バンド編成ならではテクニックが満載。ジャズ・ワルツのスケッチ制作手順!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ジャズ・ワルツのスケッチ作りについて解説していきます。
- スケッチの概要とメリット
- スケッチに必要な要素
- バンド編成の歌モノにおけるスケッチの手順
ジャズ・ワルツにおいても、楽曲の設計図となるスケッチづくりは重要な作業です。
今回はバンド編成の歌モノということで、EDMのスケッチとは違う手順でスケッチを作っていきます。
その際に気を付けるべきポイントなども踏まえて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!
今回の教材曲:プロスペロー『MOB 〜この街のありふれた一人〜』
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
バンド編成ならではテクニックが満載。ジャズ・ワルツのスケッチ制作手順!
スケッチの概要とメリット
EDMの解説記事でもご説明しましたが、スケッチとは楽曲の設計図を作る大事な工程。
作曲の初期段階で作品の全体像を固めておくことで、その先の作業の見通しを立てやすくするものでしたね。
スケッチの具体的なメリットは以下のとおりです。
- 楽曲の自然な流れを作れる
- 完成までの見通しが立てやすくなる
- アレンジを進める際に迷いがなくなる
- 作業途中で行き詰まりにくくなる
- 作業にムダがなくなる
とくに、バンドものやオーケストラものなどセオリーにならった正統派アレンジを施したい楽曲においては、スケッチの重要度はますます高まります。
スケッチ段階で大枠が決まっていれば、あとはセオリー通りに肉付けしていくことでしっかりとしたアレンジに仕上がりますからね。
面倒でもこの工程は端折らず、しっかりと土台を作ることに専念しましょう!
スケッチに必要な要素
スケッチは、楽曲の主要な要素である
- メロディ
- コード(+ベースライン)
- リズム
の大枠を決めていく行為のことでした。
音楽の3大要素である「メロディ」「コード」「リズム」の大枠を決めることで、作曲初期段階から楽曲の全体像を正確に掴むことが目的です。
今回のジャズ・ワルツでは、以下のようなスケッチを作りました。
メロディ、コード、ベース、リズムのみで組み立てたスケッチ
バンド編成の歌モノにおけるスケッチの手順
バンド編成の歌モノにおけるスケッチの手順は以下のとおりとなります。
- ピアノ、ドラム、シンセメロの音色を用意する
- 先に簡単なリズムを入力しておく
- メロディとコードを作る
- ベースを入れる
それぞれ、詳しく説明していきます。
1. ピアノ、ドラム、シンセメロの音色を用意する
例によって、スケッチでは原則としてピアノの音色を使って行います。
また、あらかじめ簡易的にリズムパターンを打ち込んでおいた方がグルーヴがつかみやすくなるため、ドラムの音色もあらかじめ用意しておきましょう。
さらに、歌モノのスケッチを作る上ではメロディがはっきりと聞き取れるようシンセメロの音色があると便利です。
シンセメロの音色は、伴奏楽器とは明らかにちがう「いかにも電子音らしい音色」を選んでおいた方が聞き取りやすくオススメです。
ぼくはいつも、アナログシンセの「三角波」を基調とした丸っこいリードの音を使っています。
シンセメロの音色
その他、スケッチに使用したピアノ&ドラムの音源は以下の通りです。
ピアノ音源「KEYSCAPE」
ドラム音源「Addictive Drum」
2. 先に簡単なリズムを入力しておく
前述の通り、バンド編成のようなリズムものでは、先に簡易的なリズムパターンを打ち込んでおくことでグルーヴを掴みやすくなります。
今回は「ジャズ・ワルツ」ということで、以下のような簡単なリズムを打ち込みました。
「チーンチッチチーン・チーンチッチチーン」というシンバルレガートと、3拍子感を強調する2&3拍目のフットハイハットです。
スケッチ段階では、これだけあれば十分リズムとして機能してくれます。
ジャズの基本ビートについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご活用ください。
シンバルレガートとフットハイハットによる簡易的なリズム
3. メロディとコードを作る
リズムの打込みが完了したら、いよいよメロディとコードを作っていきましょう。
やはりメロとコード双方を同時進行で作るのが理想です。
とくにジャズの場合は複雑なコードを使うことが多いため、和音を先に固めてしまうと後々メロディをのせるのが難しくなります。
かといって、メロディを先に作ってしまうと使用できる和音に制限が生まれることも。
可能なら両方同時進行で作ってしまいましょう。
どうしても同時が難しい場合は、例によって以下の流れで作ってあげるといいですね。
- 簡単なコードを並べる
- そのコードに合わせてメロディを作る
- メロディを作る上で不都合が生じたら、適宜コードを修正する
- 1〜3を繰り返し、楽曲全体のメロとコードを完成させる
この段階でのコードパートは原則白玉で十分ですが、リズミカルに刻んだほうがイメージが湧きやすい場合はそのように打ち込んでも問題ありません。
ご自身が、完成形をイメージしやすい形で進めていきましょう。
メロディとコードによるスケッチ
やはりジャズでは、ちょっと凝ったコード進行の方がサマになります。
とくに、モーダルインターチェンジやテンションを積極的に使うことで、洗練された印象のコードに仕上げることができます。
教材曲のコード進行に関する詳しい解説は次回の記事に委ねるとして、コードに対する理解を深めておく上でコード理論の学習は不可欠となりますので、ぜひこちらのカリキュラムもご活用ください!
4. ベースを入れる
最後に、ベースを入れておきましょう!
通常のポピュラー音楽ではキックやスネアによる定型的なパターンがリズムの要となりますが、シンバルレガートが中心となるジャズにはそれがありません。
したがって、ジャズにおいてはベースこそがリズムの要となります。
ベース無くしてはリズムが成立しないといっても過言ではないほど重要なパートです。
シンバル・レガートとベースのリズム感こそがジャズらしいグルーヴを作るための最大のポイントなんですね。
ですから、スケッチの段階である程度完成形を想定したベースを打ち込んでおくと良いでしょう。
ちなみに、ベースのリズムによってどれくらい印象が変わってくるか、以下の音源を聞いていただけるとわかると思います。
イントロのベース
ヴァース(Aメロ)のベース
コーラス(サビ)のベース
まとめ
というわけで、ジャズ・ワルツのスケッチ制作について、その詳細を解説しました。
今回はバンドかつ歌モノということで、スケッチの手順や気を付けるべきポイントなどEDMとは違う点も多々ありましたね。
ジャンルによって効果的なスケッチ方法を使い分けることも重要だということがお分かりいただけたかと思います。
今日の記事を参考に、ご自身でもジャズ・ワルツらしいスケッチに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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