ジャンル別ビートメイク⑨:スウィング・ジャズのビートを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ジャズの中でも比較的初期に誕生した「スウィング・ジャズ」について解説していきます。
- スウィング・ジャズ特徴
- スウィング・ジャズのリズムパターン
- ジャングル・ビートについて
- スウィング・ジャズの打込みのポイント
- ジャングル・ビートの打込みのポイント
「スウィング・ジャズ」は、主にビッグバンドによる大編成のサウンドでよく用いられるビート。
シンプルな4ビートが主体となっており、ジャズの中でも比較的わかりやすいリズムが特徴です。
また、今回の記事では、同じくスウィング・ジャズで用いられる「ジャングル・ビート」についても解説していきます。
ジャズのリズムを理解する上で基本となるビートですので、しっかりとマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
スウィング・ジャズの例:Benny Goodman (Louis Prima)『SING,SING,SING』
スウィング・ジャズの基本
スウィング・ジャズの特徴
スウィング・ジャズは、ジャズの中でも比較的初期の頃に誕生した4ビートの基本ともいえるジャンルです。
典型的なシンバル・レガートと、4つ打ちのキック、2拍4拍のスネアを中心としたシンプルなビートながら、スローテンポからアップテンポまで幅広く対応できるポテンシャルを持っています。
スウィング・ジャズの特徴は以下の通りです。
- 4ビートを基調としたシンプルなビート
- いうまでもなく「裏ノリ」
- ジャズ特有のルーズでふくよかな音色
それぞれ詳しく解説します。
4ビートを基調としたシンプルなビート
先ほどもお伝えした通り、スウィング・ジャズは4ビートが基本。
「チーン チッチ チーン チッチ」というシンバル・レガートは、ジャズを象徴するリズムといっても過言ではないでしょう。
また、スウィング・ジャズの特徴として、4つ打ちのキックと2&4拍のスネアがしっかりと刻まれる点が大きな特徴です。
これにより、ドラム全体で安定したビートを実現し、ビッグバンドのような大編成でもしっかりと土台を支えられる作りになっているところがポイントですね。
スウィング・ジャズのビート例
いうまでもなく「裏ノリ」
実は、ビッグバンドそのものは白人が主体となって作られた編成。
ですが、そこで演奏される「スウィング・ジャズ」は黒人発祥の「ジャズ」の一種であることに変わりはありません。
いうまでもなく、そのビートは「裏ノリ」となりますので覚えておきましょう!
ジャズ特有のルーズでふくよかな音色
ジャズドラムの音色は、ブルースやカントリーよりもさらにルーズでふくよかな音色が特徴。
こちらについては、後ほど詳しく解説します。
スウィング・ジャズのリズムパターン
それでは、スウィング・ジャズのリズムパターンをみていきましょう!
パターン①
シンバル・レガートに4つ打ちキック&2&4拍スネアを足した、スウィングジャズの基本パターンです。
パターン②
サイドスティックのスネアを4拍目のみ演奏する、ひかえめなパターンです。
パターン③
2拍目にサイドスティック、4拍目にタムの3連系リズムをあしらったパターンです。
パターン④
2&4泊目のスネアをベースに、3連系のゴーストノートを加えたパターンです。
パターン⑤
2&4拍目のスネアを排除し、3連ウラにさりげなくゴーストノートを配置したパターンです。
スネアが入る位置はその場のノリでアドリブ的に決まることが多く、原則として3連ウラを中心にランダムに配置されます。
これを「コンピング」といいます。
パターン⑥
スネアを使ったコンピングのバリエーションです。
パターン⑦
シンバル・レガートの隙間を縫って、スネアのゴーストノートを断続的に演奏するパターンです。
パターン⑧
2&4拍目のスネアにゴーストノートを混ぜ込んだ、パターン④のバリエーションです。
ポリリズム※感が特徴的ですね!
※【ポリリズム】拍のずれた異なるリズムパターンを同時に演奏する手法。Perfumeの『ポリリズム』が有名ですね!
ジャングル・ビートについて
「ジャングル・ビート」とは、フロアタムなどの低音ドラムを使って演奏される重心の低いパワフルなビートのこと。
冒頭でご紹介した「SING, SING, SING」のイントロ部分では、まさにこの「ジャングル・ビート」が用いられています。
その名の通り、ジャングルを彷彿させる野生味あふれるビートが特徴です!
ここでは、アクセントの位置が異なる3つのパターンをご用意してみました。
パターン①
パターン②
パターン③
スウィング・ジャズの打込み
スウィング・ジャズの音色選び
先ほどもおつたえした通り、スウィング・ジャズの音色は「ジャズ特有のルーズでふくよかな音色」が特徴。
ブルースやカントリーよりさらにルーズなアタック感を持つソフトな音色がぴったりマッチします。
また、他のジャンルに比べてキックのピッチ(音程)が高めなのも特徴的ですね。
サウンド全体の印象としては、あまりクリアすぎない方がそれらしくなりますので、ルーム感(リバーブ感)も適度に足してあげると良いでしょう。
- ルーズなアタック(打音)
- ピッチ(音程)の高いキック
- クリアすぎないサウンド(空気感)
選定するキットは、いうまでもなく「ジャズ・スティック・キット」が第一候補になります。
また、ブラシを用いたリズムパターンを演奏する場合には、「ジャズ・ブラシ・キット」を用いると良いでしょう。
ブルースやカントリーで使用した、50年代風のキットから加工するのも悪くないと思います。
今回は、以下のような音色を用意しました。
キック
スネアドラム
タムタム
ハイハット
ライドシンバル
クラッシュシンバル
スウィング・ジャズの打込みのコツ
スウィング・ジャズのベロシティ
スウィング・ジャズは、4ビートにおけるベロシティの基本がそのまま使えます。
シンバル・レガートは、2&4拍目が最もつよく、次点が1&3拍目アタマ、3連ウラはさりげなく鳴らすのがコツでしたね。
また、4つ打ちキックは極力均一に、2&4拍目のスネアも原則均一でも問題ないでしょう。
全体的にベロシティを控えめにして、ソフトなタッチ感を表現してあげると良いかと思います。
スウィング・ジャズのクオンタイズ
こちらも、4ビートにおけるクオンタイズの基本に則りましょう。
とくに、シンバル・レガートやスネアのコンピングで登場する3連ウラの扱いがポイントになるかと思います。
しっかりスウィングさせつつ、楽曲のテンポに応じて気持ちの良い位置を探ってみると良いでしょう。
ジャングル・ビートの打込みのコツ
つぎに、ジャングル・ビートの打込みテクニックについても解説していきます。
ジャングル・ビートのベロシティ
ロックンロールの解説記事でご紹介した「セカンド・ライン」同様に、「ジャングル・ビートも」固有のアクセント感をもつビートです。
ベロシティの設定においては、アクセント部分をしっかりと聞かせつつ、それ以外のノートは控えめに打ち込んであげましょう。
ジャングル・ビートのクオンタイズ
ジャングル・ビートも、シャッフルでの演奏が前提となります。
8分音符のタムには強めにスウィングを入れて、しっかりとシャッフル感を出していきましょう。
まとめ
というわけで、スウィング・ジャズについて詳しく解説しました。
ジャズドラムにおける基本中の基本ともいえるビートですので、しっかりとマスターして以後の学習につなげていきましょう!
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