DAW初心者でも安心のアシスト機能!ABILITY3.0のコードパッドが便利!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。
今日は、株式会社インターネットさんとのコラボ企画として、根強いファンも多い国産DAW「ABILITY 3.0(アビリティ)」の機能紹介をお届けします。
ユーザーフレンドリーな設計で、作曲をアシストしてくれる機能が満載の「ABILITY 3.0」。
今日はその中から、自然なコード進行を生み出すのに役立つ「コードパッド」機能をご紹介していきます。
コード進行を作ることはもちろん、コード理論の学習にも役立つスグレモノ!
ぜひ楽しみながら読んでいただければ幸いです!
「ABILITY 3.0 Pro」の紹介動画
【ABILITY3.0特集記事は以下のリンクよりお楽しみいただけます】
DAW初心者でも安心のアシスト機能!ABILITY3.0のコードパッドが便利!
ABILITY 3.0とは?
まずはじめに、「ABILITY 3.0」について簡単にご紹介させていただきます。
「ABILITY 3.0」は、株式会社インターネットさんが開発されているDAW。
DTM界隈では古くから根強いファンをもつ純国産DAW「Singer Song Writer」の上位版として、「ABILITY」が2014年にリリースされ、2019年に最新バージョンの「ABILITY 3.0」がリリースされました。
プロでも愛用者が多いことからも窺えるとおり、痒いところに手が届く便利機能が満載。
- 自然なコード進行をラクラク作れる「コードパッド」
- アレンジやフレーズをサクッと読み出して編集できる「メディアブラウザ」
- コードトーンやコードスケールを色付きで表示してくれるピアノロール
など、作曲をアシストしてくれる機能も充実していて、初心者でも安心して曲作りが楽しめそうですね。
もちろん、本格的な音楽制作にも十分耐えうるスペックで、なかでもVer.3.0から追加された
- ミキサーのセッティングを遡れる「ミキサーヒストリー」
- すべてのVSTプラグインでMS処理が行える
など、ぼくらプロからみても便利な機能がたくさんあります。
これからの進化がますます楽しみなDAWですね!
コードパッドについて
ここからは今日の本題である「コードパッド」機能について解説していこうと思います。
「コードパッド」は、楽曲のキーや現在のコードに基づいて最適なコード進行を提案してくれる便利機能。
コード理論に基づいた自然なコード進行を自動で教えてくれるので、音楽理論が苦手な方にも安心ですね。
むしろ、コード理論の学習にもうってつけだと感じました!
そんな「コードパッド」の画面がこちら。
縦軸に和音の種類、横軸にディグリーが表示されていて、自然に進行できるコードを色付きで教えてくれます。
使用できるコードの種類は以下のとおり。
上記11種類のコードの中から、自然な進行が可能なコードを提案してくれるというわけですね!(便利!)
表示されているコードのうち色の濃いものほど前のコードと親和性が高いコードとなっており、逆に色が薄くなるほど繋がりの悪いコードとなります。
色の濃いコードを選んでいけば、サクサクと自然なコード進行を作れるという寸法ですね。
コードパッドの使い方
それでは、実際に「コードパッド」を使ってコード進行を作ってみましょう。
まずは使い方を覚える意味で、シンプルにCメジャーダイアトニックコードだけを使ってコード進行を組み立てていきます。
まずは、1つ目のコードを選んでみましょう。
コードパッドにあるコード記号をクリックするだけでコードが入力されます。(めちゃ簡単です。)
ちなみに、ここで入力されたコードはアレンジ全体に反映させることができ、MIDIフレーズ素材やACIDループなどに即座に反映されます。
コード記号を変えるだけで簡単にアレンジを変更することができるという点では、楽曲のスケッチを作る上でも非常に役立ちそうですね。
さて、作業の続きをやっていきましょう。
次のコードを入力するためにカーソルを先へ進めると、前のコード(この場合は「C」)から接続できるコードの候補が濃い色で表示されます。
こうしてみてみると、ダイアトニックコードならばどのコードにでも進行できることが分かりますね。
というわけで、「C」の次は「F」、続いて「G」とサクサクコードを入力していきます。
完成したコード進行が以下の通りです。
とっても簡単に自然なコード進行を作ることができました。
よりカッコイイコード進行に仕上げよう!
今度は、ダイアトニックコード以外のコードを使って、よりカッコイイコード進行を作っていきたいと思います。
まずは、先ほどの要領でダイアトニックコードのみを使って大枠を作ってしまいましょう。
今回は「C→Am7→FM7→Dm7→G7→C」という進行にしてみました。
これを元に、どんどんコードをパワーアップさせていこうと思います。
セカンダリードミナントを活用する
まずは、各コードの間にセカンダリードミナントを挟んでみましょう。
コードパッドの秀逸なところは、どのコードに対するセカンダリードミナントなのかが一目瞭然なところ。
例えば、VImの和音である「Am7」へ進行するセカンダリードミナントを入れたければ、「VI」の列のセカンダリードミナントを見ればいいわけですね。
早速、「Am7」の前にセカンダリードミナントである「E7」を入れてみました。
同じ要領で「FM7」「Dm7」の前にもセカンダリードミナントを入れてみます。
リレイテッドIIを活用する
今度は、先ほど挿入したセカンダリードミナントの前に、リレイテッドIIを挟んでみましょう。
セカンダリードミナント同様、VIの和音へ向かうためのリレイテッドIIの場合は「VI」の列を見ればOKです。
「IIm」と「IImb5」の2種類用意されていますが、どちらを使っても問題ありません。
両方試してみて、しっくりくる方を選んでみてもいいですね!
先ほど挿入した「Am7」を1拍後ろに倒し、その前にリレイテッドIIである「Bm7b5」を入れてみました。
同じ要領で、「G7」と「A7」の前にもリレイテッドIIを挿入していきます。
サブスティテュートドミナント(裏コード)を活用する
サブスティテュートドミナントは、通称「裏コード」とも呼ばれ、ブルージーでアダルトな雰囲気を作るのに効果的な和音です。
まずは、最後の「G7→C」の進行の間に、「G7」の裏コードである「Db7」を挿入してみましょう。
サブスティテュートドミナントは、進行したい和音に対して半音上のセブンスコードが該当します。
ですから、「C」の半音上の列を見れば良いですね!
このように、簡単に裏コードを挿入することができました。
さらにカッコよくする
ここからは、コードパッドを使ってさらにカッコイイコード進行に仕上げていきましょう。
まず、3小節目4拍目にある「E7」を、オーグメントコードである「Eaug7」に置き換えます。
これにより、テンション「b13」を追加したのと同じ響きを得ることができるので、一気に大人な雰囲気になりますね!
さらに、4小節目2拍目に「Am7」と「Gm7」をつなぐサブスティテュートドミナントを挿入していきます。
「Gm7」の半音上にあるセブンスコードを選択すればいいので、「Ab7」を挿入すればOKです。
同様に、5小節目4拍目にもサブスティテュートドミナント「Eb7」を挿入します。
最後にとっておき!
6小節目2拍目にも「G7」に対するサブスティテュートドミナントである「Ab7」を入れてみましょう。
直前の「Dm7」との接続の問題かコードパッドでは白色で表示されている「Ab7」ですが、先ほどからお伝えしているとおり「G7」の半音上のセブンスコードですので問題なく使用できます。
たまにはコードパッドに背いて白色のコードを入れてみるのも面白いかもしれませんね!
まとめ
というわけで、「ABILITY 3.0」の便利機能「コードパッド」を活用したコード進行制作テクニックをお伝えしました!
今回実際に使わせていただいての感想としては、非常に使い勝手の良い秀逸な機能だと感じました。
理論がわからなくても適切なコードを選べることはもちろんですが、理論を知っていると尚更スピーディに和音を選択できるような設計になっているところがとても好印象です。
文中でもお伝えしたとおり、コード理論の学習にも大いに力を発揮してくれそうですし、これを機ににコード理論をしっかり勉強してみようという方にも十分オススメできる便利機能です。
今日の記事で「ABILITY 3.0」に興味が湧いた方は、公式サイトから試用版をDLして使ってみてくださいね!
次回は、これまた「ABILITY 3.0」の便利機能、「メディアブラウザ」について解説していきたいと思います。
ぜひそちらもお楽しみに!
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