目を見張るものがあるダブステップ。

次々と新しいサウンドが生まれていくところもクラブミュージックの醍醐味ともいえるわけですが、流行を追いかけるだけでなく、その成り立ちを深く知ることであたらなアプローチが見えてくるもの。

今日の記事を参考に、ダブステップの成り立ちを深掘りしてみてはいかがでしょうか?

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