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ジャンル別ビートメイク⑩:モダン・ジャズのビートを理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、1940年代以降に確立された「モダン・ジャズ」について解説していきます。

  • モダン・ジャズ特徴
  • モダン・ジャズのリズムパターン
  • モダン・ジャズの音選び
  • モダン・ジャズの打込みのポイント

「モダン・ジャズ」は、前回ご紹介した「スウィング・ジャズ」の後に誕生した「ビバップ」が起源といわれる音楽ジャンル。

小編成のジャズアンサンブルで使用され、シンプルな4ビートはそのままに、アドリブ要素の強いスタイルへと変貌しています。

昨今のジャズにおいて最も良く使われるスタイルですので、しっかり学習していきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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モダン・ジャズの例:Charlie Parker『Ornithology』

 

モダン・ジャズの基本

モダン・ジャズの特徴

冒頭でも解説したとおり、「モダン・ジャズ」は「スウィング・ジャズ」以降に誕生した小編成のジャズ・アンサンブルで演奏されるスタイル

現代でも多くの楽曲で採用される、不朽のリズムパターンといえるでしょう。

音楽的な特徴としては、4ビートのシンバル・レガートはそのままに、キックやスネアはアドリブ的に配置していくのが最大の特徴です。

それゆえに、固定のリズムパターンは存在せず、どう演奏するかはドラマーの一存に委ねられています。

そんな「モダン・ジャズ」の具体的な特徴は以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

4ビートのシンバル・レガート とアドリブ的なキック&スネア

「モダン・ジャズ」においても、ジャズを象徴するシンバル・レガートは健在。

しかしながら、キックとスネアに決まったパターンは存在せず、ほぼアドリブ的に挿入されます。

キックは主にアクセントをつけたい場所でのみ演奏し、スネアはコンピングを中心としたランダムな配置となります。

モダン・ジャズのビート例

もちろん「裏ノリ」

スウィング・ジャズ」同様、「モダン・ジャズ」もジャズの一種ですから、無論「裏ノリ」となります。

スウィング・ジャズ同様ルーズでふくよかな音色

モダン・ジャズにおいても、ジャズ特有のルーズでふくよかな音色は健在。

詳しくは、後ほど詳しく解説します。

モダン・ジャズのリズムパターン

それでは、モダン・ジャズのリズムパターンをみていきましょう!

パターン①

フレーズの1拍目のみキックを踏み、スネアはコンピングを中心としたシンプルなパターンです。

パターン②

パターン①をベースに、コンピングの手数を増やしたバリエーションです。

所々、強めのアクセントを入れることでメリハリがつきます。

パターン③

2小節目にスネアとタムによる軽いフィル・インをプラスしたバリエーションです。

パターン④

1小節目ウラにシンコペーションを入れたパターンです。

シンコペーションにはアクセントがつくので、キックを併用すると効果的です。

ちなみに、ライドシンバルは強めに叩くとクラッシュシンバルのような使い方もできます。

パターン⑤

パターン④の手数を増やしたバリエーションです。

パターン⑥

さらに、キックの手数も増やしたバリエーションです。

キックは、アクセント部分以外にもスネアとのコンビネーションによる細かいリズムを担当することもあります。

パターン⑦

ウラ拍にキックを積極的に配置して、シンコペーション感を強めたパターンです。

パターン⑧

シンバル・レガートを演奏しながら、スネアとキックで3連の断続的なリズムを刻むトリッキーなパターンです。

 

モダン・ジャズの打込み

モダン・ジャズの打込み

モダン・ジャズの音色選び

モダン・ジャズにおいても「ジャズ特有のルーズでふくよかな音色」を選ぶと良いでしょう。

スネアのコンピングに色彩感が出るよう、ベロシティによる音色の変化にメリハリが感じられるキットがぴったりですね。

基本的には、スウィング・ジャズ同様に

  • ルーズなアタック(打音)
  • ピッチ(音程)の高いキック
  • クリアすぎないサウンド(空気感)

といった特徴を持つキットが最適で、やはり「ジャズ・スティック・キット」が第一候補になります。

(ブラシを使いたい場合は「ジャズ・ブラシ・キット」を。)

とくに理由がなければ、スウィング・ジャズと同じキットを使用して問題ありません。

キック

スネアドラム

タムタム

ハイハット

ライドシンバル

クラッシュシンバル

モダン・ジャズ打込みのコツ

モダン・ジャズのベロシティ

モダン・ジャズにおいても、4ビートにおけるベロシティの基本をしっかり守りましょう。

「2&4拍目>1&3拍目>3連ウラ」の力関係となります。

また、シンコペーションにはアクセントが付くのが慣例ですので、強めのベロシティでしっかりと鳴らしましょう。

さらに、スネアのコンピングなどで3連符を演奏する場合は、「アタマ>3連ウラ>まん中」の関係になることも覚えておきましょう。

モダン・ジャズのクオンタイズ

クオンタイズも同様に、4ビートにおけるクオンタイズの基本に則ります。

やはり3連ウラはしっかりスウィングさせるのがコツです。

またスネア、タム、キックなどによる3連コンピングは、クオンタイズグリッドを3連符に設定したクオンタイズをさらにスウィングさせることで心地よいグルーヴが生み出せます。

 

まとめ

というわけで、モダン・ジャズについて詳しく解説しました。

今日ご紹介したテクニックは、現代におけるジャズの定番パターンとなりますので、様々な楽曲で応用がきくと思います。

モダン・ジャズのドラムは、とくにスネアのコンピングがキモとなりますので、ぜひ様々な楽曲のコンピングも研究してみましょう!

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